プロローグ
〈システム・オールグリーン)
〈【ビクトリア】起動します…。〉
〈ようこそ、【ビクトリア】へ〉
1.チュートリアル
…体を纏っていたパジャマはいつの間にか消え、俺は朝焼けの綺麗な草原に佇んでいた。
〈ようこそ、プレイヤーネーム アーサー さん。〉
〈性別と種族の設定、キャラメイクを行なってください。〉
…まだこの景色への感動が収まっていないのだが、良いだろう。
(まずは男性、魔族か人族か…。とりま、人族っと。)
…髪型はストレート、金髪碧眼で行こう。
(…まぁ、テンプレだな。)
(…システム的に元の顔からある程度離すことは出来ないから…よし、こんなもんか。)
…【決定】をタップした。
まだ見ぬ冒険に、胸が高鳴る。
〈あなたの【スキル】を8つ選択してください〉
心臓の拍動が、さらに、大きくなった気がした。
【耐性系】【戦技系】【魔法系】【適正系】
目の前に並ぶ、無機質なパネル。
…成る程、これをタップして中を確認する感じか、だがこれでもwikiである程度は調べてきたのだ、早速選んでみる。
まぁ、まだサービス二週間目なので、wikiに載ってない情報もあるはず。
できれば全部見て選びたかったのだが…。
とても無理だ、全部確認していたら日が暮れてしまう。
一応今日はこのゲームを色々見てみるつもりでいるんだから。
風は頬を撫でる、まるで俺を急かすかのように。
【適正系】
【五大属性適正】【片手剣】【剣術】【片手半剣】【盾術】
【戦技系】
【魔法剣】【挑発】
【魔法系】
【魔力変質】
…よし、【決定】。
〈職業をお選び下さい。〉
【蛮族】【足軽】【黒魔術師】【司祭】【ナイト】【アーチャー】【占い師】【鍛治師】…
当然【ナイト】!【決定】!
〈…では、【ビクトリア】をお楽しみ下さい〉
その言葉と共に、橙の光はゆっくりと消え、俺の視界を奪う。
…そして、目の前に現れたのは、喧騒に包まれた酒場。
(…さぁて、早速このビルドで冒険してみるか。)
一つ思うと、俺の足は自然に前へと進んでいく───。