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第124話 監視者本体 vs カイル隊――存在を問う戦闘

塔の中心に浮かぶ六つの輪が輝き、

監視者本体がゆっくりと両手を開く。


無音。


だが空気が“消えた”。


ラウル「ぐっ……息が……!?」


リア「違う……酸素じゃない……

“存在密度”が下がってる……!」


ミナ「存在……密度……?」


リアは必死に説明する。


「私たちという“存在”を構成する情報……

それが削られてる!」


セリアの顔が青ざめる。


セリア「それ……つまり……消される……!」


監視者は淡々と告げた。


「存在値――計測開始。」


六つの輪が回転し、

光がこちらに向かう。


ミナの足元から光が立ち上り、

彼女の身体が揺れた。


ミナ「やっ……!

なにこれ……身体が薄くなる……!!」


リアが叫ぶ。


「ミナさんが標的!

彼女は“開放者”だから……塔が最も警戒してる!」


影ではない。

物理でもない。


存在そのものを削る攻撃。


ラウルは即座にミナを抱えて後退する。


ラウル「ミナっ!!しっかりしろ!!」


ミナ「ごめ……なさい……

足が……痛い……感覚が……消えて……」


ミナの足先が透明になりかけている。


セリアが歯を食いしばり、叫ぶ。


「カイル!!何とかしないと……!!」


だがカイルはすでに動いていた。


◆カイル、監視者本体へ突撃


カイルは剣を構え、そのまま監視者へ一直線に踏み込む。


監視者の六つの輪が回転を加速する。


光が矢のように放たれた。


リアが悲鳴に近い声を上げる。


「それを喰らったら“存在の断片”ごと消えます!!」


普通なら回避不能。

空間操作にも近い攻撃。


だが。


カイルは止まらなかった。


一歩、また一歩と歩みながら。


光がカイルをかすめる。

衣服が裂ける。

皮膚が一瞬透明になりかける。


だが、カイルは揺らがない。


「俺はここにいる。」


監視者の光が軌道を乱す。


リアが驚愕して呟く。


「存在値……強すぎて……削りきれない……!?」


セリアも目を見開く。


「削られる前に“自分の在り方”で打ち消してる……

そんな人間……いる?」


ミナは涙を零しながらも手を伸ばす。


ミナ「カイル……!」


カイルは監視者との距離を詰める。


監視者の声が震え始める。


**「……解析不能。


“存在強度”が規格外。

削除失敗。」**


カイル「削られないからな。」


監視者

「なぜだ。

お前は何者だ。」


カイルは即答した。


「俺だ。」


剣が光る。


◆セリア、覚醒の兆し


しかし、監視者は本体。

攻撃は一瞬で空間へ逃がされる。


カイルの斬撃は直撃しない。


監視者の背後、空間が切り替わる。


リアが叫ぶ。


「空間転移!?

本体を斬らせない構造……!」


セリアが走り出す。


セリア「そんなの……!」


彼女の足が光る。


ミナの残した“導きの陣”が反応していた。


セリアの身体能力が一時的に跳ね上がる。


セリア「カイルの剣が届かないなら――」


影の残像を読み、

監視者の“次に現れる位置”へ先回りする。


セリア

「私が、開ける!!」


剣が虚空を裂く。

監視者が転移した直後のタイミングを狙った。


完全には届かない。


だが──


監視者の輪の一つが“わずかに欠けた”。


リアが叫ぶ。


「セリアさん……未来予測に近い動き……

このレベル……カイルさんと同じ領域……!」


セリアは肩で息をしながら言う。


「まだ追いつけないけど……

その半歩は、私のものよ……!」


カイルが微笑み、監視者に向き直る。


◆ミナ、暴走直前


だがその動きに塔が反応した。


ミナの身体が再び光に包まれる。


ミナ「いや……!

いやぁ……っ、カイル……助けて……!」


リア「ミナさんの魔力が塔の“鍵”として自動反応してる!

彼女の意識が不安定だから……暴走寸前……!」


ラウル「どうすりゃいい!?」


リア「落ち着かせるしかない……

存在値の崩壊を止めるには、

誰かが“絶対の肯定”を与えなきゃ……!」


セリア(そんなの……できるの……?)


ミナは涙を溢しながら叫ぶ。


「私は……いちゃダメなの……?

迷惑なの……?

選ばれただけの……道具なの……?」


その瞬間。


カイルが監視者との攻防を続けながら、

振り返らずに言った。


**「ミナ。


お前は“必要”だ。」**


塔が揺れる。


監視者の攻撃が一瞬だけ止まった。


ミナの光が収まり、

涙が頬を伝う。


ミナ「……必要……?」


カイル「道具とか役割じゃない。

“ミナ”が必要なんだよ。」


ミナの存在値が安定する。


リア「……止まりました……

彼の言葉で……!」


セリアは息を呑む。


(この人は……

自分の存在を守るだけじゃない……

他人の存在まで守れる……

そんな強さ……)


監視者の光輪が激しく点滅する。


**「……特異点。


危険度ランク、最大。

排除優先度、最上位へ移行。」**


カイルが剣を構えた瞬間。


塔が開いた。


監視者がついに“真形態”を露わにする。


◆監視者・真形態の覚醒


黒い翼を展開し、

六つの輪が融合する。


塔の外まで震えるほどの圧。


ミナが叫ぶ。


「カイル!!来る!!!」


セリアが横に並ぶ。

リアが術式を拡張する。

ラウルが吠える。


そして──


カイルはわずかに笑った。


**「いい。


このくらいじゃないと、やりがいがない。」**


戦闘本番――次門以上の強敵が姿を現した。


──第125話へ続く

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