特訓
「表現はかなりおかしいけど、アルテミスちゃんはニアの召喚獣だと思って良いと思う。グレンヴィル様がやった召喚術の……えと」
「あーうん。オーケーわかった。言わないで良いよ」
杖を両手でついているグレンヴィルの眉がピクリと動く。
「ありがと。具現化した召喚獣が受肉したと言えば良いのかな。それこそ木国や火国の始祖様みたいに。ティターニア様は違うみたいですけど」
「ティーたんは〜出来る子なので〜だいじょ〜ぶなの〜」
「自分も出来る子になるっす!頑張るっす!」
ペット枠の二人は意気揚々。コニィアは優しい眼で微笑む。
「それで精霊具現化と受肉はどう違うの?」
「それはティーたんが説明するの。そもそも精霊と呼ばれるものはマナの結晶体で、それ自体には意思はないの。目に見えていないだけでそこら辺にもいっぱいあるの。それを魔法士は魔法として消費していくの」
「マナによって精霊が作られ、その精霊を見えるようにするのが召喚術?」
「そんな感じなの。グーちゃんが得意なのは精霊自体にオドを媒体術式として意識を持たせ効果を発動しているの。どちらかと言えば魔法寄りで精霊具現化ではないの。でもアルちゃんはニー君のオドを使ってマナの結晶体から肉体を構築したの。文字通り産まれてきたから生命体として意識はあるの。これが受肉なの。そして精霊具現化はーー」
ティターニアが指をパチンと鳴らすと周囲に色とりどりの羽のある小人が現れ、楽しげに飛び回っている。
「精霊に自分のオドを組み込み眷属として使役することなの。生まれたての眷属は自意識はない赤ちゃんのようなものなの。だからテー君もニー君もティーたんとアルちゃんを眷属として認めさせないといけないの。じゃないと大変なことになるの」
「大変なこと?」
「ティーたんとテー君、アルちゃんとニー君のオドは繋がってるの。同じ水筒の水を使いあっているようなものなの。片方が一方的にオドを使い続けると片方が最悪死んじゃうかもしれないの。だからルールを設けないといけないの」
「全くわかんないけど、そのルールって?」
「簡単に言うとオドの繋がりを絶ったり繋げたりの練習なの」
それからアマビスカと密談が終わったシュテルンとコニィアはティターニアの特訓を受ける。
夜が明けるまでクタクタになっても特訓は続き、二人が眷属として使役出来るようになるには丸二日かかった。
その二日の間にアマビスカは王都へ戻り、父である王弟クレイブと今後のことについて議論を重ねていた。




