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第116話 訓練、始動――守護剣隊結成

王都郊外。

陽の光が差し込む森の空き地。


カイルは皆を並ばせると、短く告げた。


「今日から正式に――“隊”になる。」


ラウルが笑う。


「よっしゃ!隊長カイル様の指示なら何でもやったる!」


リアは眼鏡を押し上げて頷く。


「データ的にも防衛力強化は必須です。」


ミナは少し緊張しながらも前へ。


「私も……戦う力を。」


最後に、セリアが姿勢を正し、真剣な眼差しで言った。


「隊……。

なら私は――最低でも一人前になる。」


カイルは頷き、切り替える。


◆セリア特訓


カイルはセリアに向き合った。


「お前は剣を“振れる”。

だが――“届いていない”。」


セリア「……っ!」


カイル「理由は簡単だ。

恐れている。」


剣を握る手が震える。


セリア「……認めたくないけど、図星よ。」


カイル「よく言った。

なら俺が鍛える。」


言いながら、剣を抜き、


「かかって来い。」


セリアは即座に踏み込み、斬りかかる。

速い。

だが――単調。


一合、二合。


すべて躱される。


カイル「“相手に届く”斬撃は――」


セリア「っ……!」


カイルは彼女の一撃を受け止め、目を見た。


「“自分より強い敵に勝つための剣”だ。」


セリアの息が変わった。


一旦距離を取り、再び踏み出す。


恐怖が――怒りへ、意志へ変わる。


しかしまだ届かない。


剣が宙を裂き、

カイルの喉元へ――あと少し。


硬い音。


カイルが簡単に弾き、剣先を額へ向けた。


セリアは膝をつくが――


笑っていた。


「……あと一瞬……!」


カイル「成長だ。」


セリアの胸に、強い火が灯る。


◆ミナの魔力制御


リアは魔法陣を展開し、

ミナの魔力を数値化していく。


リア「ミナさん、以前より安定しています!

感情の波が減ってる!」


ミナ「まだ怖いけど……でも、

私は――選びたい。」


リアは優しく微笑む。


「恐怖を“否定”したからじゃない。

恐怖を“抱えたまま”前に歩いてるからです。」


ミナの指先に光が灯る。

透き通るような青。


まるで“未来の色”。


リア「その力……きっと“開放者”の能力の一端ですよ。」


ミナ「開放者……

私にそんな価値が……?」


リアが首を振る。


「価値は生まれた瞬間にあるんじゃない。

――選んだ瞬間にできるんです。」


ミナの胸が熱くなる。


(私も……強くなれる。)


◆ラウル筋肉


ラウルは横で岩を殴りつつ叫ぶ。


「俺は俺でパワーアップだあああ!!」


カイル「お前はそのままでも強い。」


ラウル「泣けるッ!!」


セリアが小声で呟く。


「……単純で羨ましい。」


◆カイルの戦闘哲学


全員が整ったところで、カイルが締めに入る。


カイル「覚えておけ。」


四人が真剣な目で彼を見る。


カイルは静かに言う。


「戦う理由を持つ者が、最強だ。」


その言葉は空気に刻まれ、

全員の胸に永遠の火となる。


ミナは、

セリアは、

リアは、

ラウルは、


それぞれが拳を握る。


◆そして――“来客”


訓練を終え、帰路につこうとした時。


風が変わった。


森の奥から、黒い影がこちらへ歩く。


ひとり。

歩行音なし。


カイルはすぐ剣に手を置く。


影は立ち止まり、フードを外す。


現れたのは――


淡い金の髪、鋭い瞳。

その顔には無感情な仮面。


リアが息を止める。


「……監視者……!」


以前とは違う人物。

だが同じ気配。


影はカイルを見据え、告げる。


**「試練開始通達。


三日後――“聖遺の塔”に来い。」**


ミナの心臓が跳ねる。


セリアが剣を握りしめる。


ラウルが歯を食いしばる。


リアが情報分析を始める。


そして――カイルは一歩、前へ出た。


恐れも疑いもなく。


影は問う。


「拒むか。」


カイルは答えた。


「行くに決まってる。」


影は薄ら笑いを浮かべ、

霧のように消えた。


風が止む。


ミナが呟く。


「……また、戦うんだね。」


カイルは言う。


「戦いたいから戦うんじゃない。

守るために戦うんだ。」


ミナは静かに頷いた。


その瞳に、不安ではなく――

信頼の光だけがあった。


次の舞台は、王都北方の禁地。


──第117話へ続く

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