第100話 最終試練――魂の扉
砂海の中心──
巨大な岩壁に刻まれた円形の門が現れた。
そこには3つの窪み。
第一の鍵:砂紋石
第二の鍵:心紋石
そして最後の鍵の形は──空白。
リアが触れると、門の紋様が脈動し、低い音が響く。
《最終認証条件:魂の意思。》
ラウルが眉をひそめる。
「……つまり鍵がない。
鍵そのものが“本人の答え”ってことか?」
リアは頷く。
「そう。
第三試練は物理ではなく――魂そのもの。」
ミナの喉が鳴る。
(魂……私に何を問うつもり──)
だがその瞬間。
空間が歪む。
空気が凍る。
風が止まり、砂粒が宙に浮いたまま停滞する。
リアが叫ぶ。
「……来る!!
結界型転移魔術!!」
砂が渦を巻き──
黒い霧が形をとる。
そして姿を現すのは──
◆◆ 黒の使徒 ◆◆
全身が黒布に包まれ、
感情のない仮面をつけた者たち。
その数──六。
中央に立つ一人は、他よりも一段強い気配を放つ。
声は低く冷たい。
**「独立者ミナ・シュメール。
我らは“ブラック・ファルマ協会”。
目的はただ一つ。」
沈黙。
そして宣告。
「君の“魂”を回収する。」
ミナは震えながらも一歩前へ出る。
「……どうして。
私をそんなに──」
仮面の男は淡々と言う。
「世界が君を必要としている。
だが“自由なままでは困る”。」
カイルの剣が吸い込まれるように抜かれる。
「抵抗するなら──斬る。」
黒の使徒は首を傾けた。
「当然だ。
だから君を試す。」
◆戦闘開始:瞬間開幕
ドッ!!!!!
大地が裂け、黒の使徒が四散する。
ひとりがリアへ。
ひとりがラウルへ。
三人がミナへ。
最強格がカイルへ。
それは「戦い」ではなく「狩り」。
けれど──
「狩られる側でいる気はない。」
カイルの瞳が鋭く輝く。
◆▶ カイル vs 最強使徒
刀と刃がぶつかり、火花が夜空を裂く。
加速。
反応。
重撃。
斬撃。
五合目まで互角。
だが六合目──
空気が弾ける。
ラウルが驚愕して叫ぶ。
「うおっ!?
カイル速度上がってねえか!?」
リアは分析しつつ微笑む。
「違う──ミナの“リンク”が進化してる。
思考補助、反応速度、魔力循環……
全部最適化されてる!」
カイルは一歩踏み込み、短く言い放つ。
「終わりだ。」
一閃。
仮面の男が後退する。
◆▶ ラウル vs 殲滅班
ラウルの拳と黒布の刃がぶつかる。
「おらァァァ!!」
ドゴォォォン!!!
衝撃波が地面を割り、砂が舞う。
しかし黒の使徒は崩れず反撃。
刃がラウルの肩を斬る。
血が飛ぶ。
ミナ「ラウル!!」
だがラウルは笑った。
「痛えけどよ──負ける気はしねえ!!」
◆▶ リア vs 魔導制御者
リアは高速詠唱、二重魔導陣、複合属性。
「封・雷・光──《六連束縛陣》!」
相手も魔法。
式→術式→再構築→干渉。
互いが相手の魔術コードを書き換える。
高度な頭脳戦。
リアの瞳が鋭く光り──
「解析終了。
あなたの術式──全部丸見え。」
魔法陣が爆ぜ、敵が壁に叩きつけられる。
◆▶ ミナ vs 三人同時
ミナの体が震える。
恐怖じゃない。
「感じ取れる……
この人たち……命令されてる……自由がない……」
胸が痛む。
(同じ……昔の私みたい……)
刃が迫る。
避けられる、でも──
「倒すだけじゃ、終わらない。」
ミナは両手を前に出し、想いを込める。
共鳴発動
→ 感情干渉
→ 意思解放。
光が走る。
「縛らない。
命令じゃない。
──あなた達自身が選んで。」
刃が止まる。
黒の使徒たちの動きが崩れる。
仮面の下の瞳が揺れる。
「……選ぶ……?
私たちが……?」
そして──
三人が剣を落とした。
◆戦闘決着
残る最強格は後退し、低く呟く。
「理解した。
君は“奪われる器”ではない。」
沈黙。
そして──
「──“選ばれる核”だ。」
男は砂に溶け消える。
◆魂の扉、反応
門が響き、光が走る。
第三の窪みに──
誰も触れていないのに光が集まる。
《条件達成。
魂──承認。》
リアが震える声で言う。
「ミナ……
あなたが最後の鍵だった。」
ラウルが笑う。
「つまり──ここからが本番だな!」
カイルは剣を収め、短く言った。
「進む。」
ミナは歩く。
扉が開く。
“古代文明の核心”へ。
──第101話へ続く




