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終わりという名の始まり。

よし、なんとか持って行けた(白目)


今回もよろしくお願い申し上げます。

思い出せないものは思い出せない……

なら、仕方ないだろう。また学び直せばいいのだ。

そんな落胆的な考えで納得し、状況を確認する。


見覚えがある天井。


白い天井……あれ、これって……

偶然の産物か?それにしては似すぎている。

こんなことは、一度も……

とりあえず、あの時のように泣いてみる。

「あうあうーあーー!」


扉が開き、誰かが入ってくる。

女性のようだ。


「(これって……最初の世界の出来事がまた繰り返されている?)」


 あの時の母親らしき人。

言葉が通じなかったからもあるし、この世界に馴染むのに時間がかかった。

最初の世界では、母親を見つけることは生涯叶わなかった。

ならば、今回は確認してみるのもいいかもしれない。


すると声が聞こえ始める。


「ファル……ごめんなさいね。」

 白い髪をなびかせ、綺麗な服を着ている。

 二度目だが、やっぱり美人だなぁ…

 

だが、そんなこと気にしている場合じゃない。

このままいくと、捨てられて、孤児院に行く。

そして、今となっては飽き飽きする稽古の始まり……


あっ面倒……


一発で師匠あたりを倒して学校にでも行くか……

そんなことを考えていたらカゴを持ってきて俺はその中に入れられ、馬車に乗り、孤児院まで連れて行かれた。

どんなに優れた能力を今持っていても使う体が弱いと使うことができない。

抵抗はできないようです。

あっやっぱり一緒なのか………


「ここのお爺さんによろしくね……」


そう言うと、立ち去ってしまった。

もう泣きませんよ……

ここまでの流れで母親探しは諦めた。

だって、手がかりないんだもん。


とりあえず……5年くらいやることがなくなった。


寝るしかできないのはつらいなぁ…

あの時の硬いベッドに寝かされ、フカフカな布団じゃなきゃ寝れない……

そう思いつつもすんなり寝ることは出来た。

案外単純なのかもしれない、俺も。


---------------

「おい、反逆者。起きやがれ」


「誰が反逆者だよ!」


その一言で目が覚めた。

だが、目の前にはあの時の神様が座っている。

そして、凄く不機嫌そうな顔をして、こちらを見ていた。

まるで、自分の大切な物をとられた被害者みたいなツラをしている。


何より、俺に鎖が繋がれている。

身動きは取れない、体も赤ちゃんではなく、最初のこの世界で転生する前の体だ。


「覚えてるか?お前に魔術を与えたメンティクスだ。全く、探すのに苦労したぜ。お前のせいで何人の神に謝ったことか……」


そんなのは覚えている。

なぜ怒られなきゃいけないのか……


「お前、転生の魔術を覚えただろ?アレを今すぐ消してくれないか?」

「断る。俺はいろんな世界をめぐり、いろいろな知識を身につけた。これが消されるのは嫌なのでね。」


「ならば、死ぬがいい。お前に与えてしまった私の責任だ。」


神様が殴りかかってくる。

こっちは鎖に繋がれている、避けれもしないし、ガードもむりだろう。

くっ…もうダメなのか……


「やめなさい!勝手な真似は許さないわよ」

ソプラノ声の女性がこちらに近づいてくる。

背中に羽が生えてるので神様の使いかなにかだろうか?…


「メンティクス、あなたの不始末でしょ。話も聞かないで処罰だなんて野蛮だわ。お父様に報告したほうがいいかしら?」


「すっすいません!!大天使様にはどうか………」


神の1人とか言っていたあいつが縮こまって泣きそうになっている……

どうゆう状況なんだよ…


「あっ始めまして、ファル様。私、アティムと申しますわ。今回はこのような無礼をお許しください。ですが、このようになったのも転生の魔術が関係するのでその場でお話を聞いてもらえますか?」


「ええ、わかりました。」


「あなたには重大な罪状が課せられています。異世界転移…魂の輪廻から外れて新しい生を受けることは罪とされています。魂は一度浄化され、無となってから解放されます。あなたはそれが行われず、そのままの穢れた状態で存在しています。これは天の教えではいけないこととあります。」


「もしかして、旅の途中死神みたいな鎌を持った連中に襲われたのも……」


まあ、俺は余裕で勝てたんだけどね。


「はい、私たちが頼みました。ですが、ファル様を止めることはできませんでした。ですので、この世界に閉じ込め、殺すことに決定しました。」


「なっ!なんだよそれ!俺だって、気がついたらこの世界にいて、メンティクスに能力もらって、魔王だって倒したじゃないか」


こんなんで俺の罪とか言って処刑でもされたら、俺の楽しみがもうできなくなっちまう。

「いいえ、能力を与えられることもいけません。むやみに神が現世の人と関わるのは禁じられています。そこのバカは酒なんて飲んで勝手に遊んでただけみたいですけどね。それと……」


「あなたの魂は穢れているみたいです。これはあなたが本当に生まれた世界でなにか悪いことでもしてきたのではないですか?そんな人物、無かったなんて言えるわけないじゃないですか。」


「俺は何も………!?」

記憶が……俺の生まれたところ……

思い出せない。


「なにか思い当たる節があるみたいですね。まあ、このまま処刑しても反発を買うだけです。なので……………この世界で生きてもらいます。そして、あなたを殺しに人を送り込みます。まあ、あなたの世界でいうイベントみたいなものですね。それを起こしますんで楽しんでください。死ななければですけど…無事、魔王を倒したら私たちの負け、あなたにはもう何も言いません。」


「待ってくれ!俺にどうしろと……」


困惑した俺は問いただす。冷静さを取り戻すまで…


「なんどもいわせないでください。簡単に言いますと、強くてニューゲームなんてさせないってことです。刺客を送り込み、さりげなくあなたを葬りされます。楽しみにしておいてくださいね。」


そう言うとアティムは姿を消し、メンティクスも消えた。

鎖が外される。自由になった俺は今後の状況についてまとめることにした。



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