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第107話 遺跡脱出――終わりの先にある旅路

崩落の振動は続き、天井から砂と瓦礫が落ちてくる。


ラウルが肩を押さえながら叫ぶ。


「まずい!本格的に崩れるぞ!!」


リアは既に地図式魔法を展開していた。

空中に浮かぶ立体式のルーンマップが淡く光る。


「出口ルート発見!

でも時間がない、走るしかない!!」


カイルは剣を収め、ミナに手を伸ばす。


「行くぞ。」


ミナは迷わずその手を握る。


四人は全力で駆け出した。


◆通路――崩落中の脱出


床が斜めに傾き、石柱が倒れるたび、

轟音が遺跡に響く。


ラウルが落ちてきた瓦礫を拳で砕き叫ぶ。


「道塞ぐなよバカ岩ァッ!!!」


ミナがリアに叫ぶ。


「右!?左!?どっち!?」


リア「左!いや、違う!!まっすぐ!!出口が開いてる!!」


ラウル「お前今嘘ついたろ!!?」


リア「違うの!!遺跡が書き換わってるの!!

形そのものが変化してる!!」


カイルは走りながら短く言う。


「ミナ、感じられるか。」


ミナは目を閉じず、でも意識だけを空間に伸ばす。


(……呼吸みたいに。感じて……。)


世界が脈を打つように、道が浮かび上がる。


「――こっち!」


ミナが指差す方向と、リアの魔導地図が一致する。


リアが驚く。


「共鳴感知……もう“補助の域”じゃない……

あなた、遺跡そのものと繋がってる……!」


ミナは答えない。

ただ走る。

仲間と、前へ。


◆出口前――最後の障壁


やっと光が見えた。


出口だ。


だが、その前に――


巨大な石扉が立ち塞がる。

紋章が輝き、拒絶するように震えている。


リア「開かない……認証不足……!」


ラウル「ぶっ壊すぞ!?!?」


カイル「違う。これは――」


ミナが前に出る。


扉の紋章を手で触れる。


ミナの胸の紋章と共鳴し、

空気が震える。


扉が問いを発した。


《最後の確認――》

《お前は自由を望むか。》


ミナは迷わず答える。


「ううん。

私は“自由を共有できる世界”を望む。」


扉が静かに光り――


開いた。


ラウル「……いや、今の返答難易度高すぎねぇか?」


リア「完全に哲学問題だったわ……」


カイル「ミナらしい答えだった。」


ミナ(照れ小声)「言わないで……」


◆脱出――夜空の下へ


遺跡の外は夜だった。


砂漠の空に星が広がり、

冷たい風が頬を撫でる。


ラウルが深く息を吐く。


「…………生きてる。」


リアは肩の力を抜きながら笑った。


「やっと……終わったんですね。」


ミナは空を見上げる。


胸の奥が軽くなる。


(怖かった。

迷った。

でも――)


カイルが隣に立つ。


風に髪が揺れる。


「ミナ。」


ミナ「……うん?」


カイルは短く、だが確信のある声で言った。


「お前は強い。」


ミナの瞳が揺れる。


涙でも悲しみでもなく――


誇りと、安心の光。


「……ありがとう。」


その瞬間。


静かだった夜空に――


遠くから複数の光が近づいてきた。


リアが目を細める。


「……鳥型魔導機……?

いや、軍用の偵察機!!」


ラウルが叫ぶ。


「おい待て、まだ終わってねぇのか!?」


カイルが剣に手をかけ、低く言う。


「次は――“世界”が来る。」


ミナの胸にまた新しい鼓動が生まれる。


怖くない。


震えるけど――前を向ける。


「いいよ。

来るなら……選んでみせる。」


風が吹く。

砂が舞う。

星が瞬く。


そして物語は――次の舞台へ進む。


──第108話へ続く

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