~368~
光のシャワーを見たプワソン達3人は、その場に膝をついた。
「リュシオルが・・・死んだ・・・。」
「私たちは助かったけど、リュシオルとルーチェを犠牲にしなければならないなんて・・・。」
「・・・・・。」
疲れもあったのか、そこから中々動けなかった。
そこへプワソン達を探しに来た冒険者が現れた。
「大丈夫ですか?!怪我は?!」
「問題ない・・・。ただ疲れて動けなくなっていただけだ・・・。」
「それならよかったです。では、生存している方での最前線はここで終わりですか?」
プワソンに肩を貸しながら、質問を投げかけた冒険者。
「いえ・・・。もっと最前線は奥よ・・・。」
「わたくし達は見なければならないの・・・。」
自力で起き上がったベリエとエクラはフラフラとしながら、奥に向かって歩き始めた。
「ならば、私も行かないと・・・。フィグ。」
「はいはぁ~い!」
奥まで歩けそうにないと判断したプワソンはフィグを出して、騎乗する。
エクラもベリエも同じようにジェルムとイリスを召喚した。
騎乗した後は、風のように奥にと進んで行った。
「置いていかれてしまった・・・。」
勿論、探しに来てくれた冒険者は放置である。
しばらく進むと、大爆発でも起こったかのような地面が次々と現れた。
「相当、厳しい戦いをしていたのね・・・。いつから戦っていたのかしら?」
「分かりませんわ・・・。でも、わたくし達は休憩をしながら、彼はずっとでしょう?」
「ずっと音がしていたものな・・・。」
横目で戦闘痕を見ながら、中心地を目指した。
すると、見つけたのはリュシオルではなくKの遺体だった。
「これは敵の?ではリュシオルは?」
「もしかして移動したのか?!」
「どうしましょう・・・。探しようがありませんわ・・・。」
困っているところに、タイミングよく彼が現れた。
「お~い!いたか?」
そうきたのはリンブルである。
「いいタイミングで来たわ!リュシオルの匂いを辿って頂戴!」
「俺は犬かよ・・・。ならディンの出番だな。あいつなら匂いを覚えてるし、探せるはずだ。」
プワソンは召喚獣のディンを召喚した。
そして、捜索すること半刻。
ようやく見つけることが出来た。
「ひどい怪我・・・。でもこれぐらいならリュシオルなら一瞬のはずですわ・・・。」
「もしかして・・・。触っちゃだめ!」
触ろうとしていた、リンブルとプワソンをベリエが叫んで止めた。
「どうしたんだ?」
「それ・・・私知ってるの・・・。それは呪いの傷・・・。だから傷口には絶対に触れないで・・・。」
体を自分でギュッと抱きしめながらベリエは警告した。
「それでですのね・・・。でも・・・。」
「なんで満足そうな顔をして逝ってるんだよ・・・。」
白い布をアイテムバックから取り出し、リュシオルを包んで、傷口に触れないよう板に乗せて運ぶことにした。




