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 時はきた。

 今や、大規模な暴動が帝国中で発生している。

 皇帝は事態収束の為、大罪剣を各地に放った。


「首都を落とすぞ」


 会議日の円卓で、宣言する。

 俺の発言に、ブルーノが答えた。


「短期決戦という訳か」


「そうだ。反皇帝派の取り込み状況はどうなっている?」


「戦力を総動員して、大罪剣、二名の拘束は確約できる」


 大罪剣は六人。

 うち一人は、砦で拘束している。

 残りは、三人か。


「首都に残っている大罪剣は二人だったよな?」


「ああ”強欲”と”嫉妬と憤怒”だ」


「短期決戦で解決するなら、最後の一人は無視しよう」


「決行は何日後だ?」


「準備が整い次第だ」


「ここから首都ならそう距離はない……明後日には出れるぞ」







 荒野の中、遠くにスタアトの防壁が見える。

 首都の防衛は、凡そ1万。

 俺たち、革命軍は3万。


 際どい戦いになるだろう。

 それでも、今しかない。

 俺には、前世の……初歩的な歴史知識がある。

 その知識から考えるに、このタイミングが。

 唯一、革命を綺麗に終わらせる事ができる。


 大群を前に、拡声機の魔道具を持って立つ。


「武器を取れ、市民らよ。隊列を組め、進め、進もう! 汚れた血が、我らの畑の畝を満たすまで!」


 指揮棒を振り下ろす。

 大群が、波の様にスタアトの街へ攻め入る。


「進め! 進め! 進め!」


 ちなみに、ペンギーは最前線に行った。

 心配していないと言えば、嘘になるけど。

 まあ、ペンギーだし、しょうがない。

 今ごろ、前線の兵士を戦慄させている事だろう。









「皇帝グンテ、捉えました!」


 急報が本陣へ届く。

 開戦から数時間後、革命軍は多大な損害を出しつつも防壁を突破した。

 今は、グンテの屋敷に雪崩れ込んでいる。

 ここまで、大罪剣は出てきていない。


「連れてきてくれ!」


 程なくして、縄で縛られた人物が本陣へ連れてこられる。

 水中ゴーグルみたいなサングラス眼鏡に、極彩色の袴。

 確かに、闘技場でみたグンテのファッションだ。


「……」


 グンテは、何も喋らない。


「お前が……グンテか?」


 ブルーノが、グンテに語りかけるが、彼は何も答えない。

 ものすごく、嫌な予感がする。

 俺は無言で、グンテの眼鏡を奪い取った。


「……ハロルド伯爵」


 おい、マジかよ。

 この状況で、自分の街を見捨てて、仲間を犠牲にして。

 普通、逃げ出すかよ。


 あまりの衝撃に、しばし呆然とする。

 不意に、ブルーノが声をかけてきた。


「しかし、逃げ出したのであれば……革命は成ったと見て良いのではないか?」


「ダメだ」


「グンテにはすでに、力も、名誉も、信頼もない。逃げ延びたとしても、何もできまい」


「ダメなんだよ! 皇帝という肩書きが、亡命でもされれば、確実に隣国の干渉を招く! 終戦が、数年は伸びる!」


「……!」


 俺の怒気に、ブルーノがハッとして、直ぐに指示を出した。


「街外に斥候を出せ! なんとしても、皇帝グンテを見つけるんだ!」

三章も、そろそろ折り返し地点ですね

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