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【エター】新興VRMMO記【ビクトリア】  作者: 松田勝平
第三部 終末放浪編
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第6話 『魔物殺し』の本領




 1.教会





 ---俺は、かなり久しぶりにここに来ていた。


 …内部は戦闘の余波でぐちゃぐちゃになっている。あの時、あんなに【魔法弾】で牽制しあっていたからだろう。





「…さて、と。ザスターの研究資料とかが見つかってくれれば良いんだが…。」



 そう、今回の目的は、ザスターがここに残したであろう資料の発見と奪取である。



 …ザスターは、自身の持つ有益な研究資料を俺に教える事で『依頼をしている』、という体裁を保つとかなんだか言っていたが、それなら奴への協力者である『ミラ』にも一応は渡しているはずだ。



 ま、あいつが課金してしか利用できない『ダイレクトメール』を使っていたらおしまいなんだがな。






 ---見る限りでは、隠し通路などは見つからない。



 …まぁ、地道に探す事、十分。



 俺は瓦礫の中に、"小さな階段"がある事に気付いた。



 …サイズは平方一ミリ、とてもじゃないが人間が入れるシロモノでは無い。



 だが、周りを見渡しても他に入れそうな入り口は見つからなかった。



「…ミラは、『小さくなれる』スキルでも持っていたのか…?」



 …なんにせよ、もうこれは調査を断念するしかないか。






 2.ノルディア大橋




 …ここは、【バゼリ王国穀倉地域】と教会を繋ぐ大橋だ。

 普段は【テレポート】のアビリティジェムで飛んで行くのだが、『崩界事変』によって既存のアビリティジェム市場が壊滅してしまったため、節約している。


 …ふと、上空を飛び回って支配する『悪魔』達が目に入った。基本的に、魔物プレイヤーも元は人間だ、だから余り襲っては来ない。


 …それに、魔物プレイヤーが表舞台に登場してからは魔物プレイヤー同士のマッチング率も高くなり、俺らでいうところの『コロシアム』を行なっているようだ。



 ………橋を、通り過ぎた。





 3.【バゼリ王国穀倉地域】




 …俺は、次の魔王城『アビジャン』に向けて昔貯めた【スキル秘伝書】を1つを残して全て使用した。


 その数、任務当初から数えると9個。【筋力増強】【魔力増強】【敏捷増強】【視力増強】【魔力強度増強】【閲覧許可:C】などの身体や、もう使用していた【破却(ブレイク)】を除き、俺が新たに得たのは2個の手足だ。


 まず、【連撃(ツイスト)】に…っと。





 …間がいいのか、悪いのか。…俺は魔王城『アビジャン』に辿り着いていた…。


 レイザドさんへ連絡は、していない。












 4.魔王城『アビジャン』



 …ここは魔物の首魁の居城。


 仲間など要らぬ、と、入り口にワープゲートがあり、そこから直接魔王の間へと来ることが出来た。



「…貴方が、魔王『アビジャン』…!」



 金と赤で彩られたその玉座より彼女は動かず、尊大に振る舞う。





「….そうだ、我こそは魔王アビジャン。…そういう貴公は、客人と言った風貌では無いな。」





 ---シャキンッ!





 俺は刃先を彼女に向ける。


「…僕の名はスロット。どうかお相手願います。」


 …そう一気阿世に言い放つ。




 玉座に佇む彼女は、それにこう返した。


「…ほう、ならばよかろう。」



 全力で、お相手しよう---!




 …彼女が、そう言い放った直後に【魔砲】の煌めきが双眸に焼きつく。




 このゲームの遠距離職には二種類あり、一つ目は呪文を唱えて高火力を与えるもの、そして…







「---…《拡散》、《収束》…そして、《放出》!」



 ズォォォォォォォ…ッッ!!



 彼女の様に、大量の弾幕に指向性を持たせて相手を圧殺するタイプがある…!





「…【衝撃波(スパーク)】、【連撃(ツイスト)】ッ!!」



 ---ズォンズォンッ!!



