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異世界でもう一度……  作者: こーたん001
17/19

第17話 帰り道の戦闘①

こっちは何とか…。

前回までのあらすじ



大狼から逃げる。

レイが仲間になった(正式に?)

町へ帰ろう!


―――――――――――――――――――――――――――


「はぁ…」


俺は今悩んでいる。原因は勿論、隣にいる一人の女の子レイだった。


「なぁレイ?」


「ん…?」


「疲れたりしてないか?休んだりしたければすぐに言ってくれよ?」


「ん…。」


…………………………。


話が続かないのです。確かに前世にいたころも話し相手と言ったらあの2人だけで、そのほかに特に仲が良かったと言える奴はいなかったよ。


特に、最後のほうは2人を失ったショックで外にすら出ずに引きこもり状態だったから、自分のコミュ力が低いのは分かり切っていたことなんだ。


それでも今の世界に来てからは考え方も少しずつ変わってきて、その辺も治ってきたはず……だったんだが。


(会話が続かないどころか、成り立ってるのかすら分からなくなってきた…)


レイは反応はしてくれるのだ。反応だけは。ただ内容が一言「ん」とか「分かった」とかだから話がそこで終わってしまう。


(しばらくは一緒に行動することになりそうだったから仲良くしたいんだけどな…)


俺の本心からそう思っている。だけど会話すること以外に仲良くする方法って何!?知らない!誰か教えて!と叫びそうになった。それほどまでに会話がないのだ。


「………。」


「……………………。」


「………………………………。」


「なぁレイ。」


「ん?」


特に内容も考えずについつい口走ってしまいレイに話しかけた。


(やばい特に何も考えてなかった!どうしよう!話題…とにかく話題はなんかないか…)


俺の脳内では会議でもやってるんじゃないかと思うくらいフルで稼働していた。あーでもない。こーでもない。そーでもない。と、そこに一つの会話の種になりそうなものを見つけた。


「あー。町へ戻ったらどんなことをしたいかとかってあるの?」


(こんなことしか聞けない自分って…)


自分に対して悲しみを覚えた。だが、これで少しは進展してほしい。


「ん…。私、あんまり、町、知らない。前に住んでいた、ところでも、町、行ったことなかった。だか

ら、ゆっくり、見て、見たい。」


「そ、そうか!じゃあ俺が案内するよ!といっても俺自身も最近あの町に住み始めたからわからないところも多いけど…それでも良ければ!」


「ん…!あり、がとう…」


ここぞとばかりに話を進める真琴だがその成果は大いにあった。


(まさか町の案内をすることになるとは…。少し気合を入れて準備しなければ…。)


そう心に誓う真琴であった。








しばらく歩き続けもう少しで日が落ちかけてきた時間。本来だったらこの時間には町に戻れていたはずだったのだが、真琴が調子に乗ってレイに話しかけていたら進むスピードが相当遅くなっていたようだ。


(辺りが暗くなり始めると町の近くとはいえ魔物が出てくる可能性は高くなるはずだよな…。)


少し警戒を強めようとした真琴はすぐさま自分たちの歩いてきた道のほうに、砂ぼこりが舞っているのを見つけた。


「あれは…。レイあれはやっぱり…!」


「ん…。魔獣。それも、結構な数。」


レイはいつも通り落ち着いた様子だ。数が多いということは大狼のような大型の個体では無く小型、もしくは中型の群れだろう。


ここからでは、どんな個体が居るのか判断は無理だが、俺の現代兵器と、レイの魔法があれは小型や中型はどうにかなるんじゃないか…?ということは…。


(これは丁度、レイとの連携の練習になるんじゃないか…?)


 そう考えた真琴はホルスターからデザートイーグルを抜き、マガジンを確認しながら、レイに話しかける。


「レイ!いい機会だ。あいつらを撃退するついでに連携の練習をしよう!」


「ん…!」


 レイも杖を持ち臨戦態勢をとる。やる気十分のようだ。だったら尚のこと俺も気合を入れていかないと…。レイの足を引っ張るのはまっぴらごめんだ!


「指揮は俺がとる!レイは指示したように動いてみて!ただ効率が悪かったりしたらレイの判断に任せる!」


「ん…!」


 真琴はレイに声をかけるとすぐそこまで近づいてきた砂ぼこりが舞う方へと視線を移す。


(さぁ…。ここからが本当の闘いだ!この世界で初めてできた仲間との闘いなんだから、気を抜かないようにいかないと…!)


 そうして真琴はこの世界に来て初めてパーティーとしての戦闘を経験する。



次回はまた日曜日だと思います…。

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