ダグラス:ダンジョン攻略
■Side-ダグラス
全員で、一度ニバンメに帰る。
各自装備を解いて、酒場に集合した。
「この中で、ダンジョン攻略の経験があるのは誰だ?」
「僕は無いよ?」
と、サム。
「私も無い」
耳を興奮ぎみにピコピコさせるペンギー。
ダンジョン攻略にテンションが爆上がりしているのがよく解る。
「簡単なダンジョンなら十回以上は……」
ちょっと控えめに、レジーナ。
やはり、あなたが神か。
「頼もしいな。後は、ダンジョンの情報と準備か……」
「えっと、それはもう調べてあるよ?」
もしかして、未来予知者か何かか?
「えっ……なんで?」
「カタンに行くって聞いたから?」
レジーナ、優秀すぎる。
彼女はなんでも無いことの様に、羊皮紙をテーブルへ広げた。
「この辺りで一番大きいダンジョンとなると……これかな」
カタン地方の地図が広げられ、そのうちの一点が指し示された。
それをみて、サムが口を開く。
「……死の洞穴」
「知っているのか?」
「ああ、この辺りでは有名な……特にゴブリン病を発症しやすい地域だ」
これは、確定的だな。
「準備ができ次第、俺たちは死の洞穴を攻略する」
「分かった」
と、ペンギーが即答。
「ペンギーちゃんとサムさんの分は、私が用意しておくよ」
レジーナは、いつも気が利く。
確かに、俺も最初は何を準備すれば良いかさえ解らなかったな。
俺たちをみて、サムがゆっくりと頭を下げる。
「みんな……ありがとう」
「サム、それはダンジョンを攻略した時にとっておいてくれ」
「ふふっ……解った。そうさせてもらうよ」
その洞窟は、樹海に埋もれる様にひっそりと佇んでいた。
入り口の半分は片側は川になっている。
触ったら絶対にヤバイやつだな。
「入ろうか、皆んな、私についてきてね」
松明を持ったレジーナが、パーティを先導する。
しばらくして、彼女が立ち止まった。
「どうしたんだ?」
「魔物の気配がする」
彼女は光源を絞って、より慎重に先導する。
俺たちは武器を構えてそれに続いた。
やがて、広い空間に出る。
「パレス・スネイルが……7体かな」
確かに、暗闇の先で大きな何かが動いているのが解った。
俺には暗くてよく解らないが。
「ダグは、真っ暗でも戦える?」
ペンギーが俺に問いかける。
その言い方からするに、彼女にはできるんだろう。
残念ながら、俺の強さは転生による物だ。
このリアルチート程の才覚は無い。
「……自信は無いな」
「光源は私が確保するから、みんなは気にしなくて良いよ」
至れり尽くせりだな。
「私のタイミングに合わせてね。……今!」
レジーナの合図で、全員、一斉に突入する。
即座に、広間へ光源が投げ込まれる。
おかげで、魔物を視認できた。
パレス・スネイルがきっちり、7体だ。
「うぉぉぉおおお!」
「がぁぁぁあああ!」
駆け抜け、ハルバートを振り下ろす。
ガラスの破れる様な音。
”ペネトレイト”が発動した。
一切の抵抗なく、パレス・スネイルの殻をかち割る。
そのまま、真横にいる魔物へ横なぎの一閃。
これもスキルが発動し、一撃で粉砕。
次は、と思って視線を向けると。
レジーナが最後の一匹と戦っている所だった。
「えいっ!」
彼女が懐から何かを投げつける。
それは当たると、白い煙を出しながら魔物を覆った。
すると、魔物は悶え苦しみ、萎んでいく。
「今!」
隙ができた所に、一閃。
頭部を、深々と切り裂く。
だが、まだ致命傷では無い。
「このっ」
危なげなく、間合いを管理しながら攻撃を刻んでく。
やがて、パレス・スネイルは動かなくなった。
やっぱり、レジーナの動きは見てて安心するよな。
肩で息をするレジーナに声をかける。
「おつかれ」
「はぁ、はぁ……見てたなら、手伝ってくれても、良かったんじゃない?」
「レジーナなら、これぐらい余裕だろ?」
俺の言葉にペンギーが続く。
「良い戦いぶりだった」
ペンギーは、自分のやりたく無いことは絶対にやらない。
それはもう、マジで、本当にやらない。
だからこれは、お世辞では無いだろう。
レジーナは、自分のできる範囲を、熟知している。
その上で、一番、確実な方法を取っていた。
ペンギーの言葉に、サムも頷いて言葉を返した。
「ああ、熟練の冒険者って感じだったね」
「えっと、皆と比べれると私なんて」
「「「いや、この二人が異常なだけだから」」」
おい、嘘だろ。
なんでお前ら、自分は標準ですみたいな顔してやがるんだ。
ちょっとは自分の異常さを自覚してくれよ。
再びの、日刊入り!!
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今後も、よりより物を届けられる様、頑張らせていただきます!