 空中で剣を振ると、五つもの【衝撃波(スパーク)】が出てくる。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 【連撃(ツイスト)】…

 『このスキルを発動する前に使ったスキル又はスキルアビリティのダメージ量を〇.八倍する事により、連続使用する事が出来る。連続使用は5回まで出来る。(このスキルを適用して連続使用したスキルにこのスキルを再適用出来るのは、前適用時から三時間経過しなくてはならない。)』

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 …それらは全て、俺を狙っていた【魔法弾】と【魔砲】の一部を食い止める事に成功した。



 「【異形狩りの妄執(ベルセルクル)】、【悪魔殺し(ヴァプティズム)】、【魔法剣:煌撃(アルスター)】!」



 …さて、今回の戦闘では、【悪魔殺し(ヴァプティズム)】が決め手となる筈だ。


 【悪魔殺し(ヴァプティズム)】には一度傷をつけた悪魔族に永続的にダメージを与える効果がある。(死ぬまでだが。)


 …最悪、相手に傷一つつけて逃げるだけでも俺の勝ちだ。










      「アビリティジェム…。」








   「---【魔壁(ウォール)】!」









      「解放(リンク)!」




 【縮地】の効果だ。…イトウさんにワンパターンだと言われて考えたが、【縮地】はやはり背後に予期せず瞬間移動するのが最善例だと感じた。



 …このスキル程、初見殺しなスキルは無いからだ。初めて見たやつはどうあがいても次の攻撃を避ける事は出来ない!







    「【破却(ブレイク)】。」




     「【衝撃波(スパーク)×(コネクト)剛撃(バスター)】…!」




   「【<撃滅衝波(リーズ・スコック)>】!」








 …特大の閃光が、飛んで行く---!






「---ッ!?」






 彼女は、対応できない。むしろ当然。


 基本的に彼ら、弾幕型遠距離職は懐に入られないことを前提にした戦闘方法を編んでいるからだ。



 …まぁ、あらかじめ全方位に【魔壁(ウォール)】を展開していた抜け目の無さは驚異的だと感じた、が。





 …俺の、【<撃滅衝波(リーズ・スコック)>】による巨大な剣閃が、その【魔壁(ウォール)】を容赦なく食い破り、彼女の肉体を引き裂いた。





「……がぁっ…あ、…あがっ…!」






 彼女の腹、四肢、関係なく勢いよく飛び出すその血流は、城を赤く染めるシャングリラの光のよう。



 …もう、彼女の身体はひき肉と比べても大差ないところがあるように無残なものだった。





 …続いて虫食いの様な白色が広がり、彼女の身体が、やっと粒子化を始めた。



 …【悪魔殺し(ヴァプティズム)】のスリップダメージは、酷く頑丈なアビジャンを逃しはしなかったのだ。



 (どうやら、倒せないかどうかの心配は無用だった様だ。)



 粒子に変わる『アビジャン』を尻目にそう考えた。
















 ---…?






 …?変な音がする。





 …俺は背後を振り返った。



 そこには、


 生物的に脈動する魔法陣が佇んでいた。



 ---コォォォォ…!!




 瞬間、この【魔王城】へと破壊を翻す巨大な爆発音。



 ---ボォンッッッ!!!




 …爆発から逃げっ---!?





 だが、至近距離からでは、どう逃げることもできず。




 …俺の体は血と肉を撒き散らしながら、この崩れゆく魔王城と運命を共にする事になった。



 


 


 5.荒地(元魔王城『アビジャン』)



 …【不滅の魔神王(ディ・イモータル)】の効果により、復活する。



 レベル七六〇→七五九







      「…アビリティジェム。」







      「解放(リンク)。」



 【サイレント】のアビリティジェムだ。そして…、


 

 

 ---ヌルゥ…ッと、白い肌を発疹かの様に"黒"が染める。






 …【第零段階(ロゥ)】化、成功。





    (アビリティジェム)




     (解放(リンク)






 【テレポート】の効果だ。…俺は、細心の注意を持って【バゼリ王国穀倉地域】の【魔神王の深域(ヘルヘイムル)】へと移動する事にした。







 《…EP値が、上昇しました。》


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