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第48話 防弾装備説明に行く

いつも読んでいただいてありがとうございます。



それでは、、はじまり、、、はじまり、、、

1903年9月のある日


銀座のお店、3F事務所

尚美

あ~ひさしぶりにお店にこれた。落ち着くわ~、先月は衛生兵の研修でほんとに忙しかったわ~、、、、やっぱり私は医療よりこっちがむいているのかしら、、


「チエさ~ん、、いないあいだなんかあった~」



営業やり手の松原チエさん

「たいへんですよ~、尚美姉さん、、これ、、これ、これ見て下さい、、」


そういってチエさんは箱にいっぱい入った手紙を持ってきた、、


尚美

「な~にこの手紙、、こんなにいっぱい、、」


松原チエさん

「ともかく読んでくださいよ~」


そう言うと箱から一通の手紙を渡してきた。


それを広げて私は手紙を読んだ。


”拝啓、、私は京都の精華高等女学校に通う仁科花江と申します、、先日のお盆に東京の叔父夫婦といとこが墓参りで帰郷しました。その際にいとこは通っている女学校の制服をきて家にきたのです、、私はそれを見てとってもビックリしました。こんなオシャレな、、ほんとうにオシャレな制服、、、いとこにお願いしてその制服を着てみました。鏡をみたら、私はまたまたビックリしました。いとこより私が似合っている、なんで、どうして、私の制服じゃないの、くやしい~、、本当にどうしてもこれを着て女学校に通いたいと思いました。いとこにこちらの住所を聞きました、ぜひ、、私が、、、私が在学中に”NAOMI”の制服を売りに来てください、、ぜひお願いします。”



尚美

「きゃ~、、やったじゃない、、みんな、こんな内容なの~」


松原チエさん

「はい、、お盆休みが終わってから全国からこんな手紙が特に京都のこの精華高等女学校と同志社女学校、京都高等女学校 これはどれも名門女学校、高貴なお嬢様が多いですし、負けず嫌いというか、気位が高いというか、そこへ東京の親戚が墓参りでいとこのお嬢さんの制服をみたからと、それと大阪は梅花高等女学校、天王寺高等女学校 愛知から中京高等女学校、、名古屋高等女学校、、、、すごいですよ~、、東京の女の子達も自慢したかったんでしょね、お盆のお墓参りの帰郷でわざわざ制服着て帰りますか、、ふふふふ、、」


尚美

「そうよね~、、女の子とオシャレこれは絶対よ~、、いい、、ここに手紙を送ってくれた女の子達の女学校は全部書きだしてちょうだい。」


松原チエさん

「もう、、書きだしてありますよ~、尚美姉さん、、」


尚美

「さすが~、チエさん、、あとは、取引先すべての百貨店の担当者を呼んで打ち合わせよ、、この学校のリストを手分けをしてPRよ、試着用の見本もいっぱい用意しないと、、、さ~いそがしくなる、、女の子の夢はぜったいかなえるの、、いいわかった!、、」


松原チエさん

「了解で~す、、、こりゃおもしろくなりますね~」



こうして、、”NAOMI”ブランドのセーラー服やブレザー、ローファーの学生靴にハイソックス、、下着に生理用品、婦人服に全国の地元百貨店がしばらくすると競うように取り引きをお願いしてくるのだった。




1903年10月のある日


結城

姉さんから頼まれていた、第三軍の為の防弾装備が5万人分用意できた、、俺はこの乃木希典大将が指揮した旅順攻略部隊を調べたら、、4個師団が関係していることがわかった、、他に野戦砲兵連隊や重砲連隊に工兵大隊などいくつかあるが要塞へ肉弾突撃をするのはこの4個師団だ、、まとめると下記の通りだ



第一師団   東京

第七師団   北海道、旭川

第九師団   石川県 金沢

第十一師団  香川県 高松



あとは陸軍参謀本部課長の阿部中佐に連絡するだけ、、それを姉さんに話すと「フフフフ、、また阿部中佐が関わっていたのね、よほど御縁があるわね~」と笑っていた。そして使い方を指導するために現地に行ってくると言ったら第九師団はいしょに行くと言いだした、、、どうも姉さんはふだんはドンカンだが、前にやけ酒を飲んでそのまま寝て予知夢のような悪夢をみてしまいこの第九師団の第一連隊の酷い惨状を話してから、この防弾計画を始めたわけだ、、連隊長の胸と腹に弾があたってどうのこうのとかいってとっても気にしていたからな~




それと去年、秋田から川崎潤一君という少年を姉さんは連れてきて王子の製薬会社の寮に入り下働きをしている、、家にも姉さんは連れてきて夕飯を食べている、さっちゃんは死んだ弟が戻ってきたと喜んで遊びにくるとごちそうをだしていた。たまに寮にいって部屋の掃除や身の回りの世話をしているようだしもちろん隠れて二人でDVDも見ているよ。



そういうことで、、金沢まで姉さんと二人でやってきたよ、昨日は金沢の名所ひがし茶屋街で日本海のおいしい魚料理を食べて姉さんは御満悦、そして今は第九師団本部の応接室で緊張しながら美味しいお茶をいただいているところです。



