第54話 白鳥電気
いつも読んでいただいてありがとうございます。
それでは、、はじまり、、、はじまり、、、
1904年4月
旅順要塞
ロシア軍随一の要塞築城の権威ロマン・コンドラチェンコ少将
ついに戦争が始まってしまったか、残念だまだこの要塞は主要な部分はほぼ完成したが外周部が遅れてしまった。、、、特に予算を削られたのが痛い、、
203高地や大孤山も含めた広い範囲にベトンによる要塞防御線を設置し守備兵2万5千を常駐させる計画だったのにそれができなかった。
この予算不足で防御線の規模は縮小され、常駐の守備兵も1万3千に変更されてしまい。応急の防御陣地と前哨陣地で攻撃を防がないといけない。
この203高地防衛線は港湾部に近すぎる、、また地形上、日本軍がこの大孤山や203高地などを占領した場合は、港湾部の一部もしくは全域の弾着観測ができるじゃないか、
ここがきっとこの戦いの明暗をわけるに違いない、、、フフフ、、予算不足で負けるかもしれないのか、、その前に日本のサルを退治してしまおう、、
私は要塞工事の任務を解かれて東シベリア第7狙撃兵師団長に就任した、、新しくこの要塞を含めた地域一帯を防衛するロシア関東軍が新設され軍司令としてアナトーリイ・ステッセリ中将が着任された、、私はこの旅順要塞については誰よりも詳しいため防衛について全般を任された。、兵士達も私の事を信頼している、この部下たちには無駄死にはさせない絶対この要塞を守りきるんだ!
1904年8月19日、乃木希典率いる日本軍は、要塞築城の権威ロマン・コンドラチェンコ少将の傑作作品の旅順要塞に籠るロシア軍への攻撃を開始した。「旅順攻囲戦」の始まりである。
この第一回旅順総攻撃は、ロシア軍の戦死傷者1500名に対して日本軍は1万5860人と、10倍を超える犠牲を出して失敗に終わる
実質には何の成果もなく数日で一個師団が無駄死にして壊滅したことになる、これが近代要塞であった。
この状況を打開するには日本最強の二十八糎榴弾砲この攻城砲18門が要塞攻略の重要な兵器となった。
近代要塞の強さは城壁の厚さや材質で決定されるのではない。防御施設の縦深性と防衛作戦の巧みな戦術が大きく左右する。もちろん、兵員の量、装備、士気はそれの基礎をなす。
私のつくりあげた旅順要塞はそのへんの中世の要塞や城塞とは違う主要構造物砲台・弾薬庫・兵営が地下にうずめてあるのだ、それらが地下道をもって連結しているのだから、旅順要塞は地上・地下を貫く一個の複雑な複合体とみなすことができるだろう。
そこに最強のロシア狙撃兵師団、4万4千名が立てこもり最新のマキシム機関銃は毎分500発を撃ちだす事ができる、、肉弾攻撃する日本のサルはその標的でしかない。
ロシア兵は3年間この要塞を築くため尽力した部下思いのコンドラチェンコ少将を崇拝した、この将軍がいれば要塞は陥落しない、まるで守護神のように、
”この旅順要塞をつくり兵士からも絶対的な信頼もされた旅順の守護神コンドラチェンコ少将、彼は日本軍との激戦が始まって4ヶ月後の12月15日に勲章授与して兵士を鼓舞するため兵舎を訪れていた。そこへ日本軍の旅順攻撃の軍神のように象徴される28センチ榴弾砲の直撃を受け戦死した。
ロシア軍の守護神と日本軍の軍神、皮肉な決着だった、死んでいった多くの日本兵の思いがこの軍神の一撃に込められていたのだろう。それも直撃弾、守護神のいない旅順要塞その後すぐに防衛司令官ステッセリ中将は降伏することになる”
1904年4月
結城
俺は先月やっと日本に帰ってきた、、今回は考えていた一つの目的がうまくできた。、、歴史では英国の金融界は日本への資金提供について中立を理由にして支援はなかった。、、
それが、いろいろとお願いしたことで日本の国民があれほど沸き立つほどの資金提供があった、、これで、、この先の歴史に影響がでるだろう、、、太平洋戦争あの無益な戦い
日本が米国なんかに勝つもんか、どれだけの国民が死んでいったことか、、俺と姉さんはその頃になると年齢は60代の後半だ、、、、なんとしてでも日独伊三国同盟なんていう事にはぜったいさせない、
日英米同盟だ、連合国側での戦いにしなければならない、、第一次世界大戦は必ずおきる1916年7月から始まるソンム会戦で31歳の”ディービス・ジョーンズ”を絶対助けるつもりだ。
だがそれが終われば次は第二次世界が待っている、そのときまでは歴史を変えるつもりだ、、、日本は資源や領土を求めて狂ってしまい、軍人が国の舵取りをするようではおしまいだ。
そのためにも未来の日本のように資源を輸入して製品を作り輸出して国を豊かにしたいと思っていた、やはりそれは車と家電になると思う、後は半導体だ、医療はすでに姉さんが大きな下地を敷いた。
これで日本は医療先進国になっていくだろう、、、ともかくエンジン開発だ立派なエンジンがあれば車、バイク、飛行機や、、戦闘車両も、、、風間発動機を世界一の会社にしてやる。
そう、、俺は誓った。
風間発動機王子工場
結城
俺は医薬品販売で稼いだ資金を投入して王子の自宅に近い荒川の河川敷を含めた広大な敷地を購入した。そして共同の経営者となり風間発動機の工場と社屋を建てた。
自転車はすでに姉さんの所から”SAKURA”のネーミングで、全国の百貨店での販売により人手を増やしフル生産だ、、予約待ちで3ヶ月先までいっぱいになっている。、、
