第35話 森林太郎引きずり落とす。
いつも読んでいただいてありがとうございます。
それでは、、、はじまり、、はじまり、、
1901年6月のある日
パリ、ソルボンヌ大学医学部大講堂、、世界外科学会会場
"第二外科中村正忠教授"
私は発表を終えていま控室に戻ってきた、、まだ手が震えている、、助手で付き添ってきた若い医師が何度も私の手を握り「おめでとうございます、、本当におめでとうございます」と目をうるませていた。そうだ「水銀血圧計での目視計測による血圧値による疾病ガイドライン」これが世界に認められたのだ、、、五条商会が出席者450名程の分を試供品として用意してもらい教授会の時のように各自で測ってもらったのだ、、結城社長は500台の無償血圧計を用意していた、、余った分は影響力のある国にうまく分けて差し上げてくれと言っていた私は商売上手な彼に協力して、英国、仏蘭西、独逸、米国、スウェーデン医師に役に立てて下さいと10台ずつ渡した、もちろん販売元が日本の五条商会の連絡先は全ての血圧計の中に入っている。
みんな私が使い方を説明して聴診器を耳にあてて静かに操作して世界で初めて自分の血圧の音を聞いたのだ、世界中の第一線の医師が本当にはじめてだ、、
拍手が雪崩のように巻き起こった、スタンディングオペレーションである、、
聴診器と血圧計を組み合わせた血圧の測定方式の基礎理論 ”ナカムラ音法”が世界で認められた瞬間だった、、、
ガイドラインでは、高血圧をⅠ度・Ⅱ度・Ⅲ度の3段階に分けあと正常高値血圧の値を作り高血圧の一歩手前で注意が必要なレベルという意味だ。高血圧予備軍の段階という項目を作ったこの4段階が世界基準となったのである。
なんたって患者は痛い思いもしないで2~3分の目視計測で数値を読み取り最高血圧がどのラインにあるだけで疾病の危険度は分かるんだ、大発見よ、、、、
ホテルに戻ると中村教授は東京の上杉先生に電報を送った「ガッカイ、、ダイセイコウ、、アリガトウ、、」 それと結城社長へも「ケツアツケイ、、ダイニンキ、、バカウレカクジツ」、と二人への感謝の気持ちでいっぱいだった。
当日、外人医師の控室、、
ノーベル医学賞を選考できる医師2名
英国医師アダムズ.ブランドンと仏蘭西医師エストレ.アラン
英国医師アダムズ.ブランドン
儂はぶったまげてしまった。こんな方法があったのか~てポンプである心臓が体を循環する血液を送り出す時の最大圧と送り出した後の最低圧が数値として計測できるということだ。その数値で体の異常が分かると言うんだ。それがこのサルどもが作った血圧分類表で、、こんなのできすぎだろう、、
「おい、、アラン、、これじゃ日本のサルがノーベル賞を取っちまうぞ、どうするんだ、、」
蘭西医師エストレ.アラン
「ふふふ、、簡単ですよ、この論文をノーベル財団に報告しなければいいだけですよ、、なんたって私達が選考委員じゃないですか、、あんな黄色いサルが
こんな物を発明して発表するなんてゆるせない絶対握りつぶしてやる、、、」
(そんなもんだよ、、この時代の世界が見ている日本人なんて、、、、)
アラン医師
「ところで、ブランド、、お前の最高血圧はいくつだ、、、え~!、なに~191mmhg、、、おれ、、俺は186mmhg、、これって一番危険なクラスだよな~」
ブランド医師
「そう言えば、、あのナカムラ、とか言っていた日本のサル、血圧を下げる薬を少し持って来ていると言ってたな、、サルからもらうのはいやだが、、、、二人でもらいに行こうか、、どこ、、泊まっているんだっけ?、、、、、」
そうだ結城が黄色いサルと馬鹿にしている西洋人に未来の血圧を下げる薬を教授に少しだけ持たせたのだ、連絡先が入った名刺とともに、、、
その日、中村教授が泊っているホテルにはサルと馬鹿にした。たくさんの著名な医師が行列をなしていたのである、、、そのサルから薬をもらう為、サルに媚を売るんだ、、最高だぜ!!、、
1901年6月のある日
チームくれない作戦会議(結城、尚美、上杉先生)
俺と姉さんとであの森林太郎を陸軍軍医学校の校長から引きずり下ろし別の人材を送り込もうとしている、、その為に脚気が何で起きるのかその論文「脚気の原因と人間が必用な栄養素ビタミン」というタイトルで4時間かけて作った論文ができた、、、、内容はいちおう3~4年くらい調査して分かったことにしているけど、、、関係ね~よ、全部正しいんだから、、、
なんせこれに近い発表は鈴木 梅太郎先生が1911年に発表すんだけど、今は26~7歳、、この大学の。農学部かなんかで別の研究でもしてんじゃない。それを10年早く正確かつ分かりやすく、、、、
簡単にまとめると体に必要な栄養素をビタミンA、B、C、Dの4つに分類したんだよ、、それぞれが摂取できないとどんな疾病が起きるか3年かけて科学的に調査したことになっている。
ビタミンA
皮膚や粘膜を健やかに保つ、視覚に関わる疾病に関係する、、、ニンジン、ホウレン草など緑黄野菜に含まれております。
ビタミンB
十分にエネルギーを作り出すことができなくなるので、体が疲れやすくなります。代表的な疾病は脚気です。小麦胚芽や小麦粉などの穀類、大豆など豆類、うなぎやフナこいなどの魚介類などです。納豆やうどんは最適の食品です、
ビタミンC
