第33話 尚美VS淀川会東京支部
いつも読んでいただいてありがとうございます。
はじまり、、はじまり、、、
今日も春ちゃんがお弁当を持ってやってきた、、おいしそうなお稲荷さんがたくさん入っていた。下の段にはこれまたおしゃれな桜もちが、、、お母さんにここでお茶を飲みながら女子トークをしている事を話したのだろう、、お茶うけにちょ~どよかった。、春ちゃんもすっかりなじんできて、手袋をつけると血の付いたガーゼを”安じ~”に近づけてバイブレーションを楽しんでいた。”安じ~”もうれしそうで私達のときはしないが、最近は春ちゃんにはガーゼを近づけなくても、くれないの柄を握るとすぐ反応してくれた。この変態ジジ~野郎と私は睨んでやった。そして”安じ~”に春ちゃんの事もしっかり守ってよ~と言ってやった。
”結城”
俺の事業の1年間について、簡単にまとめてみようと思う、、会社は商工会に部屋を借りてジ〇ポー関係の部署を作った。毎月5万個を出荷しているが4月からは10万個になる予定だ。
そうだついに米国市場についに進出だ、覚えているだろうか、俺に泣きついて梅毒の薬をもらいにきた米国最大の商社モーガン社の長男ダニエル日本支社長だこいつにジ〇ポーを見せたんだよ。一発だよ、、やっぱり時代にないもの最新のアイテム便利な物これはどの時代も同じだ、、言い値で買ってもらったぜ、、特にデザインだ毎月5~7種の新作刻印を出している、コレクター向けだ数量限定で希少価値を演出している。
水銀血圧計は順調だ月3000台の生産だ、すでに在庫をこれから発表までに2万台は用意する、、6月の世界外科学会の水銀血圧計について発表すればバカ売れだ、、英国の”エドワード卿”独逸は”ヘルマン卿”、仏蘭西の日本大使シモン・ピェール 米国最大の商社モーガン社ダニエル日本支社長にはこれから売り込みだ、国内の医療関係で日帝大医学部で使い始めた新しい器材も順調だ、、これからは医薬品についても薬物部の卒業生を雇い民間の製造工場を作って全国に広めるつもりだ、、特にペニシリン、抗生物質を世界中に売ってやる。どれだけもうける事ができるか、、たまらないぜ、、自転車と原動機付自転車は失敗さ、大失敗、チェーンがまともに作れない、、すぐ切れてしまうのさ、、まだまだこれからだ、ダイナモは使えるこれはエンジンが絡むものには絶対必要だ、あとステンレス鋼は完成したこれからいろいろ作っていくつもりだ。
あと今考えているのは、優秀な女性達や自主性を持った女性たちに仕事を与えたいと考えている、、、英語やフランス語、外国語の得意な女性を海外進出する会社に人材派遣とか、デザインや想像力のある女性には商品の形状やパッケージの製作に使うとか、、ともかくこの時代は女の幸せは結婚して子どもを産んで家庭に入る事だと思っている。どれだけ優秀な人材が無駄になったことか。そんな事を考えていた。今はそのために貯めた金で土地を買っている。
1914年に東京駅ができる事を知っていたので丸の内のでかい土地を買ってやったぜ、まずは今年中にちっこいビルでもを建ててジ〇ポー部門や血圧計などの医療器材部門そして医薬品部門だ、、そして今考えているのは人材派遣も含めた企業のマーケティング、製品広告、企業PR,イベント支援、海外事業支援、海外特許申請の支援、などをやる、あの大企業博〇堂や〇通とおなじ広告代理店を作りたいと思っている。
やる気のある女子はみんな採用だ~集まれ~とばかりに夢みたいな事をやってみたいと考えている。そうだ、、あともう一つあった、この時代の娯楽を提供する町、浅草、寄席や見世物小屋などの興業や、牛肉店・天ぷら店・鰻店といった高級料理店・料亭が営業、他に。日本一の高さ(約52m)のビル。12階建てで、一般に「浅草十二階」と呼ばれた浅草の「凌雲閣」などこの場所は何でもありの娯楽の町だ、ここに自前の興行ビルを建て未来ではお馴染みのアイドル集団をいくつも作ったり白黒映画も出始めてきたので、バレナイように親父の100インチスクリーンをセットして黒〇明のサムライが7人でる映画をこっそり流したり、芸能部門の立ち上げも考えている。そんな感じが今の現状だ。
1901年4月のある日
"尚美”
私はお昼をみんなと食べて午後からの手術について”かつじ”と打ち合わせるため医局にいた、”かつじ”にとっては何度も手術をしてきた急性の胆石症だ手順を確認していたらそばに立てて置いていた”安じ~”がバタンと倒れブ~ンと思いっきりバイブレーションをはじめた。”かつじ”や他の先生もびっくりするぐらいだった、、、私はそれを拾い上げて、、すぐに何が起きたかわかった、、春ちゃんに危険が迫っている。あのロリコン変態”安じ~”がどういう力かわからないがちゃんと春ちゃんを見守っていたんだ、、なにかが起きたんだ、、、
