表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でもう一度……  作者: こーたん001
11/19

第11話 魔霧の大森林②

ようやくバトルシーンに突入!


舗装された道をしばらく歩き続けるといかにもな雰囲気を醸し出している森を見つけることが出来た。


スキルで目的地かどうかを調べてみると、現在地が間違いなく魔霧の大森林と呼ばれる場所だった。


(おぉぉ……なんだこれ……)


木々の隙間から様子を疑うと、霧があまりに濃いせいで奥まで見渡すことが出来ない。


真琴はとっさにストレージボックスからカタログを呼び出し、とあるものを探し始める。


(この視界の悪さ……こんな時には熱探知機能のついた暗視ゴーグルが重要になるか……)


そう。真琴が取り寄せようとしているのは夜戦に重要な装備、暗視ゴーグルだ。


この、ゴーグルを装備するおかげで視界が悪い中でも戦闘できるようになりかつ、大まかな敵の位置までも把握出来るようになる。


つまり遭遇戦の恐れが大幅に減り、武器の利点である中距離からの先制攻撃も可能になるだろう。


デザートイーグル50AEの射程はおよそ80mだが、1発1発が重いため、下位モンスターであれば一撃で血の海に沈めることが出来るだろう。


(やっぱりこの力ってなかなかのチートだよなぁ……)


魔法が使えなくてもこの世界では戦っていけることを再確認する。


そして、召喚した暗視ゴーグルを身につけたことで、ようやく中に進む準備は整った。


(じゃあ始めるか……)


そして霧の濃い森の中へと向け歩み始めた。






今回のターゲットであるオークは正直そこまでは強くないらしい。


豚が人の形をしたような魔物で、人間から奪った装備を身につけていることがあるが、知力は高くは無く、基本的には単体で行動しているそうだ。


が、オークの上位種である、オークキングなどがいる場合は、難易度が跳ね上がる。


今回は特にそのような情報はギルドに入っていなかったのである程度は安心出来るが……。


(………………ん?)


すると前方に熱反応を感知した。


(ようやくお出ましか……)


忍び寄るように近づいていくと、シルエットが見えた。身長は150cmほどと少し小さいが豚のような頭。間違いなくオークである。


真琴はホルスターから音を立てないようにデザートイーグルを抜き、標準を定める。


(はぁっ……はぁっ……)


息が荒れてくる。実際に構えるとこの銃がいつも持つ時より何倍も重いと錯覚させる。


覚悟を決め、照準をしっかり定め、引き金を引く。



ドォパァァンッッッッ!!!!



大きな炸裂音と共に銃口から弾丸がオークへ向かって真っ直ぐに飛んでいく。


一瞬オークはこちらを見たがもう遅い。銃弾は見事にオークの頭に着弾。頭を吹っ飛ばした。


「はあっ!はっ!はっ!」


初めて打ち出した弾丸は、一瞬でターゲットを撃ち抜いた。その事実で真琴の息はさらに荒れる。


「やった……か……。」


一気に力が抜けそうになったが、とりあえず音で場所がバレた可能性があるので急いで移動する。


もちろんデザートイーグルはホルスターから抜いたままだ。


少し離れた場所に岩陰があったのでそこに腰を下ろす。


(初めて……初めて生き物を殺した……。自分の手で……)


そんなことを思いながら、今後も同じようなことを繰り返し続けるんだ。そう思った。







(そう言えば、討伐数の証明ってどうするんだ?)


少し冷静さを取り戻してきた真琴は、改めてそう思った。


さっきは、すぐに移動してしまったから死体の確認などしていない。


冒険者カードを取り出してみると、そこには変化があった。



(オーク5匹の討伐 1/5 完了)



カードの便利さに何度も驚かされた。


(とりあえずあと4体すぐに見つけて倒そう……。次はしっかりと素材を剥ぎ取らないと……)


そんなことを考えながら重い腰を動かす。


先程の銃の反動で、どこかしら痛めたとも思っていたがそんなことは無かった。


これは、単に肉体の性能が向上していたからというところが大きいだろう。


(前の体だったら間違えなく肩が外れたりしただろうな……)


遠い昔のことのように思い出しつつも真琴は森の中を進んで言った。



ドォパァァンッッッッ!!!!



ドォパァァンッッッッ!!!!



さっきと同じような音が何発も響いている。


あれからは1時間近く。真琴は対象のオークを4匹倒して残り一匹で依頼完了のところまで来ていた。


(なんだかんだ慣れてくるもんだな……)


そんなことを考えながら最後のオークを探しながら歩き続ける。


ここまでの戦闘で真琴のレベルも順調に上がり、今はLv8になっている。


(なんか案外簡単に出来るもんなんだ)


そう思った時、何故か悪寒が走り抜けた。


とっさに物陰を探し、そこに隠れ様子を伺う。


ドンッッ……ドンッッ……


(足音か……?こんなに大きい足音、どれだけ大きいんだ……?)



コォォォォ………………



するとそこには見たこともない大型の魔物がいた。それは美しい銀色の毛並みで、身体には雷が纏っている。


(なんだ……ッッ!なんなんだあれはッッ!!あんな化け物倒せるはずがないッ!)


真琴は必死に逃亡を始める。あいつとは違う方向へ、ただひたすらに走る。


生き残るにはそれしかないのだ。






やがて、走り疲れた真琴は壊れた人形のように足から崩れていく。


幸いにもあの魔物はこちらに気づいていなかったようで、それもあり逃げ切れることができた。


しかし、浅い所ですらあんなに強い魔物と遭遇するのであれば、街への帰路についた時にも出会うかもしれない。


最大限の警戒をしつつ、気持ちを落ち着かせる。


(ホントに何だったんだ……あんな化け物出てくるなんて聞いてないぞ……とりあえず現在地の検索を……)


現在地を確認してから方針を決めようと、マップを開くとそこにはUNKNOWNとだけ表示がある。


(うわぁ……まじですかい……)


どうやら逃げるので必死になり変なところに迷い込んでしまったようだった。

次回は遂に本作のヒロイン登場の予感……?

次の更新は明日の5時に予定!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