~51~
急にギルドに呼び出されたリュシオルとルーチェ。
ギルドに着くと、ギルドも緊張でピリピリしているようだった。
「クロワさん・・・。なんかあったんですか?」
「あ・・・。リュシオル君・・・。ちょっとギルドマスターに会って話を聞いてきて欲しいの。」
「なんかあったんですか?」
「ここでは話が出来ないからとりあえずマスター室へ・・・。」
クロワに言われ、ギルドマスター室にすぐに向かい、ドアをノックすると、すぐに「入れ」と声が掛かった。
「失礼します。何かあったんですか?」
「ああ。あったんだ。とりあえず座って話を聞いてくれ。」
ソファーに座り、クロワさんがいつの間にか入室していてお茶を入れてくれた。
「急に呼び出したのは、緊急で討伐に向かって欲しいからなんだ。」
「それは構いませんが、いったい何があったか教えてもらえませんか?」
「そうだな。説明しよう。」
説明を聞くとこうだった。
あるパーティーが森の奥に行ったときに、ドラゴンの卵を見つけて持って帰って売り飛ばそうと思って持ち帰ろうとした。
すると、すぐに親ドラゴンが追いかけてきたらしくすぐに返せばよかったのにそのまま逃げて、しかも運悪く躓いて転び、卵を割ってしまった。
親ドラゴンは割られた悲しみで、その盗んだパーティーを壊滅させようとしたが、一人採り逃し、町に帰ってきてギルドにこのことを報告した。
報告を受けたギルドは現在いるAランクのパーティーを討伐に向かわせたが、応戦したものの、相当強かったらしく命からがら逃げてきた。
次に動ける者を探すと、リュシオル達しかいなかったために、呼び出すこととなった。
「なるほど・・・。話は分かりました。」
「もし無理そうなら断わってくれても構わない。なんせAランクが逃げて帰ってくるほど相手は強いはずだ。だが、港町での功績を考えると十分対抗できると判断して呼び出させてもらった。」
「いえ。この町が好きなので依頼を受けます。それにこんなとこでつまずいていたらSランクなんてなれないでしょ?」
リュシオルは少しお茶目にウインクをした。
「あぁ。そうだな。それぐらいの勢いが大事だな。だが、くれぐれも気をつけてくれ。」
「わかりました。場所はどこで発見されたんですか?」
「クロワ。地図を持ってきてくれ。」
クロワが持ってきた地図を広げ、場所を教えてもらった。
「これは早く行くべきですね。もう町と目と鼻の先まで来ているじゃないですか。」
「そうなんだ。本当に申し訳ないが直ちに向かって欲しい。」
「では行ってきます。ルーチェ行くよ!」
「はい!」
すぐにギルドから飛び出し、森に向かった。
門を走って通り抜けれるようにすでに連絡が入れてあったみたいでNOチェックで通り抜けた。
「すぐに応戦することとなりそうだから・・・バルト!ガルディ!」
『『はい!』』
「エトワールも行くよ!」
『仰せのままに』
武器たちを装備し、走りながらマップで検索かけたドラゴンまで一直線に走っていった。
すると、数分も走らないうちに、大きな生物が暴れる音が聞こえてきた。
「もうすぐ目標と接近する。準備はいい?」
「大丈夫です!」
「じゃあ、少し離れてドラゴンの前に出るよ?」
左右に別れ、目標のドラゴンの左右から姿を現した。
初めてみたドラゴンは西洋のドラゴンで4つ足で歩き、体もリュシオル達と比べると相当大きく10メートルほどで翼も大きかった。
ドラゴンは視覚にリュシオル達を確認してようやくいることが分かり、怒りに支配されたドラゴンは殺意をリュシオル達に向けて攻撃を仕掛けてきた。
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野良ドラゴン
属性がなく、属性有りに比べて弱いが、基礎能力は高い。
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鑑定すると、属性より弱いがドラゴンとしての尻尾や爪・噛みつきはあり、ブレスが出せないぐらいなものであろうと予測された。
「ルーチェ!ブレスは無いが、基本能力で戦ってくる!リーチの長さは向こうの方が有利だから気をつけて!」
「はい!エトワール!」
『姫。適切に距離を守りましょう。リュシオル様の援護が目的で動いた方がいいですね。』
「分かったわ。リュシオル様!隙を作るので、その間に!」
エトワールに声をかけたルーチェは素早く動き出し、野良ドラゴンの視覚に収まって注意を引き始めた。
度々、攻撃を加え注意がリュシオルのほうに向かないように心がける。
「ルーチェが隙を作ってくれるから隙を狙って1撃で仕留めるぞ。」
『あいあい!主様!がんばっちゃうよ~。』
ルーチェだけでは荷が重いので少し共闘する。
ドラゴンが右前足の爪で右からルーチェに襲い掛かるが、適切な距離を保っているためにすぐに避ける。
振り抜かれて重心を支えている左前足をリュシオルが切りかかり、傷をつける。
すると、リュシオルのほうをドラゴンが向くがすぐにルーチェに顔を狙われ、ルーチェに意識を持っていかれることとなる。
まさにヒット&ウェイの戦法でドラゴンの体力を削っていく。
「そろそろ、動きが落ちてきた・・・。そろそろ決めるよ?」
『攻撃力最大~。』
ルーチェの方に意識を持って行った瞬間、リュシオルは駆け出してドラゴンの首に向かって跳躍した。
バルトは鱗諸共切れるよう切れ味を上げて後押しする。
「いっけぇぇぇぇぇ!」
リュシオルは首目掛けて力いっぱい振りぬいた。
斬るとまるで豆腐を斬っているような感触だった。
まさかの過剰な攻撃だったのか?と思いながら地面に着地すると、ドラゴンの首がまだついていた。
「え?切れてないの?」
『え~切れたはずだよ?』
「がぁぁぁぁ~~~~・・・・・・・。」
ドラゴンが咆えると段々首がずれていき、ドラゴン自身斬られたとも分からずに絶命していた。
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