第6話 同期会
「シンジー、来た来た、やっと来たー」
「何だよ。いちいち。うっせーな」
「まあまあ。ほらカノンも飲もうぜー」
「シンジー、待ってたのよ。待ってた。うれしーな」
「おい、どしたんだよ。もう酔ってんのか」
「酔ってる酔ってる。最初っからワインだからねー」
「あんま、飲み過ぎんなよ。女子が飲み過ぎんの良くないぞ」
「なんでよ。いいじゃん、たまには。女子だって飲みたいことあんのよ」
「それでもやめとけ」
「やだべー」
「嫌いなんだよ。女子がつぶれんの」
「えー、なにそれ。サイテー。女子がつぶれたら介抱するのが普通でしょー」
「俺はしないんだよ」
「ほっとくの?」
「ほっとくね」
「サイテー」
「つぶれる方がサイテーなんだよ」
「私のこと嫌い?」
「なんだそれ」
「私のこと嫌い!?」
「……つぶれたら嫌いだね」
「じゃあ……つぶれなかったら好きなんだ」
「はぁ?なんだそれ」
「つぶれなかったら好きなんだ!?」
「はぁ?お前どしたの」
「好きなの」
「はぁ?」
「好きなの!」
「なんでそんなに怒ってんだよ」
「怒ってないわよ。好きなのっ!」
「知らねーよ。怒ってねーで、もっと普通に言えよっ!」
「普通に言ったら好きになってくれるの?」
「どうしてそうなるんだよ」
「好き」
「だからさ」
「普通に好き」
「ちょ、ちょっと二人とも。もうちょっと冷静に。なんかおかしいぞ。告ってるんだか、喧嘩してるんだか、わ、わからないぞー」
「俺、帰るわ」
「シンジ、それはないぞー」
「帰る」