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第98話 砂海突入――古代文明の影

翌朝。

風が砂を巻き上げる砂海の入り口に立つ。


眼前に広がるのは――

果てなく続く金色の大地。


その中心には、

砂漠に沈みかけた巨大な門が鎮座していた。


表面には魔術紋様が刻まれ、微弱な光が脈動している。


リアが、解析魔法を展開しながら呟く。


「……この門、鍵が三つ必要です。」


ラウル「鍵?どこにあんだよそんなもん。」


リア「普通は遺跡内部で……

でもこれは“外側に仕掛けられた封印型”。

つまり――」


ミナが続きを言う。


「鍵そのものが……“試練”になってる。」


カイルは前に進む。


「来る。

構えろ。」


その瞬間。


砂が波のように動き、

地面から黒い兵士が浮かび上がる。


石ではない。

金属でもない。


砂そのものが形を成した戦士。


リアが驚愕する。


砂影兵シャード・コープス……!?

古代文明が残した、精神制御兵!」


ラウルは拳を鳴らし、笑う。


「わかりやすくて助かるぜ。敵ってことだろ?」


ミナが共鳴しようとするが――


……触れられない。

意志が、ない。


ミナ(心の中)

(……これは“命令だけで動く兵器”

心がない……届かない……)


カイルが剣を構え、短く告げる。


「なら――斬る。」


◆戦闘開始


砂影兵たちが一斉に突撃。


足音はない。

ただ“砂嵐の音”だけが響く。


カイルの剣が光を走らせ――


――斬撃。


砂影兵が四体まとめて崩れ落ちる。


ラウルが拳で地面を踏み砕き、衝撃波を放つ。


「まとめて消えろ!!!」


衝撃が砂影兵を弾き飛ばすが、

砕けた砂が再び集まって再形成する。


リア「再生……!?

分断しても無意味、核を壊さない限り倒せません!」


ミナが息を吸う。


(核……核……どこ……?)


視界の中に、一体だけ光を帯びた兵士がいた。


ミナ「――あそこ!!

中心の個体が制御核!!」


カイルの目が光る。


「任せろ。」


地面を蹴り、砂を滑り、矢のように走る。


砂影兵が群れで防ぐように動く。


しかし。


カイルは迷わない。


斬撃。

踏撃。

抜刀。


まるで舞うように敵の隙間を抜け――


核兵士の胴へ剣を突き立てた。


――粉砕。


すべての砂影兵が崩れ落ち、風に散った。


◆最初の鍵


核が砕けた場所に――

淡く光る小さな石が残る。


リアが拾い、確認する。


「砂紋石……これが最初の鍵。」


ラウルが笑う。


「よし、一個クリア!」


ミナは微笑んだ――が。


風が止まった。


空気が重くなる。


カイルが剣を構える。


ミナの心に冷たい気配。


そして――


砂の向こうに、ひとりの影。


黒い衣。

仮面。

昨日見た――“招いた男”。


ミナの胸が強く鳴る。


男はゆっくり言った。


「ひとつ目。

問題なし。」


リアが前に出る。


「あなた……誰ですか?」


男の答えは淡々としていた。


「観測者。

役割は――“選別”。」


ラウルが怒りを帯びた声で叫ぶ。


「ふざけんな。

お前ら勝手に狙って、試して、何が選別だよ!」


男はこちらを向く。


その声は淡々なのに、冷たく刺さる。


「世界は選ぶ。

――“鍵になる者”と、“消える者”を。」


ミナが一歩前に進む。


「鍵って……何の?」


男は答えた。


「“未来認証”。

ミナ・シュメール。

君は――世界の境界を開く者。」


ミナの呼吸が止まる。


次の瞬間。

男は砂に溶けるように消えた。


残された言葉だけが風に残る。


「二つ目の試練は――“迷い”。

逃げなければ、辿り着く。」


風が吹き、砂が舞う。


ミナは拳を握る。


「……行こう。

答えを、確かめる。」


カイルは横に立ち、短く言う。


「お前が望む限り、俺も進む。」


ラウルが笑い、リアが頷く。


四人は再び歩き出す。


砂漠の奥へ。

“次の試練”へ。


──第99話へ続く

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