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~第7話~彼はまだ○○に遭うだなんて気付かない

『おとうさま、おかあさま、おはようございます』

私はいつものように習い事に行く前に朝食を取ろうと居間に行ったらお父様とお母様が先に朝食を取っていたので朝の挨拶をした。

『おはよう花怜(かれん)、それに上部(うわべ)も』

『はい、おはようございます(すみれ)様』

上部は頭を下げてお母様に挨拶を交わす。

『ふふ、上部はやはり我が家の執事の中で一番頼もしいわね』

『恐縮です』

上部はお母様に誉められて、頭を下げる。

『……ところで花怜』

ふと、お父様は私に少しだけ真剣な顔で見つめてきた。

『なんですかおとうさま?』

私は少しだけ真剣な顔で聞いてくるお父様に姿勢を良くして話を聞く。

『……いや、なんでもない忘れてくれ』

『?』

お父様は何かを言おうとしたが、言葉を渋って言うのを止めた。

『……それより花怜。今日も習い事はきついと思うが、頑張ってくれ』

そういうと、ポンッと私の肩に手を置いた。

『はい♪おとうさま』

そんなお父様にニコッと笑顔で返す。

『それでは私は仕事にいくか』

そういうとお父様は椅子から腰を上げる。

『上部、花怜をよろしく頼むぞ』

『はい、お任せくださいませ旦那様』

『いってらっしゃい貴方』

『いってらっしゃいませおとうさま♪』

上部に続いてお母様と私はお父様を見送るのだった。

・・・・・・

お父様の見送りをしたあと、私は朝食を食べて一息ついていた。

『花怜』

『……なんですかおかあさま?』

朝食を食べ終え、食後の紅茶を飲んでいた私はお母様の話を聞く為に紅茶を飲むのを止める。

『今日の習い事が終わったらすぐに帰ってきてちょうだいね』

頼んだわよ、と上部にも伝えたお母様はそそくさと部屋をあとにした。

『ねぇうわべ』

『何でございましょうかお嬢様』

『さきほどおかあさまがいっていたすぐにかえってきてって、きょうなにかあるの?』

私はわからないので上部に聞いてみた。

すると、上部は自分の胸ポケットにあった黒い手帳を取り出した。

『菫様がおっしゃっていたのは今日の午後6時30分より旦那様主催のパーティーが(もよお)されます』

『パーティー?』

お父様がこんな急にパーティーをするなんて珍しい。

『はい。お嬢様の──……』

と、そこまで言うと上部は説明を止めた。

『わたしの…なに?』

『……いえなんでもありません』

ゴホンッと咳払いした上部は仕切り直して説明を始めた。

『えー…今回催されますパーティーは、数多くのお客様が来られます』

『おおくって、いっつもかぞえられないぐらいくるじゃない』

私はいつもパーティーを催すときにやってくる人達を思い出す。

あれは目眩(めまい)がするほどの人の数だったのを今でも思い出せるくらいに多い。

『ですが、今回催されますパーティーはいつもよりこられるかたが多いいですよ』

上部は私の言い分を無視して説明を続ける。

『そうなの?』

いつもパーティーをしているときの人数でも多いというのに、それを越える人数だなんて私には想像がつかなかった。

『ですのでお嬢様は習い(・・・)が終わりましたら、急いで向かう形となりますのでお忘れないようお願い致します』

一礼して、手帳を胸ポケットにしまった上部は食べ終わった花怜が開けようとする扉を代わりに開けて待機した。

そんな上部を見た私はいつものようにお礼を言う。

『ありがとう』

そして私は習い(・・・)にいくのだった。

・・・・・・

『あの男の子いるのかな』

私は上部に習い事をいつもしている教育機関綜合(きょういくきかんそうごう)ビルで下ろしてもらった。

『お嬢様』

上部は車から降りると私の座っている前まで後部座席のドアまでくるとドアを開けてくれた。

『ありがとう』

私は車から降りて背筋を伸ばした。

『それではお嬢様習い事頑張ってくださいませ』

『ええ、じかんになったらむかえにきてね』

『はい、かしこまりました』

すると、上部は車にのり、エンジンを動かした。

『……楽しんでくださいませ……』

上部は何かをいうなり車を走らせて屋敷にもどってしまった。

『?。なんていったのかな?』

そうは気になったけど、こうしてはいられない。私は上部の車が見えなくなるのを確認すると急いでビルの中にではなく、昨日、少年と遊んだ公園にいくのだった。

・・・・・・

『おっそーい!!』

『ご、ごめん!ちょっとようじがながびいちゃって』

俺は家の用事─おもにみや姉からの─を済ませて急いで公園に向かったのだが、女の子が先に(ほお)(ふく)らませて待っていた。

『わたしけっこうまったんだからね』

よくみると女の子の手は少し、冷えているように見えた。

『そ、そのさ…おわびといっちゃなんだけど…これ!!』

俺はさっき、用事に付き合ったお礼にみや姉からキーホルダーをもらった。

それを女の子に見せると女の子はさっきまで頬を膨らませていたが、キーホルダーに目を見やった。

『なにこのきーほるだー…たぬき?』

俺が今手元に持っているキーホルダーは小さなタヌキのイラストが着けてあるいわゆるアニマルキーホルダーだ。

『これ、くれるの?』

女の子は遠慮がちな聞いてくる。

『うん♪あそぶのおくれたおれいにあげる♪』

そういうと俺はタヌキのイラストが着けてあるアニマルキーホルダーを女の子の(てのひら)に置いた。

『うわぁっ♪ありがとう♪』