トン、トン、とノックの音がして「失礼します、、」と一人の士官が副官をつれて入ってきた、、俺と姉さんは立ち上がり一礼した。、



姉さんはその士官をみると、、「あっ、、も、、もしか、、したら第一連隊の、連隊長さん、、ですか、、」と驚いた顔でまじまじ見ていた。



「はい、第一連連隊の連隊長をやっております、加藤ともうします階級は少佐です。、、、となりは副官の今井といいます。、、どうぞおかけ下さい。」



そう言うと連隊長さんと副官は向かいに座り俺と姉さんも座った。、、



加藤少佐

「大変申し訳ありません、、師団長の菅井が急な用事ができまして私が代わりにあうことになりました。、、すでに参謀本部の阿部中佐からは聞いております。、、防弾の為の装備を無償で支給していただけると聞きました。すでに装備品が相当数きております。本日は使い方を教えていただけると言う事を師団長から聞いております。  ぜひよろしくお願いします。」



加藤少佐はとても紳士な感じがした、それに背も姉さんよりも高くきれいに短く整えられた髪型はこの時代の人とは思えなかった、、なんせほとんど坊主か偉い奴はみっともない鼻ひげをして背も低い、、加藤少佐は違うきれいにひげは剃って整った精悍な顔立ちと役者のような切れ長の目をしていた。




姉さんを見ると、、えっ、と二度見した、なんか目がハートのようなかたちでうるだひとみでじ~と加藤少佐を見てた。、、”これは、まじやばいぞ、、これは、、これはまさしく恋する女の瞳だ、、ぎゃ~どうしよう、、”



俺は一度大きく深呼吸をして頭を切り替えた。用意してきた大型バックからまずブロディ・ヘルメットと呼ばれる鋼鉄製戦闘用ヘルメットを取り出した、、あの英国兵士から洗面器とよばれた形だ。


それの説明を始めた、、



「これは、、敵の砲撃で空中で炸裂する榴弾による頭部損傷を防ぐヘルメットと呼んでいる装備です、そのままかぶってもらいバンドで首もとを固定してもらいます、、どうぞ、お試しください、、」


加藤少佐はそれをかぶりヘルメットのバンドを首元でしめると頭を色々とふってみせて、、



「そんなに重くありませんね、、それにしっかりと固定される、、これはいいですよ、、あの厄介な榴弾をこれなら防げる、、すごいじゃないですか~」



結城

「はい、、それは確実に榴弾から頭部を守ります、、戦闘時は必ずつけてください。」


次に俺は防弾プレートの見本と防弾チョッキを取り出して説明した。


「次にこれは体の胸部と腹部を敵の銃弾から守るためステンレス鋼の板とセラミック板を組み合わせた防弾プレートです、」


そう話して見本の防弾プレートを渡した。


加藤少佐

「これは、、なんと軽い、、外に貼っているのは、鉄ではないですね、、中はこれは陶器ですか、、なんだろう、、」


結城

「はい、、、外に貼っているのはステンレス鋼という新しい素材です鉄より硬く、軽くて錆ません、中はセラミックというこれも新しい陶器のようなものです非常に硬いですこれを複合させて防弾力をあげています。これはすでに東京の第一師団での実弾試験で弾を受け止める事を確認しております。これが腹部と胸部それに背中にいれたものがこれです。」


そういって俺は防弾チョッキをだして加藤少佐に渡した、、


彼はそれに腕を通して着用した前のボタンをとめると


「これは、、軽い、軽いですよ~これで敵の弾を受け止めてくれるんですか~すごい、、すごいじゃないですか、、」



加藤少佐は子供のように喜んだ、、、、、戦闘では敵の陣地に生身で突撃をする覚悟をしているのだ、、飛んでくる弾にどれほど恐怖を感じて突撃するのか

本当に勇気がいるよ、、それが弾を受け止めると聞けば死なずに済むわけだ、そりゃよろこぶよ~


結城

「はい、、弾は受け止めますが、、弾の勢いは体が受け止めます、、」


そう言ったら加藤少佐は急に真剣な顔になって

「それは、、どういうことですか、、」と聞いてきた。


結城

「はい、、弾のスピードは秒速で7~800mです、、 銃弾は貫通しませんのでそのエネルギーそれをこの防弾プレート一面で受けることになります。それは強烈で胸部の場合は肋骨が折れるかもしれません、、すくなくともデカいあざはできます。腹部だと強烈なボディブローで気絶するか、、ともかくどこにあたってもすぐには立ち上がれません、、、そのまま倒れこんでしまうと思います。」



加藤少佐

「わかりました、死んでしまうよりはましですよ~」と笑って言ってくれた。

最後に大腿部の防弾プレートを渡して説明を終了した。


そして姉さんと俺は立ち上がり挨拶をして帰ろうとした時、姉さんが突然、、



「あの~加藤少佐は、、御結婚は、、していますか~、、」



”ぎゃ~、姉さん、突然、何~聞いてんの~”





加藤少佐、、笑いながら、、

「はい、、愛妻と子供が二人おります、、」と答えてくれた。







そのあと、俺は姉さんを背負って師団本部をでることになった、、





つづく、、、、



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