表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【エター】新興VRMMO記【ビクトリア】  作者: 松田勝平
第三部 終末放浪編
41/117

第4話 離別の時、来たれり。



 1.バゼリ王国穀倉地域【魔神王の深域(ヘルヘイムル)






 ………私がログインした時にはスロットの姿が消えていた。


 当然、私は【契約(ギアス)】で彼を探す…っ!?



 ………彼は今、『フォイドラ』さんの魔王城にいるらしい…。


 追いかけるべきか、私は思索する。


 …ん、決まった…。………彼は、魔王城が邪魔な様なので良い機会だろう。ここで一つ、試してみるとする。



 「【テレポート】!」








 2.魔王城『フォイドラ』



 ---ズォォォオアッッ!!!


 ………巨大な光を放つ【衝撃波(スパーク)】、その巨大な軌跡を誰も止める事は出来ない…ッ!




「「「「「「………【大魔術:巨人腕の大投石(ヘカトンケイル)】ッッ!!」」」」」」




 ---ドッドッズドドドドドドッッ!!!


 轟音、合音、豪音ッ!!


 彼らの投擲は一心不乱にスロットを狙い続ける。



    「アビリティジェム…ッ!」




      「解放(リンク)ッ!!」




 ---【縮地】の効果だ。


 フォイドラは叫ぶ。



「………何で75%もステータスが下がってる筈なのに真面目に動けるんだ!?」



「………さあ、僕は知りませんねッ!!」



 ---ッ!?

 フォイドラは突如背後に現れたスロットに驚くが、ここで咄嗟に【巨竜転生(メタモル:ドラゴ)】を使うあたり、彼も弱い訳ではない。



「グ…グ、ぐ…!!Guoooooooooッ!!!」


 ---バシャアッ!バシャッ!パキッ…!



 フォイドラの四肢の内側から液体と共に『竜』の手脚が生える…!


 ………彼の変異は、新たな"誕生"をも示していた…!!



 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

巨竜転生(メタモル:ドラゴ)】…

 『自身のHP×〇.五秒間、自身の全ステータスを二倍すると共に、《語学》関連のスキルを使うことが出来なくなる。尚、この時自身の種族に『竜族』が追加される。(このスキルはHP一五〇〇以上から先は成長する事はない)』

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「………ッ!【殿の心得】、【|魔法剣:煌撃】…!」



     「さらに…!」



「【六大属性魔法弾(ハイ・オールボム)】連射ッ!!」





---ドバンッ!ドバババババッッ!!



…至近距離で放たれた相乗効果の一撃は、フォイドラへの確かな削りと"硬直"を与えるには充分だった。






「Guaaaaaッ!………Aaaaaaaaッ!!」


 ---ズォォォオアッ!!






 爪から飛ぶは斬撃の【風】、だが、スロットはひょいひょい、と躱して近づいて行く。



 ---彼は、"詠唱"を始める…。









「………【悪魔殺し(ヴァプティズム)】、【破却(ブレイク)】…ッ!」




「【衝撃波(スパーク)×(コネクト)剛撃(バスター)】…!」



「---………【<撃滅衝波(リーズ・スコック)>】ッッ!!」





 ………結果は、語るまでも無いだろう。



 その光の奔流が魔王城内部の魔物を殺し尽くすまで、そう時間はかからなかった…。










 …さて、ここからが正念場だ。









「………おい、スロット。」




「---あぁ、イトウさんですか。お早いですね、まだ、4時なのに…。」





「『魔王城』を、消す方法を知りたいか。」





 ---緊張が、場を支配する。






「………良いのですか?私のネットワークでも探してはいるのですが。」





「方法は一つだけだ。」






「---………『城主』を、殺すこと。」





 ………彼の顔がほんの少し、歪んだ。





「………イトウさん。僕は…っ。」





「………魔物陣営の、デス・ペナルティとは、『凶暴化』による、初回のみの操作不能状態だ。」





「『凶暴化』したモンスターのレベルは二〇〇〇上昇し、死亡しない限り解除はされない。」


「どうか、その時に、私を殺してくれ…っ!」





「………【契約(ギアス)】は、解除する。協力関係は、ここで終わりだ。」





「---PvPでも、しようじゃないか。」





 ---その瞬間、地面から杭が出る。














 "俺"は驚いて飛び退いた…!







「どういう事ですかッ!?イトウさんっ!」





「…どうだろうな、だがPvPはどちらかが死ぬまでは終わらないぞ。」








「…ッ。【魔法剣:煌撃(アルスター)】、【殿の心得】、【悪魔殺し(ヴァプティズム)】!」







 ---ドスゥッ!ドスドスドスッ!






 …血の杭は、止まらない…!