女の子は俺からキーホルダーを(もら)うとさっきまで頬を膨らませていた顔はなんだったのかと思わせるくらいに笑顔だった。

『……!!』

俺はそんな女の子を見ながら胸の辺りがドキドキするのを感じたのだった。

・・・・・・

『よし!それじゃあきょうはきゃっちぼーるしようよ』

『きゃっちぼーるっていったって、ぼーるは?』

『ふっふーん♪ぼーるならここにあるよ』

と少年は(ふところ)から野球用のボールと二人分のグローブを出した。

『そんなのどこからだしたの?』

今どう見ても少年の背中の方から出てきた。

『まあ、そんなことはどうでもいいじゃん』

少年はそういうと私に二つあるうちのひとつのグローブを渡してきたので私はそれを左手にはめた。

『わたしやきゅうなんてやったことないよ』

ピアノや茶道といった室内の習い事なら数年前からやっているけど、野球といったスポーツ系の習い事は習ったことはないし、スポーツ自体したことがほとんどない。

『それなら、なおさらだよ…っと』

といって少年はいきなりだがスピードの遅い球を投げてきた。

『…て、ちょ、ちょっといきなりなげないでよ』

私はギリギリだったけどボールを右手に着けているグローブでキャッチすることが出来た。

ふぅっと胸を撫で下ろす。

『けっこうおそいたまだったけどとれたじゃん♪』

少年はニコッと笑った。

『なにわらってるの!…もうわらいごとじゃないんだから……えいっ!!』

ヒュウゥ~~ッと私が投げたボールは円を描くようにゆっくりと空を駆け抜けていったボールは少年のグローブに収まる。

そんなボールを投げた私をみて少年は苦笑する。

『な、なんでまたわらうかな』

私は少しだけ拗ねたように頬を膨らませてそっぽを向く。

『いやだって、ほんとうにやきゅうやったことないってかそとであまりあそんでないでしょ』

『だ、だってならいごとでいそがしいからおそとでおあそびなんてあまりしたことがなかったんだもん』

『ならよかったじゃん♪』

といって少年は私に向かって、グローブをはめていない左手の親指をつき出した。

そうかもしれない。今までお外で遊ぶといったことをしなかったせいなのか、今まだ勢い任せに一球だけしか投げてないけどとても面白かった。

『…それでもいきなりはやめてよ』

私も少しだけ笑いながら言う。

『わかったよ…それじゃあ、いくよっ!!』

ヒュッとさっきよりも少し速い球を投げてきた。

『もう!ぜんぜんわかってないじゃない!!』

スカッとボールは私のグローブからそれて、公園の出入口の方へと転がっていった。

『ごめんごめん、ちからのかげんまちがえちゃった』

ごめんごめんと少年は顔の前で両手を合わせて謝りながら私の方へとやって来る。

『もう次はちゃんとなげてよね』

私はそういうとボールが転がっていった方向へと行ってボールを広いに行く。

『まったくもう』

『ほんとごめん、つぎはちゃんとなげ───』

と、少年が(しゃべ)っているそんな時だった。

ボールを広いにいった私の車線上に一台の車がやって来た。

『──あぶないっ!!』

少年が駆け出して私の前まで来ると、私を突き飛ばした。

ガッシャァァンッと車のぶつかる鈍い音。

『きゃっ!も、もうなんでつきとばすの──……』

と、私は突き飛ばした少年に声をかけようとした時。

少年が血塗(ちまみ)れで倒れていた。

『────』

それを見た私は、頭の中が真っ白になった。

そして、頭の中が真っ白になった私は頭では考えずにこう思った。

〝わたしのせいだ〟と……。


to.be.continued……









初めましてまたはお久しぶりです勇者王です。

いやー投稿が遅くなってすみませんでした。実はですね、4月27日にダ・○ーポⅢの発売に乗じて私はPCを起動して黙々とプレイをする日々。こんな毎日を続けていた結果、もうすぐ以前の投稿からはや1ヶ月をたとうとしていました。自分はこれでもオールジャンル(BLを除く)なので、色んなジャンルのゲームをしたりします。なので時間がたつのは速いと今現在進行形で思っているところな訳です。

まあ、自分の私事についてはこのぐらいにして……〝彼はまだ彼女の想いに気付かない〟第7話、どうでしたでしょうか。今現在花怜の少年との過去編に入っているのですが、この過去編はあと2話ぐらいを予想しています。この彼鈍を〝おもしろくない!!〟と思っている人がほとんどでしょうが、スミマセンまだまだこれからなので読んでくれると嬉しいです。

そして、少しだけ次回予告(仮)。

事故にあってしまったまだ名前すらもお互いに教えあっていない少年。そんな少年に助けられた花怜。彼女はこの事故に対してどう思うのか。事故に遭った少年を心配する母とそして少年よりも2つ年上の少女。そしてそんな事故に遭った少年の運命やいかに!!。

といった感じで次回予告(仮)でした。先にいっておきますが、次回予告(仮)と書いてあるように(仮)なのであしからず。でも、次回予告どうりになると思うので、安心してください。

さてと、次回予告もこのくらいにして、ここいらで謝辞を。

彼はまだ彼女の想いに気付かないを読んでくれている全ての読者様、こんな素人投稿者の小説を読んでくれてどうもありがとうございます。これからを下手ではありますが、精一杯頑張っていきますのでどうかよろしくお願いします。

では、次の掲載でお会いしましょう。

さらば!!


平成24年5月15日掲載




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