曖昧3
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真奈美サイド
私はある日突然野中剛の妻になっていた。
私は彼の事を顔と噂しか知らない。
結婚したい男ナンバー1野中剛・顔良し・頭良し・体良し
みたいな事を女子社員の間で噂していた事があるのは、知っている。
でも私には関係ない人だとばかり思っていた。
だって私、好みが人よりずれているみたいだし、どこがって聞かれても困るけど?
そんな彼は私の両親と今揉めている。私がどこで生活するか?
「娘さんは、もう法律的に僕の妻です。一緒に生活させて下さい。お願いします」
リビングで土下座している中野剛・・・そんな彼に
「籍が入っていても真奈美は私達のかわいい娘なの。式までは我慢して下さい」
ソファーに腰掛けた両親・・・私はそんな三人を眺めている。
なかなか話が進まない・・私から
「それなら1日交代なら、どう?」
と提案してみた。これなら両方納得するわ。
私、自分の事だってすっかり忘れてた。
「真奈美が提案するなら僕はそれを受け入れます。」
なんか楽しそうな彼、あきらかに目がキラキラしている。女性は、こんな彼の表情に惚れるのね。
なんだか?私の母まで顔が赤くなっている。
その隣の父の困った顔
「真奈美がそれでいいならそうしなさい。でも式の前日は剛君が何を言っても家に帰ってくる事、
解かった?」
母さんの言葉に大きく頷く彼
「解かりました。娘さんは式の前日、僕の命に代えてもこちらに帰します。安心して下さい」
何を安心するの?命に代えるなんて大袈裟じゃない?
彼の言葉に何故か身の危険を感じる。なんだろう?
突然彼が、床がら立ちあがり
「今日は僕のマンションに一緒に戻りますのでこれで失礼します」
と私の手を取り玄関に向かう。私達の後ろで母の
「夕飯ぐらい食べてけばー」
と言う声が響いたが・・・・彼の耳には届いてない、そんなに何を焦っているのかしら?
恋愛歴0年の私にはさっぱり・・・・・解からない。
剛サイド
俺は真奈美の両親から許可を取り真奈美を連れ急いでマンションに戻った。
早く二人っきりになりたかった。
夕飯は俺が作る予定だ。メニューは考えている。
彼女がどのくらい家事が出来るかなんて事は解からないけどあまりあてにわしていない。
真奈美は俺と一緒にいるだけで良い。俺のそばから離したくない。
彼女は借りてきた猫みたいに今ソファーの上に座っている。可愛い・・
今すぐ抱きしめたいが我慢、警戒されると困る。
明日、帰したくない。今からそんな事ばかり考えている。
気持ちがモヤモヤしてくる・・・夕飯作ろう・・・
俺が台所に立つと、彼女も着いてくる。面白い
「私も手伝います。何から始めたら良いです。」
俺が野菜を渡すと上手に皮を剥いていく。これは嬉しい誤算だ。
家事が出来るのか?メニューはカレーとサラダ、彼女の好物だ。
キャベツも上手に千切りにしていく。隣で流れるような作業を眺めている
俺は、手伝わなくても良いんじゃないか?
でも彼女は、服の時と同じで、味にセンスが無かった。
ちょっと目を離すと余計な調味料を入れようとする。
味覚障害が?味付けだけは俺がする事を誓った。
無事にカレーとサラダが完成して・・・
二人で始めて囲む食卓、俺は幸せだ。
食事を終え、彼女を先にお風呂に行かせた。今日一日疲れている彼女への配慮だ。
まだこの後、もう少し、頑張ってもらわなきゃいけないが・・・
俺はその間食器の片付けをする。なんだか、勝手に鼻歌がでてくる・・まだかな?
彼女がお風呂から出てくるのが待ちどおしい。どんなパジャマで出てくるのか?
妙な服装の彼女の事だから・・・・
お風呂から出てきた彼女は俺の期待を裏切らない。何処で買ったんだ?
花柄のパジャマ、チョイスは良いが色がありえない。彼女の好きなねずみ色
すっぴんの彼女が可愛いから良しとしよう。
「先にお風呂ありがとうございました。次どうぞ・・・」
なんか?他人凝議、夫婦なのにこれで良いのか?
俺は急いでシャワーを浴びる。
風呂から出ると、彼女はソファーの上で丸まっている。
眠っているのか?傍によると彼女の寝息が聞こえてくる。
俺は真奈美を抱き上げてベットに運び、布団を掛けてやる。
そっと隣に潜りこみ彼女を優しく抱きしめる。彼女の鼓動を感じ、俺も眠りの中に
落ちた・・・夢の中で彼女はウエディグドレスで笑っている、明日彼女は実家だ。