私はデニムのベルトに”安じ~”を差し込むと医局を飛び出そうとしたら”かつじ”が「え~サリバン先生どこいくんですか~手術どうするんですか~」と聞いてきた。私は「もう卒業だ~”かつじ”もうお前はひとりで大丈夫だよ~卒業さ、がんばれよ~」「私は大事な子を助けにいかなきゃならないからさ~、早引けだ、、腹が痛くなって帰ったて手術室に言っておいてよ~」
そうっ言って原付自転車へ急いだ、、、
春ちゃんのお家は神楽坂の小料理屋だ母親の名前は千代さん神楽坂へいけばすぐわかるはず、、私は原付自転車をぶっ飛ばした。、、店はすぐわかった千代さんから知らせを聞いた龍三親分、、若頭の丈一郎や手練れの子分達が集まってきた。何が起きたか話を聞くと、私の所へお弁当を届けて帰宅したとき店の近くで身を潜めていた淀川会の連中が抱きかかえるようにしてひっさらっていったらしい。春ちゃんは泣きながら、「おかぁ~さ~ん、、たすけて~」と大声を出したのですぐ、千代さんが表にでると淀川会の偉そうなやつが娘を無事に返してほしいならこれを龍三親分に渡すんだ、、と一通の手紙、、中には娘の命と引きかえに藤堂組が淀川会の傘下にはいる事が条件と書いてある。そして明日の午後1時に返事を持って龍三親分が一人で代官山に来い、、と書いてあった。
これは、、罠だ龍三親分が明日一人で行けば必ず殺られる、、、私は近くにいた龍三親分の子分に奴らのアジトは代官山のどこにあるのと聞いたら元秋月藩の江戸屋敷と教えてくれた。、「親分に千代さん私が奴らのところにのりこんで春ちゃんを無事に助けてくるから、まっててね~」とあけらんか~んに言った。
「ちょっとまてくれ~ネエさんなにか策を練っていかねば、、」
「ばっかだね~親分さん、、ケンカは考えてやるもんじゃね~よ、、勢いと意表を突くんだよ、、まだ連中は明日が勝負だと思っているからこれから行って奴らをぶっ飛ばしてきてやるよ~じゃ~ね~」そう言うと尚美は代官山にむけて原付自転車をぶっ飛ばした。その後を、息を切らしながら集団マラソンのように追いかける藤堂組数十人、、途中から事態を聞いた他の団体からも腕自慢が4人5人と参加して数を増していくマラソン集団だった。
代官山淀川会アジト
通りかかった人に場所を聞いてやってきた尚美、、入り口には淀川会のガラの悪い子分二人がでかい大門の門番をしていた。近づいて門番に「あのすみませ~ん、こちらは淀川会の河田金五郎さんの東京アジトでよろしいんでしょうか。」と丁寧に聞く尚美
「ワレどこのもんや~なんかようか~」とガラノ悪い子分
「神楽坂の千代さんのところの娘さんをさらったでしょう、、、返してもらいに来たの、、」そう言うと左手を鞘に右手で柄を握るとスパと首すじに峰うちをくらわすと一瞬で気絶する子分、、もう一人は大門を開けて駆け足でなかの本邸へ「殴り込みだ~、、殴り込みだ~」とふれ回る、建物からぞくぞく出てくる淀川会のチンピラ達、、尚美はゆっくり歩きながらすれ違うチンピラ達をバキ、、またバキ、、バキ、、バキ、と体のどこかの骨を峰うちで、折りながら玄関の前までやってくる。ここまでに14~15人のチンピラが「痛て~、骨がおれた~いて~よ、、だれか~足が、、足が折れちまったよ~」といいながら折れた場所を押さえながら悶絶していた。
玄関まで来ると中から、若頭高倉安吾、それと腰に刀をぶら下げた若頭補佐権田寅吉 猪熊権蔵がゆっくりと出て来た。そして若頭高倉安吾の右手は泣き叫ぶ春ちゃんの首根っこをぎゅうと掴んでた、、そして玄関の奥には胸に包帯を巻いた居合の達人片山一斉が静かに立っていた。
「おねえちゃ~ん、、おねえちゃ~ん、、助けて~~、、痛いよ~」と泣き叫ぶ子供に高倉は左手で5発入りのピストルを向けていた。
「きさま~なんて卑怯者だ~春ちゃんをはなしやがれ~」どたまにきた尚美
若頭補佐の権田寅吉 猪熊権蔵が鞘から刀身を抜き出しじわりじわり、、、尚美は横にずれていきながら玄関を挟み睨みあう、その玄関には腰の帯に刀を差し込んだ片山一斉が無言でたっていた。
大門にやったどり着いた龍三親分一行、、ハァハァハァと息を切らしながらこの決着を黙ってみていた。
権田寅吉が両手で刀身を上段にかまえて「柳生新陰流、先に相手になる」と流派をなのった。と、その時またまたスイッチが切り替わるように尚美の体を借りた片山久安があらわれた。
