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第60話 玲子の半日

いつも読んでいただいてありがとうございます。



それでは、、はじまり、、、はじまり、、、


1904年8月


風間発動機レースバイクの開発室


レース用バイクの図面を見ている リーダーの玲子

「う~ん、、本体のフレーム構造はこれでいいけど、、なんで2気筒の排気マフラーをそれぞれ別にして右、左に分けているのよ、、そのまんまじゃないの」



河野.元リーダー

「えっ、おしゃっている意味が、だってそれぞれ排気がいるじゃないですか」



玲子

「マフラーは一つでいいの、、排気口からY字にしてつなげたエキゾーストパイプにして右側に一本で出してちょうだい、、その分軽くなるし、効率がいいでしょ、」



おっぱい孝蔵

「それは、、いいですね、、、さっそく直します、、あとハンドルの設計はこれでいんですか、」



玲子

「そうよ、これこれ、、みんなはバイクのハンドルは一本のパイプを加工すると思うけど、、右、左分けてセパレーツのハンドルにするのよ。。右回りのコースや左回りのコースに合わせてハンドルのドロップの角度を変えるから、」



「あとカウルの加工よね~、、空気抵抗を減らす為に前面にかぶせるけど、、なんかこの図面じゃ、、ちょっとわからないわね、、木型で簡単な模型って作れるサイズは小さくてもいいからさ、、お願いね、、」



「後輪と車体を繋ぐスイングアームはバネを効かせてね欧州のレースは舗装されてないと思うから、、」



「前輪と本体フレームをつなぐフロントフォークは正立フォークか、、倒立フォークがかっこいいだけど、、まぁ、これでいいか、、」



「例の小さい酸素ボンベの導管は、、これね、、空気とガソリンを絶妙にブレンドした「混合気」をエンジン内部に送り込むキャブレターに上手につけたわね~この通りできたら絶対ばれないわよ、、、」



おっぱい孝蔵

「えへへへ、、、ありがとうございます、、、」



玲子

「あとは、、ブレーキか、このホイールに連結されたブレーキディスクローターは前に指示した通りにステンレスで作ってね、あとブレーキレバーと連動するキャリパーは内側のブレーキパッドの位置が大事だから気を付けてね、それとブレーキレバーの位置が微調整もできるようにしてね、、、」



おっぱい孝蔵

「了解しました。」



玲子

「へ~、、私のおっぱいばかり見ている、、あんたにこんな才能があったのねうまく設計図がかけているよ、、これは分かりやすい、、これで進めてちょうだい」



後はタイヤか、、どうしようかな、、


(この当時、日本ではまだタイヤの製造会社はなくてすべて外国から輸入していた。)



そこへ玲子を探していた風間社長が部屋に入ってきた(風間社長と玲子はお互いの事を知る仲間である。)



「玲子さん、、ここにいましたか、、ちょっと私の部屋に来れますか、、」



風間社長の部屋

「これ見て下さい、欧州の情報に詳しい商社の友人からもらったものですが」



玲子

「なに、なに、、う~ん、、げっ、、すご~いじゃないの、、こんな事、本当にできるの、”ユーラシア大陸を横断する北京-パリレース16,000 km開催は1907年”ルートは自由。優勝賞品はマム・コルドン ルージュのシャンパンが1本、、フフフ、、笑ちゃう、、優勝賞品がシャンパン一本なんて、、どんだけの金持ち道楽レースなのよ、、、」


(ガソリン自動車が発明されてから20数年すぎた、、、1907年フランスの新聞「ル・マタン」紙が、、北京からパリまで走破するという前代未聞の長距離ラリーを企画した。


参加車はイターラ(イタリア)、スパイカー(オランダ)、小さな単気筒3輪車のコンタル(フランス)、2台のド・ディオン・ブートン(フランス)であった。62日後、パリ凱旋門には、、、全車リタイアではという大方の予想に反して、イタリアの名門ボルゲーゼ家のシェピオーネ侯爵が運転する4気筒7433ccのイターラがゴールし、5台中4台が完走という結果を残した。)



風間社長

「玲子さん、、あの、、これに出てみませんか、、、」


玲子

「まじに、、このレースに出場するの、、やってみたいけど、車なんかまだ何にもできてないじゃん、まともな車ができたなら考えてみようかな、、車の開発はどうなっているの、、」



風間社長

「今も結城君の三輪自動車をばらして勉強していますから、、楽しいですね、若い連中も必死で取り組んでいます、、」



玲子

「さすがにこの長距離レースは大変だと思うよ、、まともな道なんかないしね、砂漠もあるし、山越えや河もあるし、、4WDなんかつくれるの、、」



風間社長

「これから、、作るんですよ、まだ3年もありますからね~、、車の耐久レースです、、一般車の開発とは別にして、こういう過酷な状況でも走れる車をつくってみたいですね、、、まあほとんどだめもとですけどね、、」



「フフフ、、それに参考になる車がありますよ、、結城君の4WDピックアップ車が」



玲子

「ぎゃ~、あれか、ジ〇プ社の4WDピックアップ車、、それだよ、、、そのまんまでいいじゃん、、あれなら大丈夫、、山越えられるし、、ちょっとインチキかな、、う~んやっぱ駄目だよな~120年も未来のだしな、みんな見にくるだろうし、、まあ社長さん、、まともな4WDが作れるかがんばってください、、それからですよ、、」



