表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/71

第16話 潜入の街・ブランツ

街へ裏門から忍び込むと、

外の喧騒とは打って変わって静かだった。


爆発の影響は城門周辺に限定されている。

つまり――「街に入れない」状況を作るための攪乱。


ミナを閉じ込めるためではなく、

逃げられなくするための封鎖。


俺は息を整え、低く囁く。


「ミナ、フードを深くかぶれ。絶対に顔を上げるな」


「は、はい……!」


リアは抜刀したまま、周囲に目を配る。


ラウルは表情を引き締め、

「先導は任せてください」と静かに告げた。


細い裏路地を進む。

人の気配はなく、異様な静けさ。


だが――敵の視線だけは感じる。


角を曲がった瞬間、リアが制止した。


「正面に“誰か”います。動きが不自然……警戒を」


相手はフードを被った人間。

だがミナを見た瞬間――口元が歪んだ。


「居た。回収対象」


戦闘の気配が“ゼロ”のまま殺意だけが放たれる。


ラウルが叫ぶ。


「ミナさん、下がって!!」


魔物でも、冒険者でも、兵士でもない。

“人”が“ミナの捕獲”を目的に動いている。


ここからが本番だ。


ミナ、リア、ラウル、そして俺。


全員が戦闘態勢に入り、

街の陰で息を潜めていた影との死闘が始まろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