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遁走

 高麗人参……。

「……」

そっかー、高麗人参かー。

「……」

いや別に人参なんて今どうでもいいんだけど……。

「……」

ちょっと待てなんかじわじわ近づいてきてないか。

「……なあ、どいてくれないか。学校に遅れる。っていうか遅刻寸前なんだが」

「……」

「人参欲しいんなら八百屋でもスーパーでも行けばあるから」

「……」

ついでに言うと俺んち人参売ってないから。

「……」

「……」

……完全膠着状態。いっそカバンで殴るか。傷害罪で訴えられるかもしれないからやめとこ。

「あのさ──」

ガシャン!突然ガラスが割れる音がした。隣の家からだ。

「……!?!?」

ラッキー、未確認生物ビビってる。このチャンスを逃す俺じゃない。取る行動はただ1つ。

「じゃっ」

全力疾走ゴートゥースクール。点滅する信号を駆け抜けろ!

「逃げるが勝ち、ってな!」

 ………………………と一瞬でも思った俺がバカでした。

「……」

なんで!なんでついてきちゃってんの!無表情追跡者爆誕しちゃってるよ!

「ついてくんなあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

行く人々が5度見する。頼むから見てないで助けて、見知らぬ近所の人!助け合いの心ぉ!

 願い虚しく。……というかまあ当然?誰も助けちゃくれなかった。誰だってあんな妙ちきりんな奴と自分から関わりたいだなんて思う筈がない。まあ、なんか校門から先には入ってこなかったし?チャイムはまだ鳴ってないし?いっか。

 朝っぱらから超絶級のミッションクリア。……疲れたし今日1日分頑張ったし、寝ていい?

 ……授業開始速攻突っ伏したらチョーク飛んできた。くそぅ。

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