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第10話  幸子  その2

いつも読んでいただいてありがとうございます。



それでは、、はじまり、、、はじまり、、、

”幸子”


朝、愛子お嬢様が起きて来ないので奥様から“様子を見てきて”と言われて、お部屋に伺ったらひどい汗をかかれて苦しんでいた。おらは慌ててお嬢様のそばさよったら右腕から変なにおいがして赤くなっていただ。


昨日ケガをしたと言って水で洗って薬を塗っていただが、少し腫れているようだ。おらはこれと同じケガさ見たことがある。おらの5歳になった弟が裏山で足にケガさして泣いて帰ってきた。おらが井戸の水で洗って手ぬぐいでしばってやただ。おっかあは、んなものなめれば治るべと相手にしなかっただ。弟は夜なかになって急に足ばいて~ 足ばいて~といって真っ赤な顔で汗ばいっぱいかいて泣いてただ、


その時の臭いとおなじだべ、朝になってらハァ、ハア、と苦しそうに息をしてネエチャン、ネエチャンといっておらのこと見てただ、おっとうとおっかあは田んぼの仕事さいってしまっただ。おらの家は食べていくのもやっとな貧乏な家だべ、お医者様なんか遠くの町までいかねんとなんね、


おらは手ぬぐいを井戸の水で濡らして弟のあたまさかけただ、弟がひからびたくちびるでみ~ず み~ずが飲みて~と聞こえるかどうかの声をだしただ、おらは急いで井戸さいって水をひしゃくさいれて弟のところにもっていっただ。んだばもう弟はもう息ばしてなかった。さいごの水をおらは手ぬぐいば濡らして泣きながら弟のくちびるを拭いてやたっだ。



これはその時のにおいとおなじだべ、おらはいそいで奥様のところさいって「奥様、たいへんだべ お嬢様がわるい病さなってうなされているべ、いそいでお医者様に見てもらうべ」そういうと奥様がお嬢様のお部屋に様子を見に行った、それから旦那様もやってきて慌てて電話を掛けてお医者様と話し午後に列車でくることになっただ。 



夕方、台所でめしさ食っていたら奥様がお嬢様の着替えを風呂敷にいれてもってきただ。おらにお嬢様のところにいってつきそってくれといってきただ おらも心配だったんでいそいでめしさ食って、生まれて初めて人力車に乗っただ。すぐにりっぱな洋館ついたらそこに旦那さまがいて「幸子、悪いが今日は愛子のそばについてめんどうみてやってくないか。」というので、おらはうなづいた、そとで鼻歌を歌いながら昼間みたおなごが腰にてをあててへんなあるきかたでやってきた時、みんなが目をそらしただ、おらも見てはなんべと思い小さくしていただ。そうしたらお嬢様の様子を見ると言って部屋にはいった。変なおなごだとおもった。



昼間みた背が高いあんにゃが「できたよ~」といってへんな容器にはいった食い物をもってきただとってもいいにおいがして旦那様が、うまい、うまいといって食べていただ、もう一つ持ってきて「ねえさんは時間がかかりそうだから幸子ちゃんどうぞ」といって前の台においただ。おらはめしは食ってきてたが

このにおいばかいだら、よだれがでそうになった。割りばしで一口くったら、たまげるほどうまかっただ、こんなもんいままで食ったことねえだ、死んだ弟にもくわしてやりたかっただ。おらはゆっくりゆっくりこれを味わっただ、、、

 



 ”渋沢先生”


うまい、うまいと言って食ったあのカップラーメン、結城がおみやげといって一箱くれた、災害備蓄品で地震や災害の備えとかいって、いっぱいあるからどうぞと未来ではこんなうまいものをお湯をいれるだけで食えるとはいいところじゃな~と思った。


結城とこれからのことをはなしている時に、あいつはおもしろいことをいっておったこの国は大きな産業がないからできる事からがんばらないとだめだろというとった。


そのために家内工業の裾野を広げて得意な分野の技術力をあげてその製品を集めてさらにいいものを作る、分業のようなことを儂にいうとった。それで今この時代にないものだが数年さきにはでてくる商品で、今の日本の技術で作れる物をいろんな国に売ってみたいといってたわ、


尚美が儂に渡したこの、たしか卓上水銀血圧計もあと5年したらでてくると言っておったわ、これなんかは容器と布とゴムと水銀と硝子の筒とかは結城の言っておった分業作業でまとめて数を作りコストを下げて世界中に売ってやるといっておった。、、血圧の数値で血管の病気がわかるとか儂もそれは便利だと思うわ。



あと結城が集めておったこのジッポーとかいうオイルライターとかいうとったがこれは便利なものだと儂は思う。真鍮の容器とフェルトと火打石、フロックなんとかいうとったがこれもライターとういう言葉は1903年にならないとないそうだ。りっぱなライターができるのも1913年といっておったわ、


風が吹いても消えないという事でこれができれば絶対、儂もこうちゃる。これも今の技術でつくれないかときいてきたがなんとかなるんじゃないかな



結城の集めたこの無地のジッポーの表面に龍とか花とかなんか日本らしい簡単な彫金をしてくれというとった、見本に使うといって5ヶ儂に渡したが、4日で間に合うかのう、彫金師の佐平に頼むか、あいつは腕は確かだからな、結城は付加価値とかいうものがつけばこちらが商売で有利になるとか言っておったからな 結城は本当に面白いやつだ、まだ、まだネタがあるから楽しみにしてろと生意気な事をこの儂にフフフ、、



さて帰ったらこのラーメンあと2ヶは食べようかな楽しみだ



(先生お太りになりますよ、、)尚美




 ”結城”


先生が帰ったら、姉さんはさっちゃんの事を鬼のような顔で見ているが、さすがさっちゃん、まったく気にしないでうまそうにラーメンをくっているな。



「姉さん、ほらそこにまだあるから、座ってお湯をもってくるから」

といって俺は姉をなだめた。



「早く~つくってよ~」と姉は腰かけた


”おまえは子どもか!!”


そう思いながら俺は姉のラーメンを作ってやった。



俺はさっちゃんの寝床を作る為、リネン室からシーツと枕と毛布、薄いふとんを

もって愛子ちゃんの隣のベッドをメーキングしてあげた。


愛子ちゃんはぐっすり眠っていて部屋の照明を消した。


さっちゃんも連れて行ってベッドの場所を教えたら、トイレに行きたいというので待合室の脇のトイレに連れていった。 


男の俺が女子トイレにいって使い方を教える訳にいかず、姉さんにSOSの顔

してみたら、ラーメンを口にいれながらプイと横をむいた。  


”ほんとうに子どもかよ”とあきらめた。


今晩は姉が点滴調整と採尿バックの確認で2時間おきに様子を見にいくから待合のソファーで休むそうだ。


俺は自分の部屋にもどりベッドに倒れこんだら長い1日だったな~と思っているうちに意識がなくなった。




 

つづく、、、、












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