200文字小説集 マーキング(200文字小説) 作者: 日下部良介 掲載日:2014/04/05 「ありがとう」 彼女が貸していた本を返してくれた。 受け取る時に指が触れた。 「あっ…」 思わず声を漏らしてしまった。 けれど、彼女は何事もなかったように微笑んだ。 僕はなんだかドキドキが止まらない。 家に帰って、僕は何となく貸していた本のページをぱらぱらとめくっていた。 ふと、しおりがはさんであるページに目が留まった。 いくつかの文字に蛍光ペンでマーキングしてある。 その文字を繋げると…。 『あ・な・た・が・す・き』