憧れの女の子が、美巨乳なんだが?
健次は、悩んでいた。
(なんでこんな能力が、備わったんだ?)
彼の手のひらは、今淡い光に包まれていた。
目の前には、学園一の巨乳美少女、黒瀬結衣が意識を失い、あおむけに倒れていた。
黒くて、滑らかな長い髪が、地面に広がり美しかった。
普通、その状態では乳房は、重力に負けて垂れるはずだ。
だが、彼女のFカップの乳房は、奇跡的な形を保ち、豊かな胸の谷間が出来あがっていた。
その魅惑の巨乳を健次は、揉んでしまったのだ。
触った時に指がめり込み、優しく包まれ、程よく反発して、思わずうっとりしてしまった。
「めっちゃうれしかったけど、どうやって言い訳しよう?」
大きな悩みが、健次を襲った。
朝方、何やら腹の上に何かが、乗っている感触を感じた。
「おう。テメェは、後一ヶ月の命よ。覚悟しときな~」
健次は、眠気で重い瞼をこすって見ると、ちっこい悪魔が、居ることに気づいた。
「へ? 君は何? なんでここにいるの?」
悪魔はニヤリとした。黒い尻尾が尻から生え、先端が矢印の形をしていた。
顔はいかにも道化師という感じだ。
これまた黒い羽根を背中から出し、ピコピコ動かしていた。
「俺は、ブッチ。そんなことはどうでもいいじゃねえか? お前の近くを通りすがった時、精気が足りなかった。そこで、寝ている間にお前の精気を吸い取った。だから後一ヶ月の命だって言ったんだよw」
健次は、顔が青ざめた。
「ちょっと! やめてくれよ! 早く元に戻してよ!」
健次が必死に抵抗すると、ブッチが言った。
「助かりたければ、巨乳の女の胸を揉むことだ。手の甲を見てみな、丸いアザがあるだろ? そこに巨乳のエナジーを吸わせて、お前の精気とすれば、助かる。ヒントはいったぞ? じゃあな」
ブッチは、意気揚々と窓から飛び去っていった。
「おい! なんだよそれ? 頭おかしいって思われるだろ!」
健次に非情な現実が、立ちはだかった。
自分の命がかかっている。なりふり構っている状況ではない。
そこで、健次は以前から憧れていた結衣にお願いをすることにした。
直球でそれを言うのか? いや、その場で取り繕うしか方法が思いつかなかった。
放課後、体育館裏でまっている旨を手紙で書き、結衣の下駄箱へ入れた。
健次は、時間前に来て待機していると、結衣が律儀にも現れた。
便宜上、告白することにしてある。
「あ、あの……手紙読んだけど……私……」
健次は、その後に来る言葉をすぐに察知した。
(お断りします)
それしかないだろう。もう言うしかない。本当のお願いを。
「あの! 結衣さん! 実は!」
突然、健次の手の甲のアザが光り始めた。
「痛っ!」
そこから激痛がして、健次はその場で悶え苦しんだ。
「大丈夫ですか?!」
結衣が心配して、近づいてきた。
強烈な光が、アザから発せられ、衝撃波が周辺に及んだ。
二人は同じ方向に吹っ飛ばされ、倒れ込んだ。
その時、健次は図らずも目的が、果たされた。
結衣の巨乳を揉んだという事実だ。
「あっ……」
揉みしだいた瞬間、艶めかしい声を聞いた気がした。
その瞬間、胸から淡い光る粒子が発せられ、アザへと吸い込まれていった。
「うっ……うーん……」
(マズい!)
健次は、もう少しそのままでいたかったが、意識を回復し始めている結衣から離れた。
先ほどの感触が忘れられなかった。
「あ、あれ私は?」
「だ、大丈夫? どうも突風が吹いたみたいだね」
健次は、苦しい言い訳だが、まくしたてた。
結衣の頬が朱色に染まっているのを健次は、気付かなかった。
(まだたりないぜ! 坊主! もっと巨乳をもむんだ!)
ブッチの声が頭に聞こえた。
幸か不幸かわからないが、健次の巨乳ライフが、始まった。