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ルーチェの体が拭き終わって身支度を済ませた後、昼食を食べに外に出かける。
「何食べようかな?魚はそんなに無いしな・・・。」
「そうですね。屋台で軽く食べませんか?マルテの町と出ているものは違うと思いますし。」
「確かにそうだ。屋台で軽く済ませてやつを倒しちゃおうか。」
少しブラブラと歩き回ると、屋台が立ち並ぶ通りに出てきた。
漂う匂いもマルテの町とまったく違っていた。
「こっちは塩とか醤油っぽい匂いがするな。」
「醤油とはなんでしょうか?匂いから察するに魚から出来た醤のことですか?」
「こっちでは醤というんだね。いい香りだ。」
「はい。いいですね。食欲が刺激されます。」
胸いっぱいに匂いを吸い込み。食欲を刺激されたお腹はぐぅ~と鳴って早く食べさせろと訴えてきた。
「お腹が限界だな。全種類を食べる分と予備分買うか!」
食べることが好きなため、全種類制覇と狙う。
女の子だった名残が少し出てしまっていた。
『リュシオル様ってたまに女の子っぽいこと言うのよね。親近感も沸くし、分かってくれるから安心するのだけど。』
ルーチェとしては嬉しいのと、少しの違和感を抱いた。
「ルーチェ早く買うよ~。くぅ~!匂いがたまらない!」
屋台の料理に釣られて、どんどん買っていく。
デザートももちろん忘れていない。
「さて、全種類買えたからどこか木陰で食べるとするか!」
「こっちの方にありますよ。」
海の方に歩いていくと、公園があり、木もいい感じにあり、最高なスポットだった。
「ベンチもあるし、最高だ。さて食べようか。」
買ってきた食べ物を一つづつ出していった。
「2つ出さないんですか?」
「ん?2つ出して1個づつ食べたらお腹がいっぱいになって全部食べれないだろ?半分ずつにして、色んな味を2人で食べよう。」
「!!!ありがとうございます。」
ルーチェは途中でお腹がいっぱいになって食べれなくなってしまうだろうと少し寂しかったが、リュシオルの提案で、食べられるものが増え、少し嬉しかった。
食事用ナイフも護衛の準備の時に買っていたため、どんどん切っていく。
「手を洗って食べようか。」
ウォータボールの小さいのを作り出し、手を洗う。
2人は食べ始め、リュシオルは全種類食べれたが、ルーチェは少し食べ切れなかった。
ルーチェが残した分もリュシオルは平らげて、お腹いっぱいになった。
「食べたな~お腹いっぱいだよ。ルーチェも大分食べれた?」
「はい。リュシオル様の提案でたくさんの種類を食べることが出来ました。」
「それは良かった。この後はデザートと行きたいとこだけどお腹がいっぱいで食べれないね。」
「そうですね。私もお腹がいっぱいで食べれないです。」
お腹をさすり、お腹いっぱいのゼスチャーを2人でする。
「「っぷ・・・あははははは!!」」
お腹をさすっている状態を2人同じくしたため、面白くて二人で笑ってしまった。
「2人同時にさするなんて、笑ってしまったよ。」
「ふふふ。そうですね。ピッタリでしたね。」
ひとしきり笑った後、少しボーっとすることした。
「あ~コーヒーが飲みたいな・・・・」
「ん?・・・どうしましたか?」
「いや。なんでもないよ。」
お腹いっぱいになった後に食後のコーヒーを飲んでさっぱりさせたかったのだが、紅茶があるのは見たが、この世界にコーヒーがあるのか知らないため、なんでもないようにごまかした。
「少しゆっくりしたら、ギルドに行って報酬を貰いにいく?」
「そうしましょう。」
お腹が落ち着いてから、ギルドに向かうため歩き出した。
ギルドに着くと、人が並んでいるため、番号札を貰い、横で座って待つことにした。
「この町の人はこんがり焼けてるよな。」
「そうですね。私達と比べると真っ黒ですね。」
「海での討伐があったりするからかな?塩水で銀の防具が濡れると大変だからな。」
「何で大変なんですか?」
「それはね、海に含まれる塩分の力で銀が錆びやすくなってしまうんだ。だからほら見てごらん?ここの冒険者は皮とかが多いだろ?」
リュシオルに言われて改めて周りを見渡してみると、確かに皮の防具を着ている冒険者が多かった。
「ホントですね。これは気づきませんでした。でも、銀っぽい防具を着ている人もいますよ?」
ちらほらであるが、銀っぽい防具をつけている人もいた。
「肌の色で見たらいいよ。白っぽかったらよその冒険者。黒かったらここの冒険者。そして黒い人が銀みたいな防具を着ているあの素材は銀じゃなくてミスリルとか違うものだと思うよ。それにそんな防具を買えるのはランクが高い人になるから、あの人はある程度高ランクじゃないかな?」
「凄いですね。見ているだけで相手とかの実力が分かっちゃうんですね。」
「よく人を観察していたら分かるようになるよ。見ることは大事だからね。」
女の子だったときは、色んな女の子とか人を見て観察していたため、洞察力が凄く鍛えられていた。
離していると、順番が回ってきて受付に報酬の件を伝える。
「リュシオル様ですね。少しお待ちください・・・・。はい。今回の山賊の頭は指名手配の賞金首になっており、その部下も何名か賞金首になっていたためこの報酬になります。」
見せられた金額は300万エカトだった。
「こんなにするんですか?」
「はい。長い間捕まらなかったため賞金が釣りあがりました。しかも、場所をある程度で変えていたため消息をつかめなく困っているところでした。」
捕まえたやつらは中々の悪いやつだったらしい。
ほのぼの回です^^




