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着替えた後、リュシオルはキッチンへ向かった。
みんなが出てくるまでに、手順を考えながら材料を先に取り出していると、リンブルが先に出てきた。
「用意できたぜ?何したらいい?」
「家で家事を手伝ったことあるか?」
「材料の皮むきとか切るぐらいならあるな。」
「じゃあ、この野菜を皮剥いてくれるか?」
野菜の皮むきをリンブルに任せ、万能ソースのマヨネーズを作る用意をする。
用意をしているとプワソンが出てきてた。
「待たせたな。私は何したらいい?」
「今用意したから、このボールに入っている材料をもったりするまで混ぜて欲しいんだ。」
「これは何なんだ?」
「万能ソースだよ。ただ、作るのに体力がいるから女の子に任せられなくてさ。とりあえず、このソースを食べたら病みつきになるかもしれないよ?」
「それは楽しみだな。是非とも頑張らせてもらおう。」
プワソンにマヨネーズを任せて、準備に取り掛かる。
「ただいま帰りました。」
「買ってきましたわよ?大量にありますからいっぱい作ってくださいまし!」
「それで、リュシオル様・・・。このお肉とか全部エクラさんがお金を出してくれました。」
「それは悪いことをしたな。」
「構いませんわ。私が食べたいといったからこのようになったのですから。」
「ところでエクラは料理はできるのか?」
女の子なので一応聞いてみたのだが・・・。
「できませんわよ?」
「なので、朝は私が作りました。」
見事なできない宣言である。
朝はルーチェが作り、朝ご飯を食べたようだった。
「まぁ~仕方ないか。じゃあ何してもらおうかな?」
「特にすることがないのでしたら、見ているだけでもよろしくて?」
「見てるだけでもいいかのか?」
「構いませんわ。昔から見ているのは好きですの。」
エクラはそのままにしておき、調理を再開した。
まず、買ってきたポーの肉を適度な大きさにカットし、筋を切ったり下処理をする。
その間に、買ってきてもらった固いパンをルーチェにおろし金で細かくしてもらう。
終わった後、材料をまぶしていき熱した油に放り込んでいく。
「こんなもんでいいか?」
「ん~もう少しだけ頑張って混ぜてくれる?で、ちょっと味見・・・。うん。少し塩を加えて・・・。あともうちょっと頑張ってくれ。」
プワソンがしているマヨネーズのチェックをして、もうちょっと頑張ってもらう。
「リュシオル様。この後何したらいいですか?」
「じゃあ甘味を作るから、卵と乳と砂糖を用意してくれないか?」
「わかりました。」
ルーチェに材料の用意を頼み、リュシオルはどんどんと、とんかつを揚げていく。
「野菜を切り終わったぞ?」
「じゃあ、次はアプの実とピチの実・・・オレンの実の皮を剥いてくれ。」
「わかった。切り終わったらまた声かけるな。」
甘味のソースを作るためにお願いした。
「材料を用意できましたよ?」
「じゃあ、言った分の材料を混ぜてくれ。」
作ろうとしているのは甘くておいしいプリンである。
「何ができるのでしょうか・・・。楽しみでなりませんわ。」
「食後になら冷えて美味しいと思うからね。」
「冷やしますのね。リュシオルさんの料理は本当に変わってますわ。私の家の料理人も相当すごいと自負しますが、それでも、見たことない料理が出てくるのだからすごいですわ。」
エクラはしきりにリュシオルを褒めて目をキラキラさせている。
「大した料理じゃないんだけどな。昔から慣れ親しんだ料理なんだ。」
「相当遠くからいらっしゃったのね。この大陸ではこんな料理は見たことありませんわ。」
「うん。すごく遠くから来たからね?たぶんもう戻れないと思うから。だけど心配しないで?何も寂しいこととかないからね?」
「そういうならもう聞きませんわ。ただ、知っている料理は全部食べてみたいですわ!」
色気より食い気がかなり勝っている気がする。
喋ってる間にとんかつがすべて揚がった。
「揚げすぎた分はアイテムボックスにしまってっと。そのままでも大丈夫だけど・・・レモの実を切っておくか。」
この世界の実は大体英語で2文字と考えたらわかりやすかった。
なので、レモはレモンである。
「材料を混ぜました。これでどうしますか?」
「この布でこして、きめ細やかにしてこの器一つ一つに入れていって?」
「はい。」
「そうだ!エクラも盛り付けぐらいなら出来るだろ?」
「えぇ。出来ますわ。」
「じゃあ、この切ったとんかつと野菜を1人前ずつに盛り付けていってほしい。」
「任されましたわ。」
エクラに盛り付けを頼み、ルーチェとプリンづくりを再開した。
こしたプリン液を器に入れ終わり、用意してあった蒸し器に入れて蒸していく。
ここで、プワソンが作っていたマヨネーズが完成し、リンブルから剥いた果物を貰い、プワソンとリンブルの2人に瓶詰に入れるよう頼んだ。
剥いた果物を適度な大きさに切り、3つの鍋で実を別々に砂糖で煮詰めていく。
「できましたわ!おいしそうな匂いがして待ちきれませんわ・・・。」
少し涎を出しながら盛り付けを完了したエクラ。
テーブルにもっていくように指示し、プリンを出して冷蔵庫に入れる。
煮詰めた果物も、水で粗熱を取り、冷蔵庫に同じように入れた。
「早くたべようぜ!」
「わかった!すぐ行く!」
粗方片づけて皆のもとに向かった。
今日は食べ物の作るとこで終わってしまった・・・。




