Arousal ―覚醒―
おおう!ブックマークをしてくださった方がまたお一方!!
本当にありがとうございます!
現在、服従のポーズを取っています。
腹を上に向けて寝そべっています。
さあ、勇気を出してその手を差し出してください!
私の3段腹でしっかりとくわえ込んで見せます!
た~べちゃ~うぞ~!(酔っ払い)
盛大な宴の翌日、村長の部屋に呼び出された。
「死神様、それで、その、今回の報酬の件についてなのですけれど」
突然、村長が泣きながら土下座する。
「シロをあたくしから奪わないでくださいませ! あたくし、素直になれなかっただけですの。身分が違っても、本当はシロの事だけを愛しておりますの。死神様、お願いでございます!」
そんな事、私には何の関係も無い。約束は約束だ。
それに、私だってシロさんを愛している。
そう言おうとしたのに、シロさんが村長に駆け寄り、抱きしめた。
「わかっておりましたとも。私もあなただけを愛しております」
私は、白目を剥いて卒倒した。
ふかふかのベッドの上で目覚める。
ひどい悪夢を見たものだ。
と思ったが、ベッドの脇で二人がイチャイチャしていた。
シロさんは村長に喉の下なんて撫でられてゴロゴロ言っている。
「あぁ、お気付きになられまして? 死神様。先程のお話の続きですが、死神様のパーティーの戦力増強のために、あたくしの息子の一人をどうぞお連れ下さいませ。立派な戦士に育ててくださいませ」
村長が手を叩くと、奥の扉からぞろぞろと7人の若者達が入ってきた。
全員が猫人族。中には人の外見をしているが、猫耳と猫しっぽが付いている者もいる。
「あの・・・・・・なんでみんな猫人族なんですか? 他の旦那さんもみんな猫人族なんですか?」
そう聞く私に、村長は顔をしかめて首を振る。
「とんでもない、二人の夫はハイエルフの貴族の息子ですわ。政略結婚ですの。でもあたくし、愛してもいない男に指一本でも触れられたく無いんですの。ですから、子供達はみんな、あたくしとシロの子供ですわ」
「ハニー。今度の発情期にはベビーがあと3人は欲しいですね」
「ええ、シロの子供なら、あたくし何人でも産んで差し上げるわ。でも、その前に、盛大に結婚式を挙げましょう」
・・・・・・こいつら・・・・・・。
「紹介いたしますわね。右から、タロ、ジロ、チロ、モロ、フロ、ゲロ、ゴロです。タロとモロはウォリアー、ジロとチロとフロはパラディン、ゲロとゴロはバードですわ」
一人だけ、喉をゴロゴロと鳴らし、こちらを見つめている子供がいた。
「おや、ゴロ。人見知りの激しいお前が珍しいですね。ホノカ殿について行きたいのですか?」
シロさんがその子の頭を撫でる。
「はい、とうさま。僕は死神様と一緒に旅をしたいですにゃっ!」
その子は、模様はしましまのキジトラで、シロさんの吸い込まれるような夏の空のような青い瞳では無く、優しい春の空のような水色の瞳をキラキラと輝かせ、ピンと立てたしっぽをビリビリと震わせていた。
「ホノカ殿、よろしいでしょうか?」
シロさんの言葉に、黙って頷く。
ゴロは駆け寄って来て、私の腕にすりすりと頭をこすり付けた。
「まだ幼い子ですが、よろしくお願い致しますわ」
優しく微笑む村長を睨みつけ、ガツンと言ってやる。
「あんた、浮気したでしょ! なんでこの子だけキジトラなのよ!」
それに答えたのはゴロだった。
「僕も最初はとうさまやにいさまと同じで白かったにゃ。でもだんだんしましまが出てきたにゃ」
「いやぁ、お恥ずかしい。私、雑種なもので」
シロさんが頭をぽりぽりと掻いた。
「いいのよ、雑種でも。あたくしはそのままのあなたを愛しておりますの」
「ハニー、たった今、発情期が来たようです」
「まあ、では早速。死神様、あたくし共はこれで失礼させていただきますわ。ゴロ、死神様の下でしっかり修行するのですよ。それでは」
私はこの時、決意した。
この世界の死神になってやろう、と。
そして、必ずやこの世に蔓延るリア充どもを殲滅するのだ。
リア充死すべし。
こうして新たにゴロをメンバーに加え、私たちは8人で次の村へと出発した。