壊血病は出血性の障害が体内の各器官で生じる病気でビタミンC欠乏状態が数週間から数カ月続くと症状が出現します。果物ならいちご、柿、アケビといった食品のみかんやオレンジ、レモンなどの柑橘類にも多く含まれます。サツマイモもビタミンCを摂取しやすい食品です。
ビタミンD
カルシウムと関わりがあり、脚の変形、脊椎などの変形などの骨の成長に欠かせません、適度に日光に当たることが大切です日光で合成されます。ビタミンDを多く含む食品は、鮭、サンマ、ブリなどの魚類、きのこ類、卵などがあります。
簡単にまとめたけど、、この時代ではワールドクラス論文かな~と思ってしまったが、、奴を引きずり落とすんだこれくらいの派手なパンチが必要だ、、、
これで森林太郎のなにが~脚気細菌論、、感染症とそんなとぼけた馬鹿なやつらを未来の資料で脚気だけでなく他の疾病にもビタミンと言うものがバランスよく体に必要な栄養素という事を全国発表してやるぜ、、、、
上杉先生はこれを見てすげ~びっくりしていた、こんなに食品に大切な栄養素があるのか~と、、自分で発表したがっていたが、、、姉さんも「上杉先生でいいんじゃないの~」と言っていたが、、これは一つ間違えるとやばい論文だ陸軍にケンカを売るんだ、、それも軍医総監にだ。俺はこれを発表者の実名で陸軍の上層部や国のお偉方にいかに馬鹿な森軍医総監がありもしない脚気の細菌感染症の主張で多くの兵隊が死んでいったか、、それと今、陸軍や国民、、海軍も、ロシアとの戦争は起きるんじゃないかと警戒している、、これでこのまま戦争になった時あほの森軍医総監のプライドで脚気による患者20万人、そして2万7千人を越える脚気死者をだすだろうと推測の数字を入れてやる、、実際そうなったからな、、もしそれが本当に起きた時、誰が責任をとるのか教えて下さいと、、ちなみにこれと同じ内容は内閣関係者と天皇陛下にも直訴しました。と書いて、、こちらが送った内容が陸軍で握りつぶさないように政府や天皇にも論文を送ってやる。発表者の実名でだ。
この論文の内容は間違いなく受け入れてくるだろう、、陸軍のお偉方があのアホ軍医総監の首を切るわけだ、、陸軍がコケにされるんだその仕返しに発表者はもう大学にいられないかも知れない、、しかしすなおに見ればこれは大発見だ。森林太郎にとって代わるかもしれない、、、あたれば大きい、、外れれば大学から追い出される、、、ハイリスクハイリターンだという事を姉さんと上杉先生に説明した。
姉さんは「な~んだそんなこと~それじゃ~”かつじ”でやろう、、そうだ”かつじ”だよ~」姉さんが思いついた策は第二外科医局長の高橋勝次が発表者になり国内発表を第二外科医局をあげて行い、陸軍と政府関係者と天皇直訴ははこちらで勝手に高橋勝次の名前をでっかく書いて送り付けると言うことになった。こんなことは本人が知らない方がいい、、、うん、と姉さんは言っていた。
もし、ハイリスクを引き当てたら、、私も大学をやめて”かつじ”に未来から来た事を話してここで内視鏡を使った難しい手術を二人でやるよ、、派手に宣伝して貧しい人からは金を取らないでさ、、、、
だが、当たれば大きい陸軍軍医学校の校長の席が、そうなれば姉さんを講師で送り込む事ができる。、戦場における救命救急の技術を教えることができる。
教授がパリに行っている間に作戦を始めた、姉さんがまず第二外科医局長の高橋勝次にこの論文を見せた。彼は”ドカ~~ン、と驚いた、脚気が納豆とうどんを食わせれば治るですか?”姉さんは「そだよ~~あと麦飯も大事かな~」一応、、勝次が同期の内科の先生にこの論文を見せて脚気で入院していた15名の患者に米食をやめて麦飯、納豆、うどんを食わしたら4~7日で全員が退院した。、、内科の同期も”ドカ~ンと驚いた。”結局、、内科と外科との合同発表で学会誌に発表された。そしてやっぱり出てきました独逸留学組の上級国民の医者達、、すかっり森林太郎と同じく独逸最新医学のなんでも細菌だ~感染症だ~と騒ぐやからが、、、、、フフフフ、、俺は待っていた。森林太郎を神輿のように担いで騒ぐときを、、、、
俺は都内にある5~6社の新聞社に陸軍軍医総監の森林太郎氏が独逸留学中に勉学に励まず独逸女の尻を追いかけていました。これが証拠で~すとコピーしたエリスへの恋文そこには俺が翻訳した日本語が注釈で、、、誰もが読めばとっても恥ずかしい内容、、、、それと捨てられたエリスの恨みつらみも注釈で日本語解説付きで、、これまたコピーで、、各社は競って3面記事で報道してくれたよ。読んだ人は激怒、、これこそ日本人の恥さらし、、女性からはエリスへの同情がこれまたすごいことになった。、、陸軍大臣に抗議の手紙が大殺到になった、、、
さすがはこの時代でも”〇春砲”もどきはうまくいった。最後はいかに森林太郎達が言っている細菌説が違うのか”高橋勝次”の名前で出した「脚気の原因と人間が必用な栄養素ビタミン」これを陸軍大臣、内閣、天皇陛下直訴、、どんだけ脚気で兵隊殺すんだ! 誰が責任とるんだ!の手紙付で、、、ぜ~んぶ”高橋勝次”の名前でだしてやった。
本人何も知らず、、、、どうしよう、、、
つづく、、、、、
前にも書きましたが、土曜日と日曜日の投稿は休みます。 また、来週投稿いたします。
お楽しみにしてください。