第13話 漆黒の少女
作者体調不良により、短めです。
前回までのあらすじっ!
初クエストを受ける。
ターゲット討伐完了!
謎の大型魔物出現!
逃亡したら迷子に。
湖を発見!
倒れてる謎の女の子(?)発見!←イマココ
(えー……これなんて状況?)
気になったから空間の揺らぎに手を伸ばしたがそこから女の子が出てくるなんて誰が考えるだろうか……。
(な、なにすればいいんだ……?触るわけにもいかないだろうし……)
挙動不審な動きをしていると小さな呻きが聞こえてきた。
「ッ……あぅ……」
「あ、起きた」
真琴はとっさに呟いてしまったが、そんなことにはまだ気づいていないようだった。
女の子は上半身を起こして左右を見回す。
その開かれた瞳はワインレッドのように紅く、そして美しい色をしている。
先程までは意識がなく、横になっていたので分からなかったが、身体にはいくつもの傷が付いている。
刃物のようなものの切り傷から、火傷のあとまで種類は様々で、着ている黒いコートのような服はところどころ血で濡れている。
「あなたは……誰?」
ようやくこちらの存在に気がついたようだ。
「こんにちわ。俺は真琴。冒険者をやっているんだが、こんなところに迷い込んでしまって……。良かったら君の名前も教えてくれないか?」
「………………レイ」
「レイか。いい名前だ。」
そして自己紹介も終えたところで、気になっていたことについて話を聞く。
「レイ。なんでこんな所にいたんだ?言いたくなければいいんだが……。」
「………………襲われた。」
「それは誰に……」
「仲間。元々は。」
衝撃だった。
仲間だった奴らにここまでされるなんて……。
そう思うと人事でも頭に血が上る。
「これからどうするつもりなんだ?」
「…………。」
「もし良かったらだけど、この森を出るまで一緒に行動しないか?」
実は俺も迷子なんだけど、と心の中では苦笑いをしながら話しかける。
すると女の子は目を見開いて
「お願い。」
と、一言だけ呟いた。
「わかった。でももうひとつ、確認させて?」
真琴はそういうと、一番気になっていたことを口にする。
「レイは……悪魔とかそういう種族?」
頭に生える2つの角と、背中の翼で何となく察していたが、確認のためだ。
「うん。悪魔。」
「そ、そうか」
「うん。」
そんな感じで、レイは自分とは違う種族であるということを確認した真琴だったが、もちろん扱いを変えるようなことはしない。
ただひとつだけ問題があるとすれば……
(会話が続かないぃ……)
ということだけだ。
レイは口数の少ない女の子なようで、こちらから話しかけなくては反応がほぼ無い。
どうにか仲良くなろうと真琴はレイを見つめる。
(………………あ、そうだ。)
レイに近づいていくと、
「傷は痛まない?」と問う。
しばらくレイはこちらを見てから「少し」と呟いた。
真琴はカタログをストレージから取り出して、応急処置セットを取り寄せると、すぐに中身を確認した。
そこには傷薬や包帯、消毒、ガーゼなど応急処置に必要な様々なものが入っていた。
今後も使うことが多そうだと思いながら、レイの治療を始める。
「ッッ……!」
「我慢してくれよ……?俺は魔法が使えないけど応急処置くらいならできるから……」
テキパキと作業をこなして10分程で、処置を終えた真琴は、残った薬などをストレージにしまう。
「じゃあ、早速動こうか。」
「うん。」
そんな短い会話を交わすと2人はこの森を出るべく、行動を始めたのだった。
次回は2日後の17時を予定。体調が分からないので、短めになるかもしれません。御迷惑おかけしますが、よろしくお願いします!