第12話 魔霧の大森林③
ギリギリ書き終わりましたぁー!
(お、おいおい……。どーすればいいんだよ)
よくわからない場所で一人途方に暮れる真琴は、クエスト途中で正体不明の魔物に遭遇し、逃亡を測った。
逃亡そのものは成功したものの、逃げた場所で現在地を確認すると、マップにUNKNOWNという文字しか表示されなかった。
簡単に言うと真琴は現在迷子である。
(はぁ……これからどうすればいいんだよ……)
出発前にベンの屋台で買った肉を食べながら今後の方針を考えていた。
(待機して助けを待つか……。ここから移動するべきか……)
待機する場合は自体は悪化しないだろう。しかし、改善される保証もない。
かと言って、移動をすればそれだけでリスクを負うことになる。
「うぅぅぅぅ………………」
唸っても現状に変化は起きないのはわかっているが、自然と口から零れる。
どちらにせよ何もしなければ現状から抜けることは無いと判断した真琴は、移動することを決意した。
ただ、移動する前に装備の確認と補給をすることにして、いま身につけている装備を外す。
オークを討伐する時、デザートイーグルは一体につき1発しか使撃っていないので計5発が無くなっている。
それ以外には特になかったが他に必要なものもこの際、追加で召喚することにした。
前回、明らかに強そうな魔物が出た時に必要と感じた『スモークグレネード』やその他のグレネード系である『スタングレネード』『インパクトグレネード』だ。
これは2つセットで金貨1枚だったので即決。また、デザートイーグル50AEの弾丸をワンケース、金貨5枚で召喚し、手元に残った金貨は約40枚になってしまった。
(これは痛い出費だけど……今生き残るには必要だ……)
自分にそう言い聞かせ、装備を身につけていく。
(よし……行くか!)
準備が終わると自分がさっき通ってきた場所を戻っていく。
すると、前方に熱反応を感知した。
(反応はひとつ……影からは四足歩行の魔物だと思うけど……)
ここはレベルを見るためにも戦うべきだろう。デザートイーグルをホルスターから抜き放ち、ある程度接近、そして引き金を引く
ドォパァァンッッッッ!!!!
拳銃とは思えないほどの轟音と共に、弾丸は相手に向かっていく。
ギャァンッッ!!
短い悲鳴が聞こえてきた。
(よしっ!やったぞ)
警戒しながらさらに接近すると狼のような魔物が横たわっている。
もしかするとなにかに使えるかもしれない。
ストレージボックスにしまおうと、どんどん近づく。
すると残り5mほどの時に死んだと思っていた狼型の魔物が跳躍し、こちらに飛んでくる。
「なッッ!!!!」
急に飛んできた魔物に反応しきれず、体当たりをもろで食らう。
「ぐッッあッッ!」
足が地面と離れ、身体が後方へ飛んでいくのがわかる。
バンッッ!!
地面に叩きつけられ意識が朦朧となる。
(う……ぁ……)
それでも何とか視界を保つと、正面からゆっくりした歩みで魔物が向かってくる。
右手を確認すると幸いにもデザートイーグルは手放していなかったようだった。
真琴は痛む身体を無理やり動かし魔物に照準を定め、
ドォパァァンッッドォパァァンッッッッ!!!!
2連射の発砲。
1発はかすっただけだったようだが、もう1発は魔物の眉間に直撃し、今度こそ絶命した。
「ゴホッゴホッ……ハァハァ……」
迂闊だった。魔物が死んだフリをするなんて思ってもいなかった。
(ここの魔物は知能も高いのか……?)
とりあえず狼型の魔物をそのままストレージに収納する。
「さて……どっちへ進もうか……」
左右を見回すとふと、気になった所があった。
周りはやはり霧が濃く、視界が悪いのだがそこは何故か霧が薄くなっている。
何故か誘われているような気がして、自然と足がそちらに向く。
少し進むと湖が見えた。空からは光が照らし、光を反射して存在感がある。
(なんて所なんだ……こんな所があるものなのか……)
散策を進めると、ふと気になる所があった。
何故か空間が揺れているのだ。
手を伸ばしてその空間に触れてみると、ヒビが入ってガラスのように崩れていく。
(あっ、やばい気が……)
そんなことを思いながらも気になるものは気になるのだ。
そっと様子を伺うと、そこには女の子が、倒れていた。
漆黒のような黒髪が、肩にかかるほどの長さをしている。
さらには整った顔立ち。身長は160cm程で、胸は……ノーコメントだ。
ここまでならまだただの女の子だ。だが、問題は頭部と背中にある。
「角と……翼……か?」
その女の子の頭には2つの角、背中にはコウモリを思わせるような深い黒色の翼が生えていたのだ。
やっとヒロイン登場っ!名前はまだ未定!
次回は2日以内に更新です!