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第51話 尚美と玲子

いつも読んでいただいてありがとうございます。



それでは、、はじまり、、、はじまり、、、

1904年4月


日露戦争での国民生活は戦争前とまったくかわりなかった。、食料品の統制もなければ、”贅沢は敵”、みたいなスローガンもない、普通に美味しいものを食べてこの時代の娯楽、歌舞伎や相撲をみて楽しんでいた。、、だが日露戦争の経過は国民全てが注目しており戦勝のニュースが流れれば提灯行列などで万歳を叫び、負けたり、不幸な新聞記事が出ればその指揮官の家にまで抗議や罵倒、、中には投石までする輩がいた。この時代から日本人は国民としての愛国心ができていくことになった。



また進軍する何万の日本陸軍部隊が通過した道筋には略奪で荒らされた家もなく逃げ惑う農民などもいない、、軍隊内でも勝手な振る舞いも規律を乱す兵士もいない軍規がいきわたっていた。


すでに何年も前からロシアとの戦争計画は考察されており十分な、食料と軍需物質が用意してあった。食いものは現地調達なんていう場当たり的な昭和の戦争とは違う。運ぶための運搬方法から荷役と開発された小型の荷車が多数あり遅れずに、、進軍する兵士と後方支援は連携されていて、、現地住民には迷惑をかけることはなかった。それどころか、きっちり先払いでお金を払い青田刈りで収穫時の米や野菜の予約までしてくれて農民は大喜び、未来ではこの国は昭和の戦争の補償問題でガンガン言ってくるけど、日露戦争での補償問題がでないわけさ、



昭和の戦争とは全くちがう秩序がある、日本軍を世界中がみていた。そうだこの近代戦を世界中から武官やマスコミがきてアジアのサルが欧州の巨人ロシアとの戦争ゲームを安全なところから見に来ていたんだ。まったく世界の娯楽提供だよ、、、日本軍も見られているから規律ある行動ができていた。



昭和の戦争と比べると、、ルールを守って殺し合いをしていた。、それが終わると戦った敵の将官達と笑いながら記念撮影するなんてのんきな戦争だよ、、苦しんで死んでいく兵士はたまったもんじゃない。




1904年3月


戊辰戦争で激戦地となった越後の山間部


結城

俺は旅順にいくまえに、用意した護身用の銃の取り扱いの練習で姉さんとここにきている。ちょうど新潟の三条の商人と洋食器のデザインで話しがありこちらに来たのだ、、、長岡藩と新政府軍が激戦を交した峠が近くにあるがここら辺は誰もいないちょうどよかった。、、王子の町中ではこんなことはできないよ、、



俺は姉さんにこの、コルト社「シングルアクションアーミー(SAA)」「ピースメーカー」正式名称M1873、回転式拳銃の説明をするため家からもってきた空き缶を倒れていたでかい木の上に5ヶならべた


尚美

「は~、は~、や~とついた~、、疲れた、、こんな山の中でやらなくちゃいけないの、、」



結城

「あたりまえだろう~、、これは銃だよ、、そんな人が多い所でバンバン撃ったら警察がきちゃうよ~、、それでなくとも医療以外は不器用な姉さんじゃないか、、ここなら、、いっぱい練習できるよ」



尚美

「エ~、、それなら早く教えてよ~、、もう帰りたいから、、」



結城

「わかったよ~、、よく聞いてね はい、、これ~ガンベルト、これを腰にまいて、、そう、、そう、、、、、右側のホルダーにこの銃を入れて、弾が入っているから気を付けてね、、」


そういってねえさんに銃を渡した、、細身の姉さんがガンベルトをすると、まるで女の強そうなガンマンが誕生した。



「姉さん、、カッコいいね~、、ああ~、ダメダメ、、勝手に銃を抜かない、あぶない!!、、ダメだよ引き金なんか引くなよ、、弾が出ないだって、、当たり前だよ、、」




俺は姉さんにこの、コルト社「シングルアクションアーミー(SAA)」「ピースメーカー」正式名称M1873、回転式拳銃の説明をはじめた。


シングルアクションの銃とは、あらかじめ撃鉄、(ハンマー)を通常位置から撃発準備位置まで手動で移動させないといけない、そして引金、(トリガー)の操作により撃発させる作動機構をいいます。



まちがって暴発しないようになっているのだ、、ちなみにトリガーの動作でハンマーなどを撃発させるだけの機能を持つことを意味するのはダブルアクションだ



つまり姉さんがいくら引き金を引いても弾がでない安全装置のようなものだ。



尚美

「え~、そうなの、、この撃鉄に親指をかけて、(ガチャン)、、、それから引き金を引いて、、(パ~~ン)キャ~~」


いきなり弾がでて驚く尚美、


結城

「フッフフフ、、反動があるから、気をつけて、ちゃんと両手で構えて、、そうそう、、ちょとだけ腰を落として、、そうそれであの缶に向かって撃つ」


パ~ン、、、、パ~ン、、、パ~ン、、パ~ンパ~ン


まったく的の缶には当らない、、、


尚美

「ぜんぜん、あたらないよ~、でも、面白~い、、弾どうやっていれんの~」



俺は弾の入れ方を教えた、、この銃はよく警官が回転式弾倉(回転輪胴=シリンダー)を横にスライドして薬莢を下に落とすタイプではない、、



撃鉄をハーフ・コックにしてから回転式弾倉(回転輪胴=シリンダー)後部のローディングゲートを開け、銃身の正面から見て左斜め下にあるエジェクターを押して弾薬を一発づつ薬莢を押し出しては弾をいれる事を繰り返す、、ちなみに6発入りだ



