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一方、おつかいを頼まれていたルーチェは何をしていたかというと・・・。
様々な道を駆け抜けるように見て回ってから建物に入った。
「こんにちは。何か情報はありますか?」
ギルドに来ていた。
おつかい(諜報)をするためにギルドまで足を伸ばし、受付に話をしていた。
「こんにちは。ようこそお越しくださいましたシャインゴールド様。本日は情報ですね?」
「はい。何かありますか?」
「少々お待ちください。」
ギルドの受付嬢に情報について頼んだら、奥に消えていった。
戻ってくると、紙の束を持ってきていた。
「まずは、本来なら情報料をいただくことになっているのですが、シャインゴールド様とシャドーブラック様からは情報料は取らないことに決定しましたので、その旨をシャドーブラック様にもお伝えください。」
「そうですか。ありがとうございます。」
「いえいえ。先ほどシャドーブラック様がいらっしゃって何か依頼を受けたようでして。ギルドマスターもその話を聞いて、たぶん依頼達成するだろうからそのような待遇にしろってさっき言われたんです。」
「ご主人様・・・。何を受けたんですか・・・。それはまぁ置いといて、何かありますか?」
「スルーするんですね・・・。そしてお探しの情報についてですが、最近どこかの組織が活発に動いているらしいのですが、足取りをつかめてないみたいで・・・。」
「誰も捕まっていないんですか?」
「はい。犯罪の痕跡はあるのですが、わずかな足取りしかなくてつかめていないんですよ。」
「そうですか・・・。こちらでもそのことは調べておきますね。」
「ありがとうございます。」
一つ目の情報は悪の組織の活動であった。
リュシオルから、来てからは何もなかったけど、入学式を終えてから空気が少し変だから調べてくれと言われて、情報集めをしている。
「それからですが、魔物も少し増えているのか、依頼が増えまして・・・。滞っている依頼が増えてきたのでどうしようかと問題になっていることぐらいですかね。」
「依頼については、またご主人様に言っておきますので。」
「いつも助かります。依頼料に比べて難易度が高いと受ける人がいないですし、割に合わない仕事も不人気で・・・。もう選り好みされるぐらい依頼が溜まっていて。」
「心中お察しします。では、今日はこれで失礼します。」
「はい。またのお越しをお待ちしています。」
ギルドを後にしたルーチェが次に向かったのはマルシャン商団である。
「こんにちは。」
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
「本店に勤務することになったトントさんにお会いしたいんですけど・・・。」
「約束はしていますか?」
「いいえ。マルテの町の護衛と言えばわかると思います。」
「わかりました。少々お待ちください。」
使用人は奥に消えていった。
玄関で待たされたルーチェは商館を見渡していた。
玄関は綺麗に装飾されており、武器や防具の見本などが飾ってあり、アクセサリーも展示していた。
数分後、奥から走って男が現れた。
「おまたせしまし・・・た?」
「すいません。この姿は仮の姿です。奥に案内してくれませんか?」
「わかりました。こちらへどうぞ。」
不思議に思いながら、トントはルーチェを案内し、商談する部屋に入った。
「ところでどちら様ですか?マルテの町の護衛はリュシオル様とルーチェ様がしてくれたんですが・・・。」
「わたしですよ。これは変装です。」
ルーチェは言いながら仮面を取った。
すると、変装はとけて元のルーチェに戻った。
「!!これは!申し訳ありませんでした。ルーチェ様だったのですね。」
「ごめんなさいね。これからは冒険者活動するときはこの格好でするので。リュシオル様も変装していますから。」
「そうなんですか。じゃあその姿の時はなんてお呼びしたらいいですか?」
「この姿の時はシャインゴールドとお呼びください。」
呼ぶ名前を告げながら、仮面を再びつけた。
「わかりました。シャインゴールド様ですね。二つ名が付くほどとはすごいですね。」
「この名前も恥ずかしいんですけど、本名を晒すよりいいだろうってリュシオル様に言われまして。」
「あぁそうですね。学生をしていたら嫌でも名前で分かってしまいますもんね。そしてリュシオル様は何という二つ名で行動しているんですか?」
「リュシオル様はシャドーブラックです。」
「影のような黒・・・ですね。ということは姿が真っ黒と?」
「髪も黒くしています。ただ、瞳の色が変わっていないのでわかると思いますよ?」
「そうですね。金色の瞳なんて初めて見ました。」
「私も初めてでした。あのような綺麗な瞳があるなんて知らなかったです。」
しばらくリュシオルの話題で話が盛り上がってしまったが、ふとルーチェが目的を思い出して話の流れを修正した。
「話がだいぶ反れてしましましたので元に戻しますね。最近何か変わったこととかないですか?」
「すいません盛り上がってしまって。そうですね~最近は商人の間でも違法取引する人が出ていると聞いたことがありますが、あまり詳しくわかっていないのです。」
「そうなんですか・・・。さっきギルドでも不穏な活動があるみたいであると言われたんですが、真意がわかっていなくて。さらにその犯人も誰かわかっていないとのことです。」
さっき話で聞いたことをトントにも教える。
「そんなことが・・・。わかりました。こちらでも探ってみますね。何かありましたらギルド経由でお知らせしましょうか?」
「そうですね。その方が確実ですね。」
「ではそのようにします。」
「あ!近いうちにまた顔を出すと思いますが・・・。」
「それは大歓迎ですよ。」
「ありがとうございます。では今日はこれで失礼します。」
トントと別れて、寮の方に帰って行った。
雷がすごく鳴っていました・・・。
*訂正しました。
シャドーブラック様からは情報「量」は取らないことに決定しましたので→「料」




