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use any means ―手段は選ばず―

 オーガとは、一対一で戦えばまず負ける事は無い。

 少なくとも、私とシロさんは。他のメンバーはわからない。

 私の指示で作らせた花火玉は10発。

 それが出来上がるまでの期間は全員でレベリング。


 一週間後、花火玉が出来上がり、オーガの集落へと向かう。

 辿り着いたのは夜。


 全員に私とヨルマで防御魔法を掛ける。

 防御魔法と言っても色々とあるらしい。

 純粋に体力、ヒットポイントを守る防御、攻撃魔法が効き辛くなる防御、毒や麻痺、魅了や混乱等に対する防御等。

 私は前者の2つしか使えず、他はヨルマの仕事だ。

 全体魔法では無く、一人一人にこれを掛けた時点で、ヨルマの魔力は残り僅かになる。

 そのため、オーガキング討伐には加わらない。外でパーティーの状態を監視し、もし全滅した場合には王都へと助けを求めに行く役割だ。


、気付かれない程度の距離に散会する。


 正面は、私とシロさん、ボルグ、オーヴェ、ヒネク。

 他三方はヨルマ、クヌート、ザカライア。


 それから600数え、オーヴェが開戦の合図として一発、火の魔法を見張り櫓にぶつけた。

 距離が遠すぎたため、ヘロヘロの一発だ。


 だが、それで充分。これはただの開戦の合図にしか過ぎない。

 警鐘が鳴り響き、オーガの集落に怒号が飛び交い、大勢が家から出て来る音がした。

 これはオーヴェの魔法により、遠くても音が聞こえるようになっている。


 四方の木の上から、次々と花火が射出される。


「た~まや~!」


 意味はわからないけれど叫んでみた。

 それくらい、派手で奇麗だった。


 正面突破組は、攻撃力のある者に控えさせた。

 そしてまずは、ヨルマ、クヌート、ザカライアに、正面からの花火攻撃の角度を調整してもらい、それぞれの所定の位置に行き、そこにも花火を設置して貰ったのだ。

 彼らはエルフ族。ハイエルフとウッドエルフ。

 弓の名手。ようするになんと言うか、むっちゃコントロールがいいのだ。


 最初のオーヴェのヘロヘロ魔法により、恐らくほとんどの戦士は家の外へと飛び出しただろう。

 そこに砲弾のように花火が降り注ぐ。


 しかも中には、小さな鉄くず等が仕込まれている。私が注文したのだ。

 まるで散弾銃のようにオーガ共を切り裂くだろう。


 と、思ったのだが。


「うやぁぁぁぁっ!」


 私達の上からも、散弾のように鉄くずが降り注いだ。


 私はシロさんを守ろうと抱え込み、ボルグは私を守ろうとして盾を構えて更にその上に乗ってきた。


 爆音が過ぎ去った後、ボルグの下から這い出てみると、ボルグも、オーヴェもヒネクも死んでいた。

 恐らく、他の場所に居た仲間も生きては居ないだろう。

 諸刃の剣、という言葉を、身をもって知る。

 花火の爆発で、オーガの集落の塀の一部が崩れていた。


 とりあえずその場でミンチになっていたボルグとオーヴェとヒネクを蘇生させて、内部へと向かった。

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