尚美

「え~、、面倒ね、、予備の弾は、ああ~このベルトの弾ね、、分かった、」


1発入れようとするとポロと地面に落ち次の弾が入ったらまたポロと次の弾を落とし、、、、落ちた弾は足でさっさと散らしていた。



まったくこういう事はブキッチョな姉さんである、、、、、



結城

「左手を撃鉄にのせて撃つたびに撃鉄を連続操作すれば連射ができるよ、、」



尚美

「これでいいの~」


右手で銃をかまえるとその撃鉄に左手をのせ一気にパパパパ~~ンと残りの弾を撃った こういうことはうまい尚美であった。


そしてまた弾をポロポロ落としては、、パパパパ~~ンと、繰り返していた。


だが、、的には、、ぜんぜ~当たらなかった。


俺は「姉さん、、これで最後だよ、、もう帰ろうか、、」



そう言うと撃鉄に左手をのせ一気にパパパパ~~ンと残りの弾を撃ってそのあと、何をやるのか見ていたら拳銃の煙ただよう銃口をくちもとにちかづけ、映画で見たのか息で煙をとばそうとした、、先っちょにある照準用のちょっこと出た金属に、、下唇があたり思わず「アチチチチ~~~」といって左手で口元をパパパパとこすっていた。



姉さんのそんなトンチカンに俺は腹を押さえてしゃがみこみ肩を震わせて笑ってしまった。




     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~


1980年、、某大学での戊辰戦争の史跡調査団


団長

長岡藩の家老河井継之助は北越戊辰戦争が起きた時、ここで長岡藩兵は近代的な訓練と最新兵器ガトリング砲で新政府軍と壮絶な戦いをした、、このへんはその陣地があった場所だ。調査員数名が金属探知機で調査している、、ガトリング砲の薬莢でも出れば、、いいんだが、、、



調査員

「団長~出ました、、いっぱい、、弾がでました~それも、未使用です」



団長

まじか~ガトリング砲の未使用の弾が出てきた、、すごいぞ、、私は興奮して彼から弾を受けとった、、10発以上でてきた、、


いそいで弾の口径を調べようと錆を落とし未使用弾の尻を見たら、



、、、、、「COLT.45」!!、、



「なんじゃ!!~~これは、、、、、ぜって~おかしいよ~こいつはコルト社45口径の銃弾それもロング・コルト弾だよ、、戊辰戦争が終わって10年位

あとにできる弾だぜ~~~~どうしてだ!!~~~~なんで!!、こんなところにこんないっぱい落ちてんだよ、、」


歴史研究をする学者の間でミステリーな話としてこの弾は話題となった。




     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~




1904年2月

銀座のお店、3F事務所


松原チエさんから化粧品に詳しい白鳥玲子の名前を聞いて、私は高校三年生の卒業前の事を思いだしていた、、一番のマブダチ、、”白鳥玲子”、、白鳥電気会社のご令嬢だ、、明治時代からつづく電気製品の製造会社だったかしら玲子の名前は、、確か、ご先祖の4~5歳でなくなった令嬢の名前とか、、う~ん、そう言っていたよな~?、


玲子は死んだ、、バイクが好きな女子で卒業を前にして2015年の2月、大好きな真っ赤な愛車、たしか、ドゥカティ パニガーレだったかな、、海岸線の崖の道路を飛ばしながら楽しんでいたら、、飛び出した猫をさけて、そのまま海にダイブしたそうだ、、後ろを偶然、走っていたトラックの運転手が警察に言っていたよ、、


楽しかったな~、よく授業さぼって遊びにいったし、、近隣のヤンキーなんか二人で相手してやって怖いもの知らずだったわ、、フフフフ、、そうよ、、尚美と玲子にはぜって~逆らうな、、とかなってみんな、、、、いいお友達になってくれたわ、、フッフフフそれも忖度してくれて、、楽しかったわ。

もう私は今年で32歳、玲子は永遠の18歳で私の思い出にず~といるのよ、、、


そして、、これから明治の白鳥玲子、21歳が面接でこの社長室にやってくる。 どんな子かしら、、



トン、、トン、、、「失礼します、、、白鳥玲子です、、よろしくお願いします。」と言って一礼をして私をじ~と見ていた。




私は、、へ~、ショートボブだ、、私と同じ、背もでかい私と同じだよこの時代にしてめずらしい、ちょっと未来の玲子に似ているな~と思ったが、、こっちは可愛いえくぼと八重歯がチャーミングだった。


「どうぞ、、そこに座ってください、、」と優しく言うと、、


彼女はまだそこに立っていた、、少し、驚いた顔をしていた、なんか体が震えはじめたような、、、、


そしていきなり、、、





「あんた、3年8(ぱー)組の五条尚美だろ~~、、学園祭で、、あの伝説の歌を奏でた、、くれないの~な~お~み、、だろ~、、どうして、、どうして

この明治時代に、、いるんだよ、、、それも、、年も取りやがて、、、、、」





「あたしだよ、、2015年、愛車で海にダイブした、玲子だよ~~~」









つづく、、、、、




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