第7話 あの時の"アイツ"
1.ギルド《剣の騎士》俺の部屋
どうなんのーっ
ということで、まずはこの状況をどう切り抜けるかだが、まずは出来ることを確認しようと思った。
【第零段階】
自身の肉体を魂装に変換させることにより、魔力の操作性、回復率を【第零段階】侵食度分上昇させる。この形態時に肌又は髪の黒と白の比率が高ければ高いほど侵食度は高いとされる。
※肉体の持っていたスキル又は職業は【第零段階】解除時までロスト扱いされる。
………つまり俺の職業は【無職】か。
【無職】
戦闘がオワタ式になる。レベル上昇によるステータスの上昇が無い。
【無職】は武器を持つことが出来ず、それ故にスキルの発動も出来ない。
俺は急いで戦闘能力を確保する為に【職業凱旋所】へ向かうことにした。
2.【職業凱旋所】
基本転職はここでしか出来ない。
俺にあてがわれた職員のビルさんに転職させてもらうことにした。
「五〇〇〇Gで手を打ってやる。破格だろ?」
すぐに払った。俺は一応ギルドに所属している。今の俺の状態がバレればステータスについて説明をしなければならない。
(そうなるのは面倒臭ぇ………。)
その状況は避けなくてはならない。とっても嫌だ。
そうこう考えているうちに転職が終了した。戦闘中に転職されるとゲームバランスが崩壊気味なので数分は時間がかかっている。
「代金の五〇〇〇Gです。どうぞ。」
………チップも混ぜた。この人たちからの覚えは良くあって欲しいし。
「………。小銭が混ざっておりますが、そのまま受け取らせていただきます。」
態度が急変した。手のひら返しってレベルじゃねーぞこれ。
「それではステータスをご覧下さい。」
………ちゃんと職業が【ナイト】になっている。不具合は無い。
「不具合があれば受付に申し出てください。」
そう言ってビルさんは軽く会釈しながら部屋の奥に戻っていった。
3.バザー
このゲームはなにもバトルだけで出来ているわけでは無い。
貯めた金はバザーで消費される、
………それはもう黒い白いの区別無く。
----俺がとりあえず金髪に髪染めをして、カラコンを嵌めて、白く肌を塗ってもらった後から帰る道中、昔馴染みに出会った。
「あっ!…アーサー。あなたも私のメールを見てここに…?」
彼女はジブリール、俺が懇意にしている刀匠だ。俺の大体の武器は彼女に作ってもらっている。
………それよりも。
「ジブリールはバザーは非効率と前から言ってたじゃないですか。どうしてバザーに出てくる気に?」
用件を外向きの話し方で俺は伝えた。
「あ…。私一応メール送ったんですけど、ほら、バザーに新店舗開いたっていうあれです。」
「ム、開いてなかったです。最近忙しかったので、失態ですね。」
内心冷や汗をかきながら対応する。
実際今確認したら既読になってないのが一つくらいあったんだが…。
…俺は反省した。
「………残念ですね。ところで、あなたはギルドに入ったのですか。入っていなければ素材担当として手伝って貰いたかったのですが…。」
俺はその言葉に耳を疑う。
勿論武器を作るのに素材が必須なのは当たり前。そのため鍛冶屋ギルドとかは素材担当を雇うため死にものぐるいになる。
彼女が入っているギルド〈乱数調整〉は結構そういう素材集め担当の人が多いらしいので、素材集めの依頼が来るのはとても珍しいことだ。
「………。昔馴染みですし、依頼なら受けましょう。ウチのギルドは人数も少ないので出来ることも少ないですから。」
「要するに、僕は暇なんです。」
ウチのギルマスは領地戦MVPを取る為に紛争周回中だし、クフリンの野郎は魔物を倒した時に出来る【魔石】について調べているらしい。
正直自分だけなにも無いのは暇なのだ。
ジブリールの目線は少し泳ぐが、意を決したように話し出した
「なら、【アークデーモン】級の魔石を取ってきてくれませんか?実は、【バゼリ王国穀倉地域】にいるらしいと農ギから連絡が来たので。」
農ギとは農業ギルドである。俺は馬車で【バゼリ王国穀倉地域】にいるらしい【アークデーモン】に会いに行った。
4.【バゼリ王国穀倉地域】
おっ、いたいた
「【魔法剣:煌撃】【異形狩りの妄執】【悪魔殺し】」
貧弱なアークデーモンでは俺の力に遠く及ぶことはないので消え去ると良い。
そう思いながら飛びかかった。
「お前ぇ!良くもあの時俺を殺ってくれたなっ!」
「あの時のトラウマで一週間は寝られなかったんだぞ…。覚悟しろぉ!」
………!俺が、吹き飛ばされている。いつの間に!?
焦点もおぼつかないまま、こんなセリフを聞いた。
「【人間語】と【爆裂魔法】を覚えた俺に死角はない!ステータスを活かせぬまま死んでゆけ!!」
パパパパパパ、とランダムにアークデーモンの周囲に【爆裂魔法】が展開される。
体制を立て直そうとするが、できない。
すぐさまアークデーモンに突進されて吹き飛ばされる。
「………!」
ジリ貧、なので俺は超重量と長刀身が売りの剣を地面に転がったまま抜く。
………本来魔力操作とは【魔力操作】スキルがなくてもある程度出来るものとされている。【魔法剣】【魔法弾】などがその例だ。
【第零段階】
自身の肉体を魂装に変換させることにより、魔力の操作性、回復率を【第零段階】侵食度分上昇させる。この形態時に肌又は髪の黒と白の比率が高ければ高いほど侵食度は高いとされる。
※肉体の持っていたスキル又は職業は【第零段階】解除時までロスト扱いされる。
俺の侵食率はかなり高い筈だ、髪は完全に黒くなっていたし。
なので魔力の操作性もダンチな筈なのだ。
俺は魔力をジェットの如く背中から放出し、推進力とする。
だが、それでも突進してくるアークデーモン。
「………!俺を踏み台にしたぁ?!」
その頭を、爆裂魔法によるダメージ覚悟で踏み抜く。
足に魔力を纏う事によりある程度ダメージをシャットし、上空へと飛んだ。
………ここからが本番だ。
体をアークデーモンへと向け、剣先を銃口と見なし、魔力を集中させる。
「………聖剣裁定。」
魔力を光属性へと変質。
「光属性魔力混合比率四〇%」
貧弱な悪魔は地上で【テレポート】を発動しようとしている
「………照準!」
発射ぁあああああああ!!
---その【極光】は【悪魔】の体を三十秒かけて溶かし、粉砕するに留まらず。
「ぐわぁああああ!?」
地下三〇〇メートルに及ぶ大渓谷を作り出した。
《アーサーさん が 【極光】 を 習得しました!》
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【極光】
光属性の攻撃で累計一二五〇〇〇以上のダメージを出すと習得可能。光属性の攻撃、魔法の威力を一.五〇倍にする。(【勇者】、【光属性適正】、【光人】、又は【加護】を持つ者の場合累計五〇〇〇〇以上のダメージで習得可能)




