表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【エター】新興VRMMO記【ビクトリア】  作者: 松田勝平
第六部 真実の【ビクトリア】編
87/117

エピローグ 【黎明抗争】



 1.心理領域



《………待機中…。》


《……指示受託、心理領域の作成。》


《意識のみの空間を作り出します───。》





 ……ぱぁっ、と、色が、戻る。




 だが、意識は、はっきりとは、しない。





 …そうだ、確か、俺は。

 なら、これは成功した、と言う事なのか…?



 …やらなければ、ならない。


 多分だが、アフラは、いや、その仲間は───。



 俺を、アフラごと殺す───。





《…外部、損傷。》



 …もう、時間は、無い。


 俺の、目の前は、黒く染まる。





 ───しかし、これでいい。




 …じゃあ、後は、頼んだぞ。


 サラ。











 2.元街道





 荒野の中、街の瓦礫の中より何回も襲撃が起こされる、が…。




「【攻性防壁(カウンターシールド)】。」


 この男の魔術により出来た針は、砕いてもすぐ再生できる魔力。


 そして、速さもそれなりだ。



 目がある限り、対象を追尾し、攻撃はザスターの全周囲を囲む結界により通されない。



 この男は、対人戦、一対多において、最強と言っても過言では無い。



 だが、【組織】も馬鹿の集まりでは無い。


 テレポートされた時にザスターに殺されなかった者達は、物陰に隠れ、策を練る。


 そして、そう言った生き残り達は、次第に増えていた。




「…いくぞぉっ!!」


 鬨の声。


 一触即発。陽動部隊が飛び出した。


「「「「【剛撃(バスター)】ッ!!」」」」


 全ての者がナイフ、弓、剣を標準装備している【組織】の者達は、まず一斉に駆け出し、スキルを適用したナイフを投げる。


「「「「「【貯蓄(チャージ)】ッ!!!」」」」」


 そして、人間の壁の後ろに隠れる者達は、弓を引き絞る。



 これが、360°、そして大多数で行われるのだ。



「…っは、なるほど、だが…。」



「【(スター)】───。」


 【(スター)】…。

 『使用者が望む、"延長"を実現する。』


 『連続使用回数は、二回。』


 『チャージタイムは、三分。』



「───【王命(ヴィータ・レアル)】ッ!!」




 ───翠青の大鎖


 それらは、ザスターの手、足、至る所から現れ…。



「…なっ、ぁ…!」



 構成員達の手足を縛り付ける。


 さらに、【攻性結界(カウンターシールド)】を【勅令】のバフを無しで妥協することにより並列展開。


「「「「「【放出(バースト)】ッ!!!」」」」」


 手足を縛り付けられた構成員達ごと貫くように発射された撃滅の矢群を防ぐ事に尽力する…!



 ───だが、甘い。



 当然の如く、破られる。

 【スキル】が至上とされる【ビクトリア】で、あくまでも【ブースト】や【資源】とされる魔力単体にできる仕事は、少ない為だ。



 絶対、絶命。






「【暗殺短刀(アサシンズナイフ)】。」



 突如現れた猛然としたスピードのナイフは、ザスターの腹を貫き、つっかえているところを引っ張る。


 あまりのスピードにザスターへ転ぶが、あの必殺からは逃れられた、



「…ごほ、粒子、結合完了…。」


 哀れ、一撃で殺しきれなかったザスターを無傷で倒す手段は、構成員の中にはない。


 単純に、速さが足りない。


 そして、まだ牙は折れていない。


「───【攻性(カウンター)結界(シールド)】。」


 それは、速く、複雑に、複数にて。



 全てを虐殺せんと、追い続ける───。



「【放出(バースト)】。」


 予想外の第二波が第一波を放った者達ごと貫くかのように放たれた。


 結界には防御力はない。


 ならば、相討ち覚悟であれば、貫ける───。



「───いけませんね。」



 しかし、影から放たれたナイフが、弓を持つ方の腕を切り裂く。


 当然、命中点が地面へとずれる、ならば───。


 ───自爆、となる。



「「「「【放出(バースト)】!」」」」


 それをきっかけにして、彼らはスキルをがむしゃらに放つ。前にいる味方ごと。


 【放出(バースト)】の着弾後に起こる爆発とも言えるほどの衝撃の範囲は広い。当然の如く、周囲にいた者は巻き込まれる。


 それは、さらに奥に控えていた第三波、第四波もまた、同様のものである。



 そのため、これは構成員らが四肢を失う前の足掻きである。



 …ただ、その足掻きも馬鹿にはならない。


 荒野という瓦礫ほどしか壁が無い環境の中、ザスターの姿を視認し、多重に打たれた偏差射撃は、文字通り退路を消す。


 そしてザスター包囲網の一部は壊滅。


 しかし包囲網自体は壊滅していない。


 当然の如く、第二波が放たれ、偏差射撃の間を狙い撃つ。



 端的に言えば、ザスターは死ぬ。


 【王命(ヴィータ・レアル)】にて支配した構成員ごと、【放出(バースト)】を撃ってきた時点で、この結末は、決められていた。



 アガサが雇ったであろうミラも間に合わない。ナイフは腹に埋めてあるため、引っ張っての高速移動は出来るが、"推力"の問題では無い。


 単純に、密度が濃すぎる。




「がっ、あばっ!?」



 ズドドドドドドドッ!


