己の覚悟
「ファルよ。ワシの剣技をしりたいのじゃろ?」
「うん、しりたい。」
だって、戦って引き分けて友情が芽生えるとかやってみたい。
汗を流していたい。
寝たきりなのはもうごめんだから。
「ならば、うちの剣術で優秀なエイトに攻撃を当てることができたら教えよう。」
そういうとじいさんはエイトを呼びにいった。
エイトはおれより3つうえの先輩だ。
元弟子の中で一番強く、かっこよかった。
基礎練習のときの模擬戦でも負けたことはないけど...
そんなやつが相手なのか?
なら、簡単じゃん。
じいちゃんが戻ってくる。
「よし、エイト。技を使うことを許可する。ファルを叩き潰しなさい。」
「了解です。師匠」
エイトはうなずくとニヤリと笑った。
何を仕掛けてくるのだろうか。
でも負ける気はしない。
両者構える。
剣術で大切なのは立ち方、相手との距離。
それと、瞬きをしないこと。
かな...。
相手を見失ってはいけない。
これは、戦いにおいての基礎だろう。
「はじめ!」
合図がなる。
俺はすぐさま
力を込めて切りつける。
勿論ガードされるだろう。
されることが前提だ、力が入った勢いでぶつけられる力は重い。
それに反応している間にとどめをさす。
だが、それもできなかった。
切りつけた相手がすり抜けたのだ。
バランスを崩される、咄嗟に建て直すが...
喉元に刀をむけられる。
これは俺の負けだ。
「参った。」
「ふん、当然だ。」
刀をしまう。
負けてしまった。悔しい、もっと強くならなくては......
こんな同じ人間に負けていてはこの世界では生きていけない。
くそ...
「ファル、悔しいか?」
「悔しい。」
「勝ちたいか?」
「勝ちたい。」
「ならば、鍛えよう。その気持ちが大事だ。」
どんなトレーニングでも来い。
全部自分の糧にしてやる。
後の剣王になる男の始まりである。