第21話 フリーランス・サリバン尚美 初出勤
いつも読んでいただいてありがとうございます。 これから日帝大医学部の医局や附属病院の手術室などのお話しがいろいろ出てきますが。時代にそぐわない物や、都合のいいような展開になるかもしれません創作と言う事でサラ~~と流して楽しく読んでください。
それでははじまり、はじまり、、
”中村教授”
先程、話があると私のところに上杉先生がきた。彼から渡されたレポートには「水銀血圧計による血圧の目視計測による考察」と書かれた論文の下書きであった。
私はこれを読んでいくうちにて手が震えて来た、心臓が送り出す血流の最大圧と最低圧が水銀血圧計という物を使うと非侵襲で計測できるということだ。
、、”これは世界ではじめての発見だ”、、、
循環器系の研究する者にとってポンプである心臓が体を循環する血液を送り出す時の最大圧と送り出した後の最低圧が数値として計測できるということだ。
さらに高血圧は、心筋梗塞・脳卒中を招く動脈硬化や腎臓病等の発症に関与していると考察を加えている。つまり患者が抱える疾病、持病をこの数値から推測できるというのだ。これはおもしろい、いや~ぜったいおもしろいこんな事は世界ではじめてだ。最高血圧の標準値を決めそこから危険度のランク1~4ランクまでの指標、患者に健康に関する意識を高める運動にもなる。そして、それが正しいか私に精査してほしいといってきた。さらにその内容を学会で筆頭研究者として論文を発表してほしいといってきた。それじゃまるで私が発見したことになるじゃないかといったらそれでもいいと言う。それに聴診器と血圧計を組み合わせた血圧の測定方式の基礎理論 ”ナカムラ音法”と命名して下さいと書いておる。
来年11月に退官する私に、上杉先生が、、最後の花むけに、、私の名前つけた測定方法、、、、、、これを世界中に発表し後世までナカムラ音法が残ると彼はいってくれた。
私は彼がそこまで優秀な男とは思っていなかった。実直で研究熱心なだけのつまらない男と思っていた。しかしこんな基礎理論を考えていたとは。わたしもこれが精査して問題なければなにか報いてやらなければならない。
それとお願いがあるといっていたが、無給でいいので知人の英国の公爵家に養女として育ち、あのオッ〇ス・フ〇ード大学医学部で学んだ、おなごを助手にしてこの理論の精査していきたいと言ってきた。他にも診察のお手伝いや手術のお手伝いをしたいといっておった。なんでもどこにも所属しない医師”ふり~らんす”とかいっていたな~ それはなんじゃ~ おなごの考えることださっぱりわからん、、無給で一人研究者が増えるだけだ、なにも問題はない、しかし無給はかわいそうだ、月3円の俸給をだすか、、、
(な~に~さっちゃんよりやすい給与かよ~~」幸子以下の、、ドクター尚美
あとは顔見せの一席で本人の確認すればいいだろう、明日の夜、銀座のすき焼き屋を予約しているとか、、、、肉はひさしぶりだ、、楽しみだ、、、
”結城のパパ解説”
1905年、ロシアの軍医ニコライ・コロトコフが、カフ(腕帯)で上腕の動脈を圧迫し、続いて減圧したときに生じる血管音(コロトコフ音)を聴診器で聴き取りながら血圧を測定する方法を発見しました。これが、最高血圧(収縮期血圧)と最低血圧(拡張期血圧)を客観的に測定する初めての方法とされる、「コロトコフ法(聴診法)」の誕生でした。これが現在の血圧測定法の基礎になります。
”結城”
昨日の銀座でのすき焼き接待はうまくいったぜ、俺は五条商会の社長としてこの水銀血圧計の開発者、クリストファ・サリバン尚美は医師として上杉先生の助手として売り込み、ネコをかぶり「にゃん、にゃん、にゃん」と中村教授をよいしょして俺たちが作った。偽書類を信じて翌日にも医局の客員医師として採用の手続きをとるから4月1日から出勤をして後は上杉君に任せるということになった。水銀血圧計を自分で使ってみると目の色が変わった、すぐにこの水銀血圧計の有効性を確認するため自分が会長となり、全国の同門医師や内科や婦人科など他科から有志を集めて血圧研究会を立ち上げるといってた事務局も立ち上げ会費を集めて水銀血圧計を購入するから150~200台程用意してくれとも言われた。そして上杉先生には副会長になって私をサポートしてほしいとっいてくれた。最後は彼に耳打ちして「9月の人事異動は楽しみにしてくれ」、、、、と言った。、、、チームくれないの作戦通り、、、、
