Ogre King ―オーガの王―
初めて評価いただきました~!ありがとうございます!!
なんかもうね、こんな話を読んでくれている人がいるってだけで感激です!
チラシの裏にでも書いておけよ!って自分でも思ってたりしたのに、読んでくださって、
しかも、評価までいただけるとは!!(感涙)
ブックマークしてくださった方も3人も!!(うち、一人は身内かもしれませんw)
本当にありがとうございます。
とりあえず今月いっぱいまでは予約投稿してあります。それ以降もとぎらせないようにがんばります!
まだまだ至らない点ばかりですが、文章や校正やストーリー等も、書いているうちに上達したらいいなぁ~、と。
まだまだ勉強中でございます。
お付き合い頂けると嬉しいです。
「ところでっ!」
ボロボロの盾でネームドオーガの攻撃を受けながらボルグが叫ぶ。
「この先、乙女の事を何とお呼びすればよいのでござろうな」
「勇者様でよいのではないかな?」
炎の魔法を使いながらオーヴェが言う。
「オイラにとってはクレリック様はクレリック様さ!」
拳を振るいながらヒネクが。
息も絶え絶えにそんな会話を交わす3人に、一人涼しい顔で5匹のネームドオーガを相手にしているシロさんが言った。
「死神、でいいのではないですか?」
「「「なるほど!」」」
そんな物騒な名前で呼ばれたくない。
が、今の私には反論するほどの余裕が無い。
次から次へと、やたらと強いオーガが襲い掛かって来る。
握力が無くなって来て、何度か剣を落とし、その度にシロさんに助けられた。
廊下に出てきているオーガを倒し終え、大きな扉の前に立つ。
「死神様、ご自分にヒールを掛けるとよろしかろう。多少の疲れは癒えると思うのじゃが」
「死神殿、申し訳ござらん。拙者が不甲斐ないばかりに、死神殿にばかり負担をかけてしまい」
「死神様、オイラのこれを手に巻いて、剣を固定してください!」
「死神殿、この先にオーガキングが居るようですが、準備はよろしいですか?」
ヒネクが汗でべちょべちょでちょっと酸っぱい臭いのする鉢巻で、剣を持っている私の手をぐるぐる巻きにする。
全員にヒールを掛けた。
「では死神殿、参りましょう」
「うるさいわね! 死神って言うな!」
叫びながらドアを蹴破った。
豪華な椅子に、今までのオーガの1.5倍はある大きなオーガが座っていた。
普通のオーガで2mくらいなので、ようするに3mくらいだ。
その横には、ローブを着たオーガが2体。
「魔導士か。やっかいですね。しにが・・・・・・失敬。ホノカ殿はキングを。私が魔導士を相手にします。他の皆さんはホノカ殿の援護を」
先程私が怒鳴ったのを気にしたらしく、私の事を死神と呼ばなくなったシロさんの言葉に、全員で頷く。
オーガキングがゆらりと立ち上がった。
その手には、私の身長程もありそうな、大きな大きな剣が握られている。
「人族ノ女ヨ、名ヲ聞イテオコウ」
「死神じゃないわよっ!」
オーガキングに斬り付ける。
キングが上から振り下ろしてくる剣を盾で受け止め、ボルグが吹き飛ばされる。
その隙に股間に一太刀。(位置的に仕方がないんです)
私が引いた瞬間に、オーヴェが氷の矢をキングの腹に打ち込む。
ヒネクは後ろに回り込み、素手で殴りつける。
ヒネクだけは一歩も引く事無く、ずっとキングを背後からケツを殴り続けている。
ずっと殴っている。
音にすると、ポカポカポカポカ、って感じだ。
悲しい事に、キングには気付いてももらえない。
瀕死のボルグにヒールを掛け、ボルグはまたキングの剣を受け止める。
連携はうまくできている。
横目でシロさんを確認すると、素早く走り回って魔法を回避し、確実に魔導士に攻撃を仕掛けている。
あちらは任せておいても大丈夫そうだ。
特に派手な攻防も無く、ほぼルーチンワーク。
ボルグが攻撃を受ける、その隙に斬りかかる、引いてからオーヴェが氷の矢、炎の矢、ヒネクがポカポカ。
毎回、ボルグにヒールを掛けなければいけなかったが、シロさんがマナ回復の歌を歌ってくれているのでマナ切れを起こす事も無い。
先に決着がついたのがシロさんのほうだった。
ほぼ無傷で魔導士2人を倒していた。
シロさんがこちらの援護に回ってからは早かった。
攻撃力強化の歌を歌いながら、私がキングの股間に斬り掛ると同時に、シロさんは高く高く飛び、喉元に一太刀。
シロさんの攻撃は、器用に何度も同じ個所を切り裂き、ついにキングの喉から青い血が噴き出した。
キングはそれからも、血を噴き出しながら数回、攻撃してきた。さすがにタフだ。
だが、やがて力尽きて倒れる。
致命傷はやはりシロさんの与えた傷だろう。死因:失血死、ってやつだ。
さすがシロさん。
「死神、カ、ソナタニ相応シキ名ダ」
最後にそう呟き、キングは絶命した。
いや、あなたを倒したの、私じゃなくて、シロさんですよね?
てか、死神じゃねえし!
こうして、オーガ討伐は終わった。
まだ煙の立ち上るオーガの集落を出て、周辺をぐるりと回り、仲間の死体を回収して蘇生させ、全員で村に戻った。
村人が総出で歓声を上げて迎えてくれる。
「「「しっにがみっ! しっにがみっ!」」」
「我らの勝利の女神、いや、死神様に祝福を!」
「「「オオオーッ!!!」」」
陰湿ないじめだ。