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15せンチのおはよう  作者: 蔵樹 賢人
月曜日
3/11

第3話 朝のコーヒー

 ─8:15─


「おはようございまーす」


 会社に着くとコーヒーメーカーに水を入れ、カプセルをセットする。コンビニで買ってきたサンドイッチとオレンジジュース。みんなが出社するまでのこの時間が、一日で一番ゆったりできる時間。


 こういうときにエリの写真を見るのが楽しいのだ。あいつはいつも笑っている。どれを見ても笑っている。動画もいい。いま見てるのは、ソフトクリームを二つ持って走ってきて、つまづいて俺のTシャツをべちゃべちゃにしたところ。


「なーに、ニヤニヤしてんのよ」


 後ろからスマホを取り上げられた。カノンだ。


「返せよ。何やってんだよ」

「誰これ?彼女?」

「うるせーよ。知らねーよ」


「うわ、こわ」


「シンジは心に決めた大事な人がいんのよ。茶化さないで見守ってやろうぜー」

「タケシ、お前が一番うぜーんだよ」

「同期なんだから、もっと仲良くしよーよー」

「うるせーな。いつも遊んでやってるだろ。なんでこんなに早く来んだよ。いつも九時ギリギリだろ。俺の時間を邪魔すんなよ」


「今日は九時からレビューなの。ギリギリじゃ危ないの。シンジも手伝えよー」

「うっせー。俺は関係ねー」


 台無しだ。俺の時間が台無しだ。気分直しにコーヒー飲みながらエリからのメールチェックだ。


『いまコンビニー。コーヒー買う〜』


 あいつもコーヒーか。


「なにニヤけてんのー」

「うるせー。あっちいけよ」

「こわ」

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