表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【エター】新興VRMMO記【ビクトリア】  作者: 松田勝平
第一部 メインストーリー編
13/117

第6話 舞台の下準備

 


 1.鍵室



 --必要なのは遅効性の【サイレント】だ。





 俺は昔この国の勢力下に身分登録をしていたのだが、ザスターに頼まれて魔物退治をしていたらいつの間にか騎士団長になっていた。

 




 何故登録していたのかというと、まぁそれはおちおち解説するとしてだな。



 俺の手元には【組織】の情報屋から買い取ったある情報があった。




 それは、この王国の【宝物殿】についてである。




 その情報について説明する前に、このゲームは情報の機密性が高い。こんな情報屋じみた事がまかり通っているのは国ごとで、派閥毎でそれぞれ対立しているからだ。日本国内も例外ではない。




 このゲームのwikiにロクな情報は載ってない事が多いし、乱立するスレッドではコロシアムの事ばかりだ。まぁ、スキルとかスキルアビリティの情報は確実性のあるものばかりだが、情勢とか、【魔神王】なんてものは載っていなかった。




 そんな状況下で、少しでも"イイ"情報を掲示板なぞに載せようとすると、消される。

 裏社会に蔓延る【組織】の手によって!



【組織】とは、〈情報の秩序を守るため(裏社会を牛耳る者が利)作られた組織(益を独占する為の組織)〉のことを言う。


 このゲームのNPCは稀にスキルを継承させられるクエストを持つ者がいる。そして、その継承スキルを持つ彼らを襲う者もまたいるらしい。


 彼らは()報が出回っ()せいで狙われるN()PCを無くすた()に日々努力しているのだ!




 俺も情報を得る上で【組織】に参加しているわけなのだが、

 そこではスロットという名で通っている。




 …話を戻そう、何故俺が【宝物殿】の情報を集めたかというと、金のためだ。




 このゲームは金さえあれば一人でイベントを作れるようになっている、人を強制参加させることはできないのだが。




 話は変わるが【宝物殿】には強力なスキルを身につけられる【スキル秘伝書】があるらしい。



 実はこのゲームで身につけられるスキルはキャラメイクの時につけられる八つのスキルのみなのだ。




 読者諸君もこれで分かったであろう。

 



 スキルが多ければ多いほど周りとステータスに差をつけることが出来るゲームで【スキル秘伝書】の存在は大きすぎた。



 今や【スキル秘伝書】の価値は高騰し、偽造品も多く出回る次第だ。




(まぁアビリティジェムがあれば元からのスキルが悪くても戦えるのだが)





 まぁ、つまり

『ザスターと戦う上で賞品として【スキル秘伝書】を見せびらかすことにより、プレイヤーを集めること』

 が俺の狙いだ。(賞金も用意してあるけど〕




 そして【宝物殿】にある【スキル秘伝書】の数は驚異の二一冊!自分で使ってもお釣りがくる分だ。




 俺は騎士団長としての地位になるまで王国に溜め込んでいた【貢献度】を使い、鍵室へ入る許可を得た。



 まぁ監視もなく入れると国庫を渡すかもしれないことになるため四方八方から監視されているが。



 俺は裏ワザじみた事をした。



【宝物殿】に入る為の鍵を作るためにはアビリティの使用が必要不可欠だ。

 そしてアビリティジェムとスキルアビリティの使用には声を出すことが必要になる。



 ………だが、何かあれば俺は真っ先に追い出されてしまうだろう。







 だが、俺は声を出さずに【宝物殿】の鍵に【魔法剣:光撃(クルー・ジーン)】を使用し、



【魔力変質】を使ってそれを実体化させ…。



 アビリティジェム【アポート】により山の中に転送した。



 そして俺は誰にも気付かれずに【宝物殿】の鍵を手にして外に出た。








 2.俺のマイルーム










 驚いただろうか?

 勿論タネと仕掛けしかない。



 このトリックには俺の持つ遅効性の【サイレント】のスキルジェムが大きく関係してくる。




【サイレント】の効果は『周囲に無音状態を作り出す事』だ。




 それを使えば普通はバレる。喋っても声が出ないからだ。




 だが、【お前は監視されているぞ】とわざわざ言う監視者は居ない。




 つまり俺が鍵を盗まないか監視をしている奴らは俺に気づかれたくない。




 だから声も俺が変な動きをするまで出せない。




 そのため【サイレント】がバレないと言うコンボが出来る。




 俺は準備と【組織】への根回しを終わらせてから【宝物殿】へと向かった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