表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

216/254

第216話 突破口――一点の強行

包囲は薄くなったが、消えてはいない。だから、一度だけ動く。点で、短く、戻る。外組は三。時間は刻限、道は二つ、戻りは一つ。カイルは同行しない。重心は内に残す。合図は短い。「行け」。


夜明け前、外組は森道を切る。足音は抑え、距離は一定。橋の手前で気配。二。見張りだ。越えない位置で止まる。連絡役が合図、護衛役が半歩前へ。越えさせない。見張りは理解し、引く。追わない。時間を買う。


橋を渡る瞬間、後方で音。来た。三。軽装、速い。狙いは足。護衛役が出る。体を当て、重心を外す。倒さない。立たせない。二人目が刃を振る前に、見聞役が距離を切る。ミナの合図が遠くで低く響く。半拍。十分だ。三人目は止まる。止まった瞬間、戻す。追わない。


街道に出る。ここで強行。外組は走る。荷は小口、軽い。角で待ち伏せ。四。数で来た。護衛役は中央へ。逃げ道を一つだけ残す。最短で二人を止め、体を回して三人目の足を払う。四人目は距離を取る。戻す。短時間。終わり。


目的地。取引は即時。量は少ない。条件は揃う。紙は交わさない。動作だけ。成立。戻る。


帰路、包囲が動く。橋の向こうに影。だが、詰めない。遅い。外組は安全点へ。合図が返る。「了解」。それで終わりだ。


村へ戻る頃、包囲の一角が外れる。道が一本、空いた。強行は一度でいい。見せたのは量じゃない。可能性だ。包囲は面を維持できない。


夜、報告は短い。「強行一、成立、停止三」。ミナは帳簿を閉じる。手は震えていない。カイルは頷く。「次は動かない」。動いた分だけ、相手は費用を払った。割に合わない。


境界杭は立っている。今日も越えられた。だが、止まった。

次は、相手が引く番だ。


ーー第217話に続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