エピローグ 『崩界事変』
1.【塔】頂上
………ザスターを、倒した。
長く続いた因縁が果たされ、俺が奴に拘る理由もなくなる。
---俺は"これから"何をしていこうか。
次は『アスガルド』にでも行こうかと思いを馳せていると………。
《ザスター さん が 倒された ことにより ザスター さん 所有の 邪神像 が 停止しました!》
《魔物プレイヤー との サーバーマッチング率 を 95% へと 引き上げます!》
《各地に ワールドボス出現!》
『ワールドボス』
『アビジャン』
『フォイドラ』
『†堕天使†』
『イトウ』
《各地に魔王城出現!》
《魔界侵食率50%、迅速に魔王城を攻略してください!》
《魔界侵食率100%!》
《おめでとうございます!》
《この バゼリ王国 は 魔界化 されました!》
《魔界化 に よって 『女神の加護』 が ロスト!》
《人族 プレイヤー の 皆さん は ステータス が 75% 下がります!》
「---え?」
〈………暗雲立ち込める。〉
〈もう"手遅れ"〉
〈---この現象の全ては。〉
〈【アルカナ】の手のひらの上。〉
『アビジャン』のグループチャット。
《………我々は、魔物プレイヤー。》
《この日本サーバーは、我々の物だ。》
《此処に主張しよう…。》
《---我らの時代の幕開けを!》
〈----青紫の空に、"羽"が見える。〉
〈地上には唸り声が。〉
〈草も色を変え、水は毒性を持つ。〉
〈………今此処に、"地獄"が誕生した。〉
〈……それと同時に。〉
〈【星】を倒した"愚者"は、何をすることも出来ず、〉
〈ただ、蹂躙される地上を見ていることしか出来なかった。〉
2.世界会議用ルーム内
「………ザスター、このタイミングか?」
「ああ、このタイミングさ、ザワルド。」
「フン、気に食わん。報・連・相がなっていない。一言言えば良かったものを…。」
「実際、我々は慎重過ぎたと思うよ。」
「だよね、僕の【隠者】で相手の情報は筒抜けなのに『魔界』のシステムを掌握するまでは動こうとはしなかった。」
「俺達のレールそのまんまに行かねぇ事は分りきってた事だろ。………臨機応変に、高い柔軟性を保ちつつ行動する。---まさか言い出しっぺのザワルドが忘れたわけねぇよな?」
「「「「………………………」」」」
「おう、なんだその沈黙。」
「………言うようになったなザタワ。」
「やはり、ザタワ君、それはイメージに合ってないと思うね。」
「僕は中途半端に粗暴と知性を分けるのは良くないと感じるけど。」
「なにそれ、『ザタワ君のそういうところが好き』って言ってもらうための策略?」
「………………………。」
「---俺の事どんな奴だと思ってんだゴラァァ!!」
3.魔王城『†堕天使†』
---この城は"紅い"
城には返り血が張り付き、侵入者の骨をも溶かすこの魔城の名は、『啜り血』。
そこに、王座に佇むは一人の"吸血鬼"。
「おーい、堕天使!PvPしようぜーッ!!」
「………毎回だがッ!ウチの窓を壊して登場するな!!」
……壊された窓の破片が哀愁を誘う。
突然現れたのは赤角のオーク。『PvPしようぜ!』だ。
「………で?PvP。今日は何の用だ。」
「何って別に?ただPvPしたかっただけだし。」
「………フーッ。」
「ハァ、なら、そのPvPに賭けをしようじゃないか。」
「………良いぜ!俺が勝ったら次は問答無用でPvPだ!」
「なら、私が勝ったら、私の仲間になってくれ。」
「あれか!?あのアナウンスの奴か?」
「然り、領土を奪われるのは嫌だからな。」
「なんでぃ、元からお前の陣営で参加する腹づもりでいたのによ。」
「………!そうか。ならさっきの話はなかった事に…。」
「なるわきゃねぇだろッ!」
---魔物陣営は戯れ合いを続ける。
未だに謀略の糸は、見えない。
4.【組織】
「---………以上が、今回の【塔】事変の概要になります。」
「………ありがとう。ジタン。」
「まったく、【ナイトリッチ】もなんて書き方をしたんだ…。僕達がまるで"悪者"みたいじゃないか。」
「…伝えてきて欲しい、スロットだ。彼は『魔王城』の駆除に最適な人間だ。」
「---彼を喚び戻せ。」
「………アフラ様の思し召しのままに。」
突然に変わる"世界"
秘密を暴くか
力を示せ。
---その答えが何であろうとも、
【ビクトリア】は受け入れるだろう。