「片山伯耆流 (かたやまほうきりゅう)、、、奥義、「磯之波」、、、」と答える久安、、、ヤァ~と上段から切りつける寅吉それを軽く下から上に受け流した久安そして必殺の第二刀そのまま上から袈裟切りでボキと相手の肩の骨を折る、、、肩を押さえ悶絶する寅吉、、
次に出て来た権蔵「北辰一刀流、、勝負!」と言って剣先を左斜め下に構え突っ込んできた、、切り上げてきた刃を受けながら相手にずず~と寄って相手の腹に右膝を打ち込むそのまま前かがみになったスキだらけの首にスパーンと峰うちそのまま気絶する権蔵、、、、、
二人の死闘をみた、高倉恐怖により空に向けて一発、パ~ンと威嚇射撃、、、そしてその銃口を春子に向けると「てめ~いい加減にしろ~こいつがどうなってもいいのか~」と最後の虚勢を張る高倉、、、そこへ死も恐れない久安が刀をかまえ静かに近づいていく、、、
自分が殺されると思った高倉は久安に向かってピストルの銃口を向けるとパ~ン、、チーン、、パーン、、チーン、、パーン、、チーン
それを見ていた、龍三親分一行ほぼ7~80名みんな口を開け驚愕な眼差しでみた、、その前の剣技を極めた二人の補佐達との一騎打ちではじまりそれをドキドキしながら見ていた、そして今奇跡を見た、、親分は言った、信じられない、、、、弾を、、弾を刀ではじきおった、、それも3発も
これが伝説の代官山の決闘のクライマックス、リアル劇場となった、、観客は龍三ほか口がものすご~く軽く2倍くらいふかして話す子分達7~80名
しかし、、尚美の刀には刀身がなかった、そのとき尚美の意識はもどった、、瞬時にくれないの柄だけ握っていたのは分かった”安じ~”はどこに、、、バラバラとなって自分の前におちていたそれを見て固まってしまった、尚美、、”安じ~””と叫ぶ、、、
自分が撃ったピストルの弾を3発もはじかれ動揺したが、刀がバラバラになったのを見て勝ち誇りながら尚美に銃口を向けて「死にやがれこのあま~」、、パ~ン、、バッサ~、 、バタン、、バタン、そうだ二人の間に立っていた片山一斉、、久安が弾をはじいてバラバラになっのを見て約束を思い出したのだ、、それも御先祖の、そして素早く刀を抜くと二人の間に割り込み袈裟切りで切り込むと同時に弾を胸に受けてしまった。相打ちというやつだ高倉は一刀のもと絶命、、
一斉は「じじ~、、、お前と、、との、、約束、、は、守ったぜ、、」と笑みを浮かべて絶命、、、
そこへやくざ同士が騒いでると連絡が入りピ~、ピ~、ピ~と笛を鳴らして20名程の警官隊がなだれ込んできた、、、、
龍三だけその場に残り子分たちは一斉にバラバラに逃げ帰った、、、見たことを誰に話そうかな~とウキウキしながらだ、、
尚美はバラバラなった刃の中で15~6cmのほどになったものを拾うとハンカチにくるんだくれない柄は上着の中に隠した。、、、
自分はこの事には関係ないふりをして春ちゃんを抱き寄せ、二人で泣いた振りをして被害者づらをしながら警察官に関西ヤクザにさらわれて大変でした、、と、、かわいい猫に化けた
淀川会の連中は口が裂けても尚美にやられたなんてことは言わないよ、、連中もプライドはあるからね、、女にやられました、、、なんて言って警察に泣きついてみろ、、、この世界では生きていけないよ、、片山一斉が裏切ってみんなにケガをさせた事になった。
そんな事で東京の淀川会は解散となり、、春子ちゃんの誘拐に関わった若頭補佐の権田寅吉 猪熊権蔵が逮捕された。若頭高倉安吾死亡、、、用心棒片山一斉死亡東京にいた子分ほぼ全員が骨折負傷、、、次の朝この事を知らない親分河田金五郎以下、手練れの子分100名連れて夜行列車で上野についたのである、、そして代官山に来てみたら東京支部が壊滅、、近くの売春館も警察の手入れが入って関係者が逮捕、、、あほずらして大阪にまた帰ったのである、、
そうだ、、尚美の言った通り、、ケンカは考えていたら駄目だ、、勢いだ~、、、それは藤堂組の教訓となったのである、、、、、
つづ、、、かない、、
”尚美”
日本橋の骨董屋さんで頼んだものができて来た一つはくれないの柄にたけみつを作ってもらった、それを鞘にいれると部屋に飾った。もう一つはフフフフ
今日がその日だ、、待っていたわよ患者14歳、女の子、盲腸の摘出手術、、、
”儂は目覚めた、血だ、それも儂が大好きな少女の血だヤッホ~ え、、儂は
確か銃に撃たれてバラバラになったのでは、、、と思っていたら尚美の右手に握られている、、あれ、、ちいさくねぇ~、、、まぁこれでもいっか~
そうだ尚美は折れた刃を加工してもらい外科用のメスとして”安じ~”とまたいっしょになったのさ、、、、
つづく、、、、、