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素敵過ぎる?!  作者: とぅるーらぶ
王都学院
64/375

~63~

 女王に案内された厨房は意外と綺麗だった。


「ここが厨房だ。我ともう一人だけしか使わないが、意外と揃っておるだろ?」

「これならできそうです。あれならすぐにできるかな・・・。」


 膨らすベーキングパウダーがわからないので、一番好きなクレープを作ることにした。


「牛乳と生クリームと・・・。卵と果物はありますか?」

「最初に挙げたのはあるが、果物がないが・・・。取りに行かせよう。」

「いいんですか?」

「あぁ。おいしいものに妥協はダメだからな。」


 やはり同志は同じ考えだった。

 近くにいた衛兵に果物を取ってくるように伝え、再びリュシオルの手元を見ることにした。


「では、生地から作っていきますね。その間にルーチェ、生クリームを混ぜといて」


 ルーチェに生クリームを頼み自分は作業に取り掛かる。

 手際よく材料を混ぜて、軽く温めたフライパンに薄く生地を焼いていく。


「ほぅ。そんなに薄くて大丈夫なのか?」

「これがクレープですよ。」

「なぜ薄くするのだ?食べごたえがないぞ?」

「まぁ見ててください。」


 女王を諌めて、続きに取り掛かる。

 どんどん生地を焼いていき山のように積み上げていく。


「ルーチェ。出来た?」

「こんな感じでいいんですか。」


 生クリームをしてもらっていたのを見ると固く仕上がっていい感じだった。

 砂糖を加えて甘く仕上げていく。


「ありがとう。そろそろ果物が届きますか?」

「もうそろそろだと思う。」

「では、もう一つのほうを作りますね。」


 作り始めたのはミルクレープ。

 スポンジを作っていないので、クレープだけで作っていく。

 何枚のもクレープ生地を重ねていきケーキに仕上げた。


「そんな応用もあるのだな。そちはすごいな。」

「いえ。私の母がすごいのですよ。もう会えませんが・・・。」

「すまぬ。いらぬことを聞いたな。」

「いえ。お気になさらず。」


 黙々と作っていき、3つ目が出来上がった時に果物が届いた。


〖女王様これでいいでしょうか?女王様の好きな果物も取ってきました。〗

〖ご苦労だった。〗これでよいか?」

「はい。女王様の好きな果物はどれですか?」

「我の好きなのはこれだ。」


 女王が指差したのは桃に似ている果物だった。


「これですね。これの名前は?」

「ピチっと言っての?とてもみずみずしくて美味しいのだ。」


 リュシオルはピチを手に取り、手際よく皮を剥きカットしていく。

 生地に生クリームをのせクルクルと巻き、先に出してあった紙に包んで女王に差し出す。


「これがクレープです。どうぞご賞味あれ。」

「ふむ、これがクレープ・・・。手で持って食べることができるのだな?」

「それが基本ですね。では、食べている間にもう一つ。」


 まず、オレンジに似た果物を剥き、果実を絞る、皮も表面だけ少し削り細かく切っておく。

 次に絞った汁と皮、砂糖を一緒にフライパンに入れ、加熱する。

 そのあとクレープの生地を入れて煮詰め、リキュールがあったのでフランベする。

 皿に綺麗に折りたたんでのせて、トッピング。


「そちらは食べ終わりましたか?」

「あぁ。美味しかった。これはいいな。」

「ご満足いただけたようで、続いてこちらもどうぞ。」


 さっき作った高級仕様のクレープを出す。


「これはナイフとフォークでお食べください。」

「これもうまそうだ・・・。はむ・・・。うまい!」


 はぐはぐと美味しそうに食べる女王。


「ご満足いただけたようで。」


 一瞬で食べきった女王は満足そうに振り返った。


「これは申し分ない取引だな。よかろう!蜂蜜を分けてやる。」

「ありがとうございます。こちらにまたおやつでも食べれるように冷やしておいてください。食べる時に果物を添えたりして食べていただければ。」

「うむ。礼を言うぞ。」

「また新しい甘味を用意しますね。」

「!!!!!それはぜひお願いしたい!あぁ・・・我の名は、ラフィネ。ラフィネ・ビーだ。」

「先ほど名乗りましたが、リュシオルです。今後とも付き合いよろしくお願いします。」

「私はリュシオル様の奴隷のルーチェです。」


 握手を交わし、これからの付き合いを約束した。

 帰り際には蜂蜜を大量に貰い、巣を後にした。


「いい人?いい蜂でしたね。」

「そうだな。でも人族の言葉をしゃべれるまでしたあの人はすごいと思う。」

「私もびっくりしましたよ。話なんて通じないって思っていたのに、普通に人族の言葉を話されていたので。」

「最初に会ったときは蜂の姿だったんだよ?」

「やっぱり元は蜂だったんですね。変化が出来るようになったというわけですね。でも、あの蜂は魔族なのでは?」


 ルーチェは知らなかったみたいなので、女王に聞いた話をそのまま伝える。


「へぇ~アピス族っていう種族だったんですね。」

「だから、間違われて討伐されることが多いらしい。俺たちも気を付けないとな?」

「今度、アピス族の方に見分け方を教えてもらったほうがいいですね。」

「新しい甘味が出来るようになったら教えてもらいに行くか・・・。」


 森からゆっくり王都に向かい、宿に帰って行った。


蜂蜜ゲットです!

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