「私はバイクレースがあるからね、たしかゆーチャン(結城)が英国で1905年からマン島TTレース(ツーリスト・トロフィーの略称)オートバイレースがあるって言っていたから、やっぱりそっちは無理だわ、、車ができたら他の誰かにいってもらえばいいんじゃないの、、」



玲子

「あとさ~風間社長、、タイヤなんだけど、、日本で作れないかな、、未来じゃ立派なタイヤ会社があっていっぱい売っているだけどさ、、耐久レースでもタイヤは大事だよちゃんとした道なんかないし丈夫なタイヤじゃないとすぐパンクしちゃうよ、他にも、、一般車ならラジアルタイヤにスタッドレスタイヤもいるかな、、」 


風間社長

「そんなにタイヤは大事ですか、日本では車もタイヤも輸入品なので、その”らじあるたいや”と”すたっどれすたいや”とはなんですか、、」



玲子

「フフフ、、まあ、、普通の季節に装着する丈夫なタイヤと冬の季節にはくタイヤなんだけど、、」



風間社長

「今、、うちでは、自転車のタイヤや小型のバイクのタイヤは、英国のダンロップ社の輸入品ですけど、そういうタイヤは聞いたことはないですね、、」



玲子

「エ~、、ダンロップ、、いまダンロップて言ったよね、、それよ、、その会社は120年後も立派なタイヤの会社なの、、日本で工場作れないかな、ここってまだ広い土地があるよね、、う~ん、、何とかならないかな、、」



風間社長

「そうですよね、、むこうも現地工場があればもうかる訳ですから、、金次第でしょうね、、そういうことは、、やはり結城君が帰ってきてからですね、、

それまで、、販売店からダンロップについて調べてもらいますよ。、、、



”やっぱり、、何でもお金がかかるのよね、、う~んやっぱりあの弟は商才があるよ、、ほんとに尚美に隠れて食べちゃおうかな、、えへへへ、” 



そんなスケベなことを考えていた玲子は風間発動機で昼食を食べると午後からはカワ〇キKL〇250オフロードバイクをすっ飛ばして銀座の”NAOMI”ビル向かうのである。





   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


旅順、、つづき


あれ~、、な~に、兵隊どうしでケンカしているの、もうやだ~、、もうすぐ第一師団の救護所なのに、、、


知らんぷりして行こう、、見なかった事にしよう、、これが大人女子の常識、  フ~ン♫~^^~♪~フンラ~ラ♪~と鼻歌いながら無視をした尚美


そんな通り過ぎようとした原付自転車の後方から


「姐さ~ん?、、、、なんでここに?、、姐~さん、、お~い、、尚美姐さんだろ~、、お~い、、俺だよ、、、」



”はて?、、はてはて?、、聞いた声が、、まさか!”



原付自転車を止めた尚美は振り返ると、、

「なんで、、若頭がいるのよ、、あぶない!、ケンカなんかやめなさいよ」



そういってバイクのスタンドを立て降りると、、彼らに近づいた、、近くでは第一師団の宿営地で多くのテントで兵士達がくつろいでおり、炊事兵が忙しく夕飯の支度をしていたのである。


そのはずれでは”カタギ”の新兵で徴兵された髪結いの杉山とゲタ作りの須藤が他の班の古参兵数名と、意地の悪そうな少尉が根性入れの名目で連れ出しうさばらしでいじめていたのだ。



それに気がついた若頭と、留吉が、、その連中と取っ組み合いになったのだが尚美が近づいて行くと、、その意地の悪そうな少尉が


「なんだ~、、貴様、ここはおなごのくるとこではないぞ、何しに来た!」


尚美、、相手にせず、、

「なんで、、若頭ここに、いるの~?、、、」


丈一郎

「エ~、、俺らは日清戦争の予備役だから、、留吉と一緒に春に徴兵されてしまったんですよ、姐さんこそどうしてここにいるんですか、、ビックリしまいましたよ!、、目の前を見た事ある原付自転車が、バババッバッババて走っていればすぐに気がつきましたよ。」


意地の悪そうな少尉

「そこの~、、おんな、、無視するな~、、、ぶっ殺すぞ!!、、」


尚美

「え~、うるせな~、、てめ~、、後悔させてやる!、まってろ、、」そう言って、、ポケットの中の階級章を探る尚美、、、


「あれ、、どこだ、、あれれれ、、、」



意地の悪そうな少尉

「なんだ、、このおんな、、おい、こいつらまとめて絞めてやれ、、」と周りを囲む5~6人の古参兵に声をかけた、、



そのとき後ろから一人の士官が駆け寄ってきた、、

「こら~、、なにしとるか~、、小山、、うちの小隊に手をだすな!!、、」


意地の悪そうな少尉(小山)

「ケッ、、、お坊ちゃん少尉のお出ましかよ、、、みんな、引き上げるぞ、」





尚美

「あれ~、、こっちでもないし、、あった~!、、これを見ろ!、」と少佐の階級章をとくい顔で右手で高々と出す尚美、






「あの~姐さん、、、、、、もう、、、あいつら、、いませんよ、、、」とやさしく声かける丈一郎、、






つづく、、、、、









土曜日と日曜日の投稿は休ませていただきます。



また月曜日に投稿いたします。

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