 ---それと同時に出てきたこれは、何かの花粉か…?体が重くなってきた…!




「…私は、私達魔物プレイヤーはどんな姿になっても、元は『悪魔』族である事に変わりはない、だが。」







「---お前の特効が刺さるのは『まともに攻撃を受けた時のみ』だろう。ならば、近づけさせなければいい。」






 ………この人っ、出来る…!






    「アビリティ、ジェム…!」




    「解放(リンク)!」




 【縮地】の効果だ、イトウさんの背後に---!?





「………前、【縮地】同士の戦いを見たが、」







「---やはり皆、背後に出たがるようだな?」







 ---ズドドドドドドドッッ!!


 ---地面から生える、杭、杭、杭!







「ぐッ…!ぐあああああああッ!!?」






 ………剣で対処は出来ず、ならば!






 ---ズォォォンッ!


     「【衝撃波(スパーク)】ッ!」






 ………この、一撃でッ…!





 ---カァンッ!ガ、ギギギギギッ!……パキィンッ!


「…ッ!【魔壁(ウォール)】…ッ、…ぐあッ!?」





 防がれたが、壁は割れる。



 ………態勢が、崩れたっ!




「そこだぁぁぁぁッ!!」





 ---剣が胸を貫く前に、囁かれた。






「………間抜け。」








 ---グラッ…!





 ………魔王城が、崩れていく…!咄嗟に態勢を立て直そうと魔力放出を行うが、姿勢を制御できる程の魔力が…無い…!?



  しまった、雑魚の残滅に使いすぎた…!





「………【血飛沫の祭宴(コールオブ・ブラッド)】!」




 ………そして、この状況は…イトウさんが、空中で態勢を崩してもっ…!





 『魔法を使う分』には何も関係が無いッ!




「アビリティジェムッ!解放(リンク)ッッッ!」







 【縮地】を使って崩れる魔王城の外側へっ…!?






 ---ヒュンッ!ヒュヒュヒュヒュヒュンッッ!!





 なぁッ!?杭を飛ばして…ッ!



「………くぅっ!」



 体を捻るが、避けきれたわけでは、無い。



 ---ダァンッ!






 …なんとか杭の無い地面に着地。このままでは間違いなくジリ貧だ…!






 だが、迫り来る杭は俺に考える時間を与えない。





 ---ドスゥッ!


「…痛ぅっ!」






 ………博打だが、やるしか、無い。


    「アビリティジェム、」




     「解放(リンク)…。」


 ---パァンッ!







「【破却(ブレイク)】…ッ!」



「【衝撃波(スパーク)×(コネクト)剛撃(バスター)】…!」


「---………【<撃滅衝波(リーズ・スコック)>】ッッ!!」







 ---ズォォォオアッ!


 

 その光の"軌跡"は物体、物質を悉く破壊せしめる焼却の刃!






「………【魔壁(ウォール)×(コネクト)周囲(レリヒュート)断絶バロン】…!」



「【<天守・究硬(ヴァーヒンデーン)>】---!」




 イトウを守る盾と、殺そうとする刃がぶつかり合う…!







 

 …威力は互いに拮抗し、減衰に至る。


 


 このままでは、どちらか威力が優ったほうが勝利するだろう。




 甘い---。






 この戦いが、そんなありふれた、威力勝負の顛末で終わるわけが無い---!









 直後、突風を巻き上げながら背後から現れるスロット。その姿は、音を伴わず。





「馬鹿な、あのような一撃が陽動だったとでも言うのか---!?」









 ………彼は、答えない。









 ただ、その剣を纏う光は、昔、遠目から見た、【魔法剣:光撃(クルー・ジーン)】の光にとてもよく似ていて---。




 ---ズァンッッッ!!!







 …風圧、血飛沫、振り抜かれる光剣。






 ………その身体を、赤く染めたイトウは儚く笑う。












「…頼むぞ…スロット…。」











「私は、君を信頼しているから、こんな事を頼んだんだ。」




 ---俺は…。




「…助けてくれ、どうか、頼む---!」




 ---………俺は、そう言って粒子となった彼女を見送った。




 だが、感傷に浸る間も無く、彼女の粒子が集まり、収束し…。






 巨大な、魔猪と化した---。





 《Warning! Warning!》




 《Unique Boss【バーサーク】が 出現しました》





〈…………!Juaaaaaaaaaa ッッ!!!〉




 …【サイレント】の効果がここで切れた。



「………【悪魔殺し(ヴァプティズム)】、【魔法剣:煌撃(アルスター)】。」


 …そして、彼女の死と引き換えの力を使う…!







「---【異形狩りの妄執(ベルセルクル)】。」



「………覚悟は出来ているか。バーサーク。」



 ---出来ていないとは言わせないぞ…!



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