原動機付の自転車は既存の自転車を売っているお店をまわって販売をお願いしている。、これはあとから本格的なバイクの販売店としてつなげていくつもりだ、、三輪のタイプが好調に売れていた。うしろの荷台は小さいお店や零細企業なんかの小口輸送需要受けて軽貨物の配送に便利という事で売れた。順調に生産している。
広大な敷地に一周3500mの車やバイクの試運転のコースも作っている、この時代すでにアスファルトがあり来年の夏までには全面アスファルトになる予定だそれと河川敷近くには直線で、800mの滑走路もあわせてつくっているがもう少し時間がかかる。、こちらは航空機用のエンジンと機体を開発する予定だ、これは風間社長からのお願いもあり進める事にした。
バイクに車に飛行機どれもエンジンが必用だ、その開発には最高の頭脳もいる俺はこの春に卒業した日帝大学の工学部の発動機を学んでいた優秀な学生を高額給与で大勢入社させた、、彼らを中心にバイク部門、、自動車開発部、,いままでの風間発動機で扱っていた船舶用発動機部門、、そしては飛行機エンジンと機体の開発部門でそれぞれで知恵を出してもらい、、世界をリードする製品を出すつもりだ。
それと今、作っている試運転コースはいずれ国際レース場にしてバイクと車の競技をここで開催するつもりだ、、、帰ってきたら姉さんの親友玲子さんがこの時代に転生していた事を知った。この玲子さんからのお願いだった。
彼女は根っからのモータースポーツが大好きで1000ccの大型バイクで、高速道路や峠の道路でスリルを楽しんでいたそうだ。、、俺のカワ〇キKL〇250オフロードバイクを見つけると、まるで自分のもののように乗り回している、、少し目立っているが車も都内では走るようになり、町中には路面電車もはしっている、世間では発動機が付いた乗り物にはなれてきたようだ。
スピード狂の彼女から、この時代の車やバイクでの国際レースに出て女でも世界一になれることを世界中の女性にアピールしたいと言ってきた。
そのためにはやはり高性能のエンジンが必用だ、、1894年に世界初の市販バイクが登場して以来、欧州などではスリルを求める若者達がバイクを使ったレースを繰り広げてきた。
欧州のレースはクラスは250cc / 350cc / 500ccだ、、それを玲子さんに話したら
その最高排気量500ccクラスに出たいと、、まったく度胸がある人だと思った、
まあ、、未来の高性能な1000ccのバイクを高速でぶっ飛ばしている人だこの時代が作る500ccなんてたいしたことないんだろ~
これは単気筒エンジンではだめだ、、直列2気筒か、、思い切ってV型2気筒にするか、ようは250ccの容積があるシリンダーとピストンを二つくっつけるわけだそれが直列かⅤ型にするかだ。
まあ、、俺はどっちがいいかさっぱりわからないんで、優秀な工学部出身の社員に未来の参考資料も渡して検討をお願いした。
白鳥電気会社
社長、白鳥栄作
最近の玲子を見ていると、とっても明るくなった、、王子の友だちの家によく泊まりに行って家には最近はたまにしか帰ってこない、男でもできたのかな~
あの子は4歳の時に肺炎で死にそうになった、、いや、、一度死んだ、息が止まったのだ、、私と母さんは玲子の手を握り、、”死なないで~、、戻ってきて玲子、玲子、、”と何度も泣きながら声をかけた、、、それが、、神様に届いたのか、、玲子はパッと目を覚まし周りをきょろきょろ見始めた、、私はビックリしてすぐにお医者さんを呼びにいった。
さっきまで意識もなくし、ハァ、、ハァ、、と荒い呼吸がゆっくりして最後は止まりあきらめかけたのに、、、急に生気がある眼でもどってきた。
医者も驚いた”奇跡だ、、”と言っていた。 それから玲子は変わったあんな好きだった昔話を話して聞かせようとした使用人に向かって”つまらね~、、いいかげんにしろ!”と暴れまくった。、しばらくの間は飯がまずいだの便所は便座をつけろとかふてくされていたが、一度は死にそうになった娘だ、なんでも言う事を聞いてやろう、、
私と母さんは笑顔でいつも相手をしてやった、、それがよかったのか急にいい子になり、いつ勉強したのか4歳で漢字やひらながをすいすい読んだり書いたり取引先の英国人が来た時には、、突然やってきて英語で自己紹介しちゃうもんだから腰をぬかしそうになった。、、もう私は嬉しくてご近所に自慢までしてしまった。
今日は、、その玲子が知り合いの社長さんを連れてくる、”どこの社長さん”と聞いたら五条商会の五条社長だといった、私はなに~、、あの医薬品や医療器に自転車、、それに外国語ができる女子の人材派遣、、、、私も使っているジ〇ポーもそうだ、、これはコレクションしているもう15~6個は持っている、、今この国で一番勢いがある会社だ。
”そんな人が何しにくるの、玲子ちゃん”、、と聞いたら、、、女性たちの家事が楽になる画期的な、、電気製品を開発してほしいとその依頼に来ると言っていた。
それが本当なら大変なことだ、会うのが楽しみだ。
でも、ひょっとして玲子の彼氏かな、この人と結婚しますとか言われたらどうしよう、それだったら会いたくないな~
ともやもやとしている白鳥栄作だった。
(大丈夫ですよ、、お父さん 妖怪鬼婆~のような身内は一人で十分です。)姉に虐げられる五条社長
つづく、、、、