中村教授にさんざん飲ませてから、姉さんは化け猫に変わった自分に都合の良い勤務条件をこれでもか~と書いた。雇用契約書を用意してあり、よっぱらった教授からサインと持参した朱肉に先生の親指を借りてりっぱな拇印をそこにギュと押したのである。
(ギャオ~~ギ~ャオ~~)化け猫尚美のしてやったりの雄たけび。
五条商会がこの血圧計の販売元として窓口をすることになり、すぐにこの事を渋沢先生に言うとこれも商工会に回してくれないかと頼まれた、こっちこそ人がいないのでお願いしますといった。まだまだこれは売れるからすぐに残り分をお願いしこれも国際特許申請をお願いした。これが五条商会2発目の製品となった。
点滴療法を広げるため渋沢先生から職人さんを紹介してもらい、次の医療器具の製作を始めた。引っ掛ける金具がついた点滴用の300ccガラス容器と、ゴム管途中につける真鍮でできたクレンメのローラー、ガラスのチャンバー、血管に輸液を入れる為の静脈留置針を各種サイズ、生理食塩水をいれて保管する熱に強い250ccガラス瓶を、点滴を吊るすガートル台もつくった。これは上杉先生の外科学会発表用の準備となる彼には血液型の論文も用意してある。
(その職人はその後、医療器具製造メーカーの社長としてこの先大躍進することになる。)
4月1日 帝大医学部第二外科医局
”第二外科医局、医局長高橋勝次35歳第二外科エース 医局の親分”
窓際の上杉先輩が今日から英国籍の女医を助手として連れてくるといってた。なに~窓際のくせに助手だって、、100年はえよ~てめはもう秋の移動でよそにでもいきやがれ、教授からは客員医師としてこの医局で働くと連絡があったが女の医師だってなにいっていやがる! 切った張ったの生き死にを預かる男の世界におなごはいらん。お茶くみや医局の掃除にみんなの御用聞きに使ってやるぜ。おなごはそれが仕事だ~それでもだめなら手術で患者の腹の臓器をみせて失神させてやる、フフフ~楽しみだ。それと子分達で尻や胸でもいや~というほど触りまくってやるぜ、何十人もの看護婦の尻を触っても騒ぐおなごはいね~ぜ、おれらに触られるををまっているのさ~~
(あ~あ~君、君もう死んじゃったネ)あきらめる尚美パパ
そんな薄い引き戸の向こう側には上杉先生とサリバン尚美が立っていた。
””お昼が楽しみ さっちゃんが作ってくれたお弁当なにが入っているのかな~~ルン^~^ルン~”
まったく相手にしていない。サリバン尚美が立っていた、、、、、
”第二外科医局、医局長高橋勝次、筆頭に15~6名の医師とインターンを前にして立っている上杉先生とサリバン尚美先生、、、
”サリバン尚美”
「初めまして~クリストファ・サリバン尚美、オッ〇フォー〇大学医学部卒業で~す。今日から~皆様といっしょにここで働くこと~になりました。よろしくお願いしま~す。」にゃん、にゃん、みゃ~と猫の皮を被った尚美が挨拶をした。
「それでは~私が~働く勤務条件を伝えま~す、よく聞いてね。」
そう言って上杉に用紙をくばらせた。
そして上杉はあれを読み上げた。
「医局医師への敬語挨拶」
尚美「いたしませ~ん」
「朝、早くきて医局内の掃除」
尚美「いたしませ~ん」
「医局の先生がたへのお茶くみ」
尚美「いたしませ~ん」
「お昼の店屋物の注文とり、」
尚美「いたしませ~ん」
「手術の助手」
尚美「いたします!」
「手術を代わりに執刀」
尚美「いたします!!」
「失敗した手術のリカバリー」
尚美「絶対、患者を助けます!!!!」
「治せないと思った患者を再診察」
尚美「いたします!!」
「すき焼きの食事のお誘い」
尚美「絶対いきます。!!!!!」
(最後の返事はとっても元気がよかった。銀座のすき焼きにはまり、また食いたくて食いたくてしょうがいない。)肉食系尚美
口を開けてたたずむ医局長高橋勝次、筆頭に15~6名の医師とインターン
ちょっとだけ時間がとまった。第二外科医局であった。
つづく、、、、、、、