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ペンギー:新しい武器

■Side-ペンギー


 うん、何ていうか、すごい、恥ずかしかった。

 一年前まで、ダグとは毎日会っていたし。

 尊敬はしていたけど、まだまだ子供だと思っていた。


 一年立って見る彼は、何ていうか、もう立派な青年で。

 ダグ、成長早すぎない?


「ペンギー、ちょっと来てくれるか?」


 外では、私が数日前に歌った歌が流れている。

 しっっっっかり魔導具で録音されていたらしい。

 今ではみんな歌ってる。

 恥ずかしいんだけど……。


「え? うん」


 なんというか、ダグとの会話はまだちょっとぎこちない気がする。

 ダグに呼ばれてついて行くと、裏庭にたどり着いた。


 そこには、見覚えのあるドワーフ。

 アーノルドだね。

 私の防具を作った人。

 なんでか、青い顔をしている。


「ペンギーが使っていた大剣あっただろ? あれをアーノルドさんに頼んで鍛え直してもらったんだ」


「た、確かに、鍛え直したのはワシだ。だ、だがな、戦鉄の武器は、武器自ら、形を決める」


 彼の腕には、大きな木の容器がある。

 多分、あの中だね。


「知ってる」


「そ、そうか……。その、怒らんでくれよ?」


 彼はそういうと、私に入れ物を押し付けて、サッと距離を取った。

 えっと、これ両手で持たないとだから、渡されても蓋、取れないんだけど。


「ダグ」


「おう」


 タグに頼んで、一旦、箱を持ってもらう。

 よいっしょっと。


「……」


 そこに入っていたのは、奇妙な大鉈だった。

 全長は150cmぐらいかな。

 刃に対して、内向きに反っている。

 肉厚な刀身は二枚構造になっていて、鋭い刃を挟み込んでいた。


 これが、武器への表現として正しいかは解らないけど。

 ラムチョップみたいな形だね。


 そっと、大鉈に手を触れる。

 質感はざらりとしていて、まるで石みたい。


 アーノルドが怯えている理由が、よく解った。

 安心させる様に、なるべく優しく声をかける。


「大丈夫、怒ったりしないよ」


 大鉈は、私が前世で一番得意だった武器だ。

 そして、私が使ったから、世界で一番不人気になった武器。


 大鉈を手に取る。

 魔力を吸い上げられる感触に、逆らわず流し込んでみた。

 持ち上げた時に違和感があって、この武器のスキルを理解する。


「ちょっと、振り回してみて良い?」


 場所に裏庭を選んだぐらいだし、良いと思うけど。

 私の質問に、ダグが二つ返事で答えた。


「もちろん」


 まずは、一閃。

 空気を切り裂き、大剣の様な遠心力の乗った一撃。

 次に、一閃。

 今度は短剣の様に、コンパクトに、鋭い一撃。

 大剣、短剣、剣、大剣。

 一つの武器で、色々な斬撃を行う。


「どうなっているんだ?」


 一通り振り回して満足した頃、ダグが聞いてきた。


「この大鉈、魔力操作で重心が動かせる」


 一見すると、地味な能力に思われるかもしれない。

 だけど……ある程度、武器の扱いに精通していれば。

 この武器の凄さがよくわからると思う。


 この武器は、大剣であり、長剣であり、短剣であり、そして最後に大鉈である。


「それは……凄まじいな」


「そうでしょ?」


 私は大鉈を鞘に収めて、背中に背負う。

 正直、鉈武器は避けていたんだけど。

 一年間、私と苦楽を共にした大剣が、自分から鉈になったんだ。

 

 その気持ち、受け取ったよ。


「アーノルド」


「お、おう……」


「ありがとう」

ラムチョーップ!!!

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