 頭、腹、脚、そして背中。


 全ての臓器を貫いてなおあまりあるその憤怒の矢群は…。


 ───いとも容易く、ザスターの体を破壊した。




「…任務、失敗。ですか…!」


 ザスターが取られた。


 その事から、ミラは第二目標である構成員の壊滅の為に動く。




 …だが、しかし。


 彼は、確かに持つ者だ。


 ならばこそ、彼には何が必要か。


 炎とも、液体とも形容できる物質が、ポケットから落ちた。


 【魂を、食らう。】


 つま先から、それは薪を燃やす炎のように、ザスターの身体を縁取る。


 …システムサポート無しの、身体の補完。


 そして、"反応"を起こす身体。



 粒子に長けている彼だからこそ、【魔神王殺し(ディ・オーチーデ)】無しの"最大効率"にて発動させる事が出来た。



《紫色のウェーブが、周囲に広がる。》



《それは、破滅の予兆。》



 ───その時、紫色の大きい爆発が、全てを巻き込んだ。



 せいぜい数えて五千人程の人間の魂が、アーサーの時の比ではないが、それでも速く、スムーズに吸われてゆく…。



 【屍魂吸収(啜るもの)】。



 あらゆる者は死に絶え、吸われ尽くされる紫のドームの中…。



 ある一人の女は、この隙に乗じて未だ脈動し続ける肉塊を範囲外へと脱出させ、そして───。





 他の者とさして変わらず、蒸発した。






 ───全ての、火種は、此処に完結した。






    ───短き抗争は、此処に終わったのだ。






 3.《コロシアム運営》



 荘厳な、黄金の部屋。


 その中で、モトナリは考え込む。



「…才覚(タレント)。」


「他国のサーバーがいてなお、この私が知らないとはな…。」


「何か、カラクリがあるに違いない。」



 ザワルドの、"裏"。


「…だが、我々が探るべきは…。」


「確か、ザワルドを、アフラは成功例と言っていた。彼は、限定的でも確実性のある手段を得たと。」


 彼は、あの場で確実に、ルートを得ていた。


 12人の【魔神王】、そして───。


「───【勇者】の、代替。」


 【魔神王】が存在する限り、【勇者】はそれに引き込まれる。


 それが、パーソナルクエストの基礎を成す。



「……モトナリ!!」


「南方戦線についてだ!入るぞ!」


 突然、大きいノックの音が響く。

 ガチャリと雑に扉を開けて、入ってくる性別不詳の目だけ出した黒装束に身を包む忍者。



「…おぉ、ジンか。」


 この者こそ、モトナリにとっての鬼札。



 〈トップランカー。〉


     〈胸に秘めた野望。〉


         〈大きな山が、動き出し───。〉



    〈彼の計画は、人知れず進み続ける。〉



 4.……






 脈動する肉塊。


 それは、一度に収縮し、人の姿を取る。


 そして、その人物は、体慣らしにと拳を振り抜いた。




「…全てを、奪われた。」




 ───文字通り、全てを奪われた事。



「【隠者】も、ランクアップすらも。」




 それは、彼にとっては凶であったか。




「…我ながら、笑えるね…。」


「……ククク、はっはっはっは。」



 ───福音で、あったか。



「───また、同じステージだ、我が友たちよ。」



 判別は、明瞭である。



「…あぁ、しかし、いい気分だ。」



 〈待ち受ける群勢。〉


      〈宿業を背負う者たち。〉


               〈大戦乱の予兆。〉



 〈───止める"愚者"は、此処にはいない。〉





「僕の中のアーサーは、消えている。」

 重大な発表です。


 今まで読んでいただいた皆様には誠に勝手な事ながら、【ビクトリア】は【真実のビクトリア】編終了より【基本的に月一更新】とさせていただきます。


 番外編などは例外として息抜きに投稿させていただきます。


 あと、上記の理由としては作者のモチベが限界となってしまいました為です、更新を待たせてしまう事は申し訳ありません。(>人<;)


 次の更新は2020年1月内としております。


 具体的な日時は後々更新いたします。


 それでも宜しければ、是非とも【ビクトリア】を今後ともよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