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第37話  原平蔵と和解する。

いつも読んでいただいてありがとうございます。



それでは、、はじまり、、、はじまり、、、、


1901年9月1日

陸軍軍医学校講堂


講堂内は静寂につつまれた、、追い出そうとしたサリバン尚美先生が出した菊の上紙、、間違いなく天皇の勅旨ちょくしつまりこの文章は天皇が自分の代理はこのサリバン尚美先生と認めているという事だ、、、ここにいるみんなが理解した。、、


”尚美”

菊の紋が入った上紙を右手でつかむと皆に見えるよう高々とあげた。すると教員も含め全員が立ち上がりピンと直立不動の姿勢で一礼した。そして両手で大きく広げた勤務条件表それにはりっぱな国印が押されていたのである。


陸軍大臣と教官達それに学生一同は皆、大口を開けて固まっていた。


「ほら、、そこのアホずらこいた、、学生代表の、、なんだっけ、、阿部くんだっけ、、こっちこいよ~、、え~やだって、、なに~いってんだよ~、、さきにお前がケンカ売ってきたんだろう、、ほら、、あがってこいや~~!、そこで正座してろ!、、、」


「おまえもだよ~、~いけだ~げんぞう~、そこに正座しろ~え~俺は陸軍中将だからおなごの前で正座はできないだって、、」


「てめ~いいか、、ここだよ、、ここから先を目ん玉広げてよくみろ、、いいかよく聞けよ~」



”クリストファ・サリバン尚美が決めた罰則を我、睦仁むつひとが全て許可することとする、最後にこれは陸軍大臣にも適用とするもう一度言うが陸軍大臣池田源蔵にも適応とする”



「お前の陸軍中将はなにか~畏くも天皇陛下より、偉いてのか~、、ここもよく見ろ、、てめ~の家族に軍人はいね~のかよ~」


”最悪すなわち余に逆らった非国民として全国に発表して家族も含め国策に関わっている親族は非国民の家族となるのでその職務から外れる事とする。”



「息子が二人、、陸軍の士官で勤務している、、あ~あ~かわいそうに、、お前が正座しないせいで、、非国民の家族でやめなくちゃいけないな~」



「そうそう、、やっと正座したか~、、」


「お~い、、学生諸君、、やっと自己紹介ができるよ、、、私が今日から救命救急を指導するクリストファ・サリバン尚美で~す。そして陛下様からやんちゃなあなた達を指導する為の条件については今言った通りで~す、、、この通り私達に逆らった陸軍大臣は今は反省中ですのでこれからも私達を怒らせるような事はしないようにしてくださいね~、、、」


「今日は初日だからな、、これくらいで勘弁してやるよ、席にもどりな、、、あっ、、そうだ、阿部くんさっき元気よく読み上げた文章ちょうだい、、、

えっ、、かんべんしてくれって、、フフフフ、、なにいってんの~、、また逆らうき~  記念にもらうの、、今日のこの事について報告を楽しみにしている人がいるから、、、えっ、、どなたですかって、、、、う~ん、、きっと知らない方がいいわ、、、早く頂戴、、アリガトウ、、もう席についていいわよ。」



このあと高橋勝次先生も着任の挨拶をして無事紹介のセレモニーは終了したのである。


その後、陸軍大臣ですら尚美の前では正座をさせることができる、その脅威のパワーに教官や学生達は借りて来たネコのようにおとなしくなったのである。

そして、陸軍の兵士に対する食事の内容は大幅に改善された麦飯や副食も健康を考えたバランスの良い内容になった、、また海軍の金曜日カレーに”負けんじゃね~ぞ”、とサリバン尚美先生が先頭となって音頭をとり陸軍では毎週金曜日に師団ごとに趣向を凝らした、”豚汁”が定番となり味を競ったのである。、、



そしていつのまにか脚気を発症する兵士はひとりもいなくなったのである。




1901年8月ある日


”結城”


姉さんから内科の教授たちが産婦人科原平蔵教授の派閥から嫌がらせを受けているようだと話してきた、、


森林太郎にあれだけのダメージを与えたのにまだあきらめないのかと思った。このままお互いの陣営が切り崩しごっこしてもらちがあかない


姉さんも9月1日で軍医学校に行く気満々で手術場や関係しているところに職場が変わる挨拶もはじめた、、、


これからまた忙しくなる、、、俺は姉さんに聞いた、、、


「この時代で発表してもおかしくないワールドクラスの婦人科の論文てないの~」と聞いた。、、、、




”尚美”

「う~ん、、婦人科ねえ~、、妊婦、、不妊、、、生理、、、そうだ!、、あるある、あるよ~、、あるじゃない」



姉さんは親父の部屋から資料を持ってくると、、一心不乱で論文を書き始めた、、ほとんどコピペだけど、、


2時間ほどで作り上げた、臨床データーも丸写し、そしてできたのが、”排卵と受胎日についての考察”と言う論文



”そうだ産婦人科医の荻野久作おぎの きゅうさくが1924年に発表した、月経周期における排卵期と受胎期についての学説である。排卵が、次回予定月経開始日前の14±2日目に起こることが多いとするものでこの月経周期から排卵日を予測して妊娠しやすい時期(危険日)としにくい時期(安全日)を判断する方法です。現在は国際的に広く認められており妊娠・受胎調節(避妊)などに応用されている。荻野学説を利用した避妊法は一般にオギノ式と呼ばれている。” (ウィキペディア コピペ、、、尚美パパ)


これだ、、、そして、もう一つネタをつかんだ、大学構内で姉を襲ったチンピラ二人が分かったのだ、彼らから原平蔵教授が始末を依頼した黒幕と言う供述書をまあ~多少金は払ったが、しっかり書いてもらった。この論文と供述書を持参して俺と姉さんは原平蔵がいる婦人科教授室の扉をノックした。


彼に選べさすのだ、、、この論文で森林太郎の推薦を取り消してもらい上杉先生の教授について了承してもらうか、、、姉さんを刺客を使い抹殺しようとした供述書で脅すか、、


こっちはどっちでも同じだ、、それでもこのワールドクラスでの論文を来年の国際婦人科学会で発表してもらったほうが何となく気分はいいが、、、



”原平蔵”

儂はびっくりしてしまった、、教授選の対抗で上杉先生をかついでいる。サリバン尚美先生と弟の会社を経営している結城社長が二人して訪ねてきた。


応接用のソフアーに座ってもらい、儂は対峙した、、、、弟の結城社長が挨拶をすると「突然で申し訳ございませんが教授選で森林太郎さんの推薦を取り消していただけないでしょうか、、、」と言ってきた、、、儂はこいつ何を言ってんだ~と思ったが彼はまた言い出した、、「原教授、、来年の国際婦人科学会で世界の婦人科の著名な先生方をあっと言わせたいと思いませんか、、、、今年、退職する中村教授のように原式避妊法もしくは原式受胎法これは女性が月経周期から排卵日を予測して妊娠しやすい時期(危険日)としにくい時期(安全日)を判断する方法です。と言い出した。



そう言うとサリバン尚美先生が論文をだして説明をはじめた「私が英国にいたころから研究していた論文です、、やっと先月完成して、、これから発表しようと思ったのですが私のような女がとっても国際学会なんて呼ばれることもないので、、上杉先生が教授になるためなら、、、この論文について原教授から国際婦人科学会で発表してもらっても構いません、、、どうぞ、、お読みなってください、、」



儂は妊娠しやすい時期(危険日)としにくい時期(安全日)を判断する方法が本当にそんな事がわかるのか?と思っていた、、そんな研究なんぞ誰もしてないそもそも子供ができるという事は当たりはずれの問題だと思っていた、それか妊娠しやすいかそうではないかは女の体の問題だと思っていた。それが世界の常識だ、、、


儂は論文を見せてもらった、、、。”排卵が次回予定月経開始日前の14±2日目に起こること、受胎期は次回生理前12~19日の8日間”なに~これによれば妊娠させるにはこの8日間が分かればいいてことだ、、逆に避妊するにはこの8日間なにもしなければいいということだ、、、なんじゃこれは、、、ぜったいこれは新発見だ、、、そしてこの方式について原避妊法もしくは原妊娠法、、納得できる、、、このままこの論文を使ってもいいといっている。


儂は夢の世界にいた、、自分の名が歴史に残る、、儂が死んでもこの原方式が、、、儂は了解した、、林太郎、あいつの事はもうどうでもいい。、、


これが正しいか検証するだけだ、、楽しくなるぞ~、、、そして儂は二人と握手をして和解をした、上杉君が第二外科の教授になることを了解したのだ。


すぐに森林太郎の出馬を取り消した、、、、、


そして1901年11月、退官した中村教授の後に満場一致で上杉先生が新しい教授となったのである。



それから森林太郎は森鴎外のペンネームで執筆活動に精を出して、、「舞姫」からヒントをえて踊り子シリーズを連発、、京都の踊り子、、草津の踊り子、、伊豆の~^^~、これが大ヒットとなり幸せな人生を送ったのである。




1901年10月のある日


皇居宮殿の 豊明殿ほうめいでん

天皇主催の宮中晩餐会


"天皇、睦仁むつひと)"

「ハハハハハッハ、、、それは面白い、、その学生さんはそれからどうなったの、、え、ステージに上げて正座させたの、、フフフ、、泣きそうな顔していたって、、ハハハハ、腹が痛い、、ハハハハ、、えっ、陸軍大臣も正座、、、アハッハハ、、僕だってそんなことできないよ、すごいよ~尚美ちゃん、、、、やる~


えっ、学生が読んだ、、誓書を持ってきたの~見せて、、見せてよ、、なに~これ、おなごから何も学びたくないってだって、、、そうだよね~酷い話だよ、、、学ぶのに女も男も関係ないよ、、、、どうして人として優秀な人間を男か女で差別するんだろね~本当の文明国じゃないよね~はやく男女平等になるような日がくるといいね、、、」


「あとは、尚美ちゃん、僕でなんかできることがある、、えっ、、来年1月の年明けすぐに青森の陸軍第8師団にいって冬の健康管理したいって、いいよ~僕からさ師団長に連絡しておくよ~、、、あっちは寒いから気をつけてね~、、、、」







つづく、、、、、、


1902年1月

 青森、、冬、、八甲田山、、、歩兵第5連隊、、






誤字脱字ありましたら御指導お願いします。


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