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【エター】新興VRMMO記【ビクトリア】  作者: 松田勝平
第七部 西方戦線編
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エピローグ 決戦前夜



 1.バゼリ王国-首都-エノワ-酒場



 ───その日、凶報がこの街を包み込んだ。



「アスガルド滞在の攻略組が…全員死亡か行方不明…!?」


 年端もいかぬ少女はつい声に出す。


「───あぁ、そうらしい。」


 黒い髪の少年は刀の手入れをしながらそれに返した。


「なんでも、《水銀冠》と言うギルドがやったと犯行声明を出している。」


 その言葉に少女は反応した。


「《水銀冠》…【組織】にいたタイト君なら何か知ってますか?」


「いや、知らない…。エル、お前の方の情報屋は何か言ってなかったのか?」


「言ってたらこうも驚きませんよ…。最近は助手の仕事も無いから、タイト君について行ってたのが仇になったかも知れませんね…。」


「ほー、なんだ?喧嘩なら買うぞ…。」


「いえいえ、私は貴方のようなバトルジャンキーではありませんので…。実際、やってたのも討伐依頼だけでしたし…。」


 そう言いながらも彼らは同じ方向へと進み出す。


 そこには、良き出会いが待っているだろうから、と。



 2.バザリ王国-《剣の騎士》-ギルドハウス-



 ───先輩たる彼らが出て行ってから、一日は経った。


 元から広かったが、過疎が起きている為、さらにギルドハウスが広く見えた。


 クフリンさんはまた任務だと言って帰ってこないし、ギルマスに関しては連絡がつかないらしい…。


「…討伐依頼でも、やるか。」


 ソファから起き上がって、剣を抜く。


 VRなんだ、冒険しなければ…。



 そして、外に出る。


「…一体どうしたんだろう、この騒ぎは。」


 一様に空を見上げる御同輩、それに続くと───。


 ───そこには、空を埋め尽くすほどの巨大なる"巨竜"が空を飛んでいた。


「せ、戦争でも、始まるのか…!?」


「…あっ、なら、王様に言わなければ…!」



 青年は駆け出す。

 この世界に居る目的を、ようやく見つけ出したから。


「右も左も分からないけれど…。」


「せめて、ここの王女様をなんとかして守らないと!」



 3.未開拓地-星の始原-


 空は、青く、暗く。


 地は白く、枯れ果てる。


 どこまでも広がる、宇宙の荒野。


 そこで暴れるのは、"魔物"。


 三メートルほどの青いタコもどきから際限なく絡みつく触手を振り払い、その巨体にて圧倒する。


 全身鎧で身を覆ったその姿からは種族は特定できないが…。


 竜の頭を模した兜から覗くその角は、彼がミノタウロスであることを示す。


 最強の牛鬼、ミノタウロス。


 彼は、フスー、と息を吐き出すやいなや───。


「【剛撃(バスター)】ッ!!」


 二刀の刀による回転切り。


 一撃で彼の周囲にいた生物とも形状しがたい物体は、粒子へと消えた。


「───…おっと、こんな所まで来ちまったか。」


 彼は刀についた白い血を払うと、それを納める。


 そして、携帯端末を取り出した。


「えーっと、『放浪者達の王』攻略決行日は…三日後!?」


「後輩共は何をちんたらやってやがる…。」


 彼の名は、ウェーカン。


 攻略組トップクラスの開拓者。


「───え?マジ?対人戦に慣れてないせいで…負けた、だと。」


「アスガルドが、地上にいる緩い奴らに制圧された?」


 最前線にいた彼にとっては、それは驚愕の知らせ。

 致命傷を食らったかのようなショックを受ける。


「…馬鹿かあいつら、よし、奪還ついでに根性叩き直してやる。」


 竜の兜から覗く赤い眼光。


 一度の踏み込みにて十里を楽々と駆けるその韋駄天。




 並々ならぬ波乱が、アスガルドへ訪れる。




 4.『クロノス』管理施設



 アスガルド-ナイトケ地区にて管理されるナイトケの軍人が持ち帰った魔物生産・改造の戦略兵器。


 そこは既に、《水銀冠》により制圧され、この『クロノス』も、構成員達により、解析されようとしている…。


「…なんですか?この紫色の光は…。管理資料には、無かったはず…。」


 『クロノス』の見かけは頭部が竜の巨人である。

 何故か、それは紫色の光を全身から放っていた。


「研究員殿、調査するならば俺が。」


「…カール君、私はシオンでいいと…。」


「そうも行きません。俺は一端の戦闘員、貴女は研究者なのだから。」


 彼らは、ガラス窓からそれらを覗く。



 それの胎内にあるモノが、【魔神王】であるとも知らずに。




 5.《水銀冠》本拠点-アスガルド中央部-



 冠を被る少年。

 側に控えるは彼の従者。


 その身は軍服により統一されており、規律を重視しているのが窺える。


「護衛軍ファリンより、現在、我々の奇襲によりアスガルドは全制圧を成し遂げましタ。」


「護衛軍クガンより、調査の結果、アスガルドから"外"へと続く"橋"の存在を探知しましタ。」


「…分かった。これから君達の任務は死なない事とする。」


「迅速に戦況を把握し、独断でもそれを改善する為に動いてくれ。」



「「ハッ!」」


 すると二人は立ち上がり、一礼してからこの部屋を退室した。



「マーメイ、───"地下"はどうなっている。」



 一声、少年…ユシュエンが声をかけるやいなや、即様彼女は側に現れる。


「…総帥の仰った通り、【攻略組】は、誰も手をつけてはいませんでした。」


 軍服より、調査報告書をユシュエンに提出した。


「中に存在したのは、現在発見されていない【スキル秘伝書】と思わしきモノです。」


「調査はまだ終了していませんが、今の時点にて、34種程、数は量産方法でもあったのか、種によってまちまちですが、殆どが九〇〇を超えています。」


「───興味深い。して、何故それが、スキル秘伝書と"思わしき"なんだい?」



「表紙の色が違います。それと何か従来のモノと違うのか鑑定も啓示も断片的な情報しか出ません。」


「そうか、作業が進捗次第、僕に教えてくれ。」



「…では、失礼いたします、総帥殿。」



 …ガタリ、と扉が閉まる音がする。


 明るいのに、暗い部屋。

 誰もいないとそう感じる。



「…水脈に巡らせた水銀に反応なし、本当に増援は来ていないのか。」


「虹の橋は報告によるとかかっていない…。問題は、アスガルドの中心に位置する"バベルの塔"。」


「そこから来る、未知のプレイヤー。」




 《王は苦悩する。》


     《愚者は機を待つ。》


          《冒険者は一様に会する。》



    《今こそ変革の時だ。》



 《前哨戦は、既に終わったのだから。》

 お待たせいたしました!今回は主に土台作りの部となっております。新キャラも多数現れましたね。


 新章に決戦は行います。はい、多分。


 …これから、投稿ペースの方は、これからもこのペースで投稿を行なっていきたいと思います。

 頑張らせていただきます。


 次の投稿日は、また身勝手な事情ながら、未定とします。しかし、二月下旬には投稿していきたいと考えています。


 どうか、【ビクトリア】をよろしくお願いします!